オリバーのIPO|MBOからの再上場と日本基準・IFRSの二本立て開示【Ⅰの部から読む上場準備】

※本記事は2026年10月7日時点の公表資料に基づきます。

株式会社オリバー(証券コード619A)は、2026年8月13日に東京証券取引所から上場承認を受け、2026年9月16日に東証スタンダード市場へ上場しました。愛知県岡崎市に本店を置き、ホテル・オフィス・商業施設・医療福祉施設・公共空間などのインテリアを設計・製造・施工する会社です。前身の旧株式会社オリバーは東証一部・名証一部に上場していましたが、2021年にインテグラル株式会社が設立した受け皿会社による公開買付けとマネジメント・バイアウト(MBO)で上場廃止となり、それから約5年を経て再び上場しました。本記事では、東京証券取引所に提出された「新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)」(2026年8月13日提出)を読み、上場準備会社の経営者・CFO・管理部門の方が実務の参考にできるポイントを整理します。

結論からいえば、オリバーのⅠの部は「PEファンドによる非公開化を経た会社が、どのような形で再上場の準備を整えたか」を学べる事例です。受け皿会社が旧会社を吸収合併したことで生じたのれん(日本基準で7,407百万円)、日本基準の財務諸表に加えてIFRSの財務諸表も作成した二本立ての開示、最近事業年度の途中に行った監査等委員会設置会社への移行、EBITDAを行使条件とする新株予約権の設計、そして工事原価の付替えといった不正リスクを具体的に書いた事業等のリスクなど、準備中の会社がそのまま検討項目にできる論点が並んでいます。

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オリバーはどんな会社で、いつ、どの市場に上場したのか

まず基本情報です。現在の株式会社オリバーは、2021年4月30日に株式会社NEXT―Oとして設立された会社です。NEXT―Oは旧株式会社オリバーの全株式を取得して完全子会社とし、2022年1月1日に旧オリバーを吸収合併して商号を株式会社オリバーに変更しました。そのためⅠの部では、旧オリバーを「実質上の存続会社」として扱い、旧オリバーの沿革(1967年12月の富士スチール株式会社の設立から)もあわせて記載しています。

決算期は12月で、第1期は2021年4月30日から2021年12月31日までの変則決算です。Ⅰの部の最近事業年度は第5期(2025年12月期)で、直近の期間として第6期中間会計期間(2026年1月〜6月)の数値も掲載されています。関係会社はなく、財務諸表は単体のみです。代表者は代表取締役社長の大川和昌氏で、従業員数は2026年6月30日現在631名(平均年齢37.6歳、平均勤続年数11.2年)です。

項目 内容
社名 株式会社オリバー(OLIVER CORPORATION)
証券コード・市場 619A・東証スタンダード市場
上場承認日/上場日 2026年8月13日/2026年9月16日
本店所在地 愛知県岡崎市
設立 2021年4月30日(株式会社NEXT―Oとして設立)。実質上の存続会社である旧オリバーの前身は1967年12月設立の富士スチール株式会社
事業 家具・インテリア事業(単一セグメント)
決算期 12月(最近事業年度は第5期・2025年12月期)
従業員数 631名(2026年6月30日現在、平均年齢37.6歳)
機関設計 監査等委員会設置会社(2025年11月12日に移行)
会計監査人 有限責任 あずさ監査法人
財務諸表 日本基準の財務諸表(単体)に加え、IFRSに準拠した財務諸表も作成

上場した市場はスタンダード市場です。スタンダード市場の上場審査では、実質審査基準として「企業の継続性及び収益性」「企業経営の健全性」「企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性」「企業内容等の開示の適正性」「その他公益又は投資者保護の観点から当取引所が必要と認める事項」が確認されます。また、上場後はコーポレートガバナンス・コードの全原則が適用されます。グロース市場のように「高い成長可能性」を示す市場ではないため、安定して利益を出せる事業基盤があるかどうかが審査の大きな論点になります。実質審査基準の全体像はIPOの実質審査基準とは、継続性と収益性の見られ方はIPO審査の「企業の継続性及び収益性」で解説しています。

旧オリバーの上場から上場廃止・再上場までの流れ1988年6月名証二部上場2019年10月東証・名証一部上場2021年9月MBOにより上場廃止2022年1月NEXT―Oが吸収合併2026年9月16日東証スタンダード市場に上場旧株式会社オリバー(1967年12月設立の富士スチールが前身)現在の当社(2021年4月30日設立)公開買付け期間:2021年6月23日〜8月17日 / 上場廃止日:2021年9月14日

図1 旧株式会社オリバーは2021年9月にMBOで上場廃止となり、受け皿会社による吸収合併を経て、2026年9月16日に東証スタンダード市場へ上場した。Ⅰの部をもとに作成

オリバーのケースで特徴的なのは、同じ事業がかつて上場していたという点です。とはいえ、一度上場を廃止した会社が再び上場する場合は、法人格が同じかどうかにかかわらず新規上場の手続を踏む必要があります。オリバーの場合は、受け皿会社が旧会社を吸収合併しており、会社の器そのものも変わっています。Ⅰの部の冒頭には「はじめに」として、非公開化の経緯、上場廃止後の取組み、上場の目的が数ページにわたって説明されています。過去に上場していた会社の再上場では、「なぜ非公開化し、その間に何を変え、なぜ再び上場するのか」を一貫したストーリーとして説明できるかが問われることを示す構成といえます。

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オリバーは何で稼いでいるのか(事業内容と収益モデル)

オリバーは自社を「デジタルインテリアソリューションプロバイダー」と位置づけ、ホテル・オフィス・レストラン・商業施設・医療施設・公共空間のインテリアを、設計から製造、施工まで手がけています。Ⅰの部の事業系統図では、①営業・ヒアリング、②インハウスデザイナーによる空間プランニング・デザイン提案、③内装・家具の詳細仕様の設計、④家具の調達・製造、⑤納品・設置と内装の設計施工、⑥品質管理・アフターフォローという流れが示されています。

製造は豊橋工場のほか、国内外1,000社超の協力会社に委託するファブレス型が中心です。損益計算書の売上原価明細を見ると、2025年12月期の当期総製造費用991百万円に対し、当期商品仕入高は24,212百万円と大半を占めており、外部からの仕入・外注が原価の中心であることが読み取れます。内装施工も専門の施工会社へ外注し、社内の内装管理部門が指揮する形です。

オリバーのビジネスフローと収益の源泉①営業・ヒアリング市場別の営業・展示会②空間プランニングインハウスデザイナー③詳細仕様の設計特注・造作家具の図面④調達・製造豊橋工場+協力会社⑤納品・設置/内装施工専門施工会社へ外注⑥アフターフォロー修理・メンテナンス国内外1,000社超の協力会社ネットワーク(ファブレス)2025年12月期の売上構成:既製品・カタログ品20%/特注品・造作家具54%/内装工事・家具搬入26%

図2 営業から空間プランニング、設計、調達・製造、納品・内装施工、アフターフォローまでを一気通貫で提供する。製造は主に外部委託するファブレスモデル。Ⅰの部をもとに作成

2025年12月期の売上構成は、既製品・カタログ品が20%、特注品・造作家具が54%、内装工事・家具搬入が26%です。顧客の業種(市場)を5つに分けて管理しており、収益認識関係の注記では次のように売上が分解されています。売上高の10%以上を占める主要な販売先はなく、改装案件の売上比率は、2021年12月期(旧オリバーの2020年10月21日〜2021年12月31日)の37%から最近事業年度は60%に高まったと記載されています。

市場 2024年12月期 2025年12月期
商環境 3,733百万円 4,755百万円
宿泊 8,084百万円 7,627百万円
医療・福祉 4,599百万円 3,810百万円
オフィス・文教・公共 10,504百万円 10,694百万円
チェーンストア・その他 6,183百万円 8,117百万円
合計 33,103百万円 35,003百万円

受注までの過程をKPIとして開示している

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、オリバーはリード件数・受注率・案件規模の3つを挙げています。リード件数は2023年12月期の1,588件から2025年12月期は2,058件へ、受注率は62.8%から67.2%へ、1案件当たりの売上金額の単純平均である案件規模は15百万円から17百万円へ伸びています。あわせて、継続顧客からの売上高(管理会計ベース)は2023年12月期22,897百万円から2025年12月期31,349百万円となり、2025年12月期の継続顧客比率は88%と記載されています。なお、Ⅰの部の「重要な指標」として経営者が重視するのは売上収益及び営業利益です。

経営上の目標の達成状況を判断する指標(KPI)リード件数受注率案件規模2023年12月期 1,588件2025年12月期 2,058件2023年12月期 62.8%2025年12月期 67.2%2023年12月期 15百万円2025年12月期 17百万円獲得した見込案件の数契約に至った件数の割合1案件当たりの売上金額継続顧客からの売上高:2023年12月期 22,897百万円 → 2025年12月期 31,349百万円(全体の88%)

図3 リード件数・受注率・案件規模の3指標を開示している。案件規模は1案件当たり売上金額の単純平均。継続顧客は前年度以前に受注実績のある顧客で、比率は管理会計上の売上高による。Ⅰの部をもとに作成

上場準備会社にとっての実務上のポイントは、KPIを「営業プロセスの分解」として設計している点です。売上高=リード件数×受注率×案件規模という形に分解すると、どこに課題があるのかを取締役会や投資家に説明しやすくなります。上場審査でも、事業計画の前提となる数字が社内でどのように集計・管理されているかが確認されます。KPIを開示する場合は、集計方法を規程や手順書で定め、毎月同じ方法で集計できる状態にしておくことが大切です。

旧オリバーの上場廃止から再上場までに何があったのか

沿革を整理します。旧オリバーは1967年12月に富士スチール株式会社として設立され、1987年10月に株式会社オリバーへ商号を変更し、1988年6月に名古屋証券取引所市場第二部、2019年10月には東京証券取引所市場第一部と名古屋証券取引所市場第一部に上場しました。

2021年4月、インテグラル株式会社が株式会社NEXT―Oを設立し、NEXT―Oが2021年6月23日から8月17日まで旧オリバー株式の公開買付けを実施しました。旧オリバーは2021年9月14日に上場廃止となり、NEXT―Oは同年9月16日に旧オリバーの全株式を取得して完全子会社化しています。上場廃止後、インテグラル4号投資事業有限責任組合、Initiative Delta IV L.P.、Innovation Alpha IV L.P.、代表取締役社長の大川和昌氏と役職員がNEXT―Oの株式を取得し、2022年1月1日にNEXT―Oが旧オリバーを吸収合併して商号を株式会社オリバーとしました。

MBOと吸収合併のスキームインテグラル4号投資事業有限責任組合Initiative Delta IV L.P.Innovation Alpha IV L.P.代表取締役社長 大川和昌及び当社役職員株式会社NEXT―O(2021年4月30日設立)旧株式会社オリバー東証・名証一部上場2021年9月14日 上場廃止株式会社オリバー(現在の当社)2022年1月1日 吸収合併・商号変更出資資本参加公開買付け消滅会社存続会社

図4 インテグラルが運営するファンドと経営陣・役職員が受け皿会社に出資し、公開買付けで旧オリバーを完全子会社化したのち吸収合併した。合併時の子会社・関連会社とは資本関係を解消している。Ⅰの部をもとに作成

非公開化の期間中には、事業と資産の整理が進められています。2022年1月にオリバーアメリカ・インターナショナルINC.を清算し、2022年8月に株式会社本多木工所の株式を一部譲渡して関連会社から外し、2023年9月にオリバーファーム・ニュージーランドLTD.を清算、2024年4月にはミクスネットワーク株式会社を売却しました。キャッシュ・フロー計算書には2024年12月期に子会社株式の売却による収入3,500百万円が、損益計算書には子会社株式売却益511百万円が計上されています。

Ⅰの部の「はじめに」では、上場廃止後の取組みとして、内装施工事業の拡大、デジタル技術の活用、新規市場・領域の開拓、協力会社との連携、関係会社の清算や非事業性資産の売却・ERP移行による効率経営、製品開発が挙げられています。上場の目的としては、資金調達環境の確保と社会的信用の向上を掲げ、内装施工会社を中心としたM&A、AI・クラウドへの投資、海外展開、専門職の採用を資金の使い道の候補として示しています。

上場準備会社にとっての実務上のポイントは、子会社や非事業性資産を上場前に整理しておくと、グループの範囲が明確になり、審査で説明すべき論点が減るという点です。上場審査では、事業に関係しない資産の保有理由や、関係会社との取引の合理性が確認されます。オリバーの場合、上場申請時点では関係会社がなく単体のみの開示となっており、グループ管理に関する説明はシンプルになっています。上場準備の全体像はIPO準備の全体像(N-3期〜N期)も参考にしてください。

業績はどう推移しているか(赤字から黒字定着までの読み方)

主要な経営指標等の推移(日本基準・単体)は次のとおりです。第1期は旧オリバーとの合併前で売上高の発生がなく、株式取得のための借入の支払利息等で純損失となっています。第2期(2022年12月期)は合併後最初の事業年度で、為替の影響、原材料費・輸送費の高騰、吸収合併に伴うのれん償却費473百万円の発生等により純損失となりました。第3期以降は経常利益・当期純利益とも黒字で推移しています。

項目(百万円) 第2期 2022/12 第3期 2023/12 第4期 2024/12 第5期 2025/12
売上高 22,124 24,984 33,103 35,003
経常利益 △493 2,676 2,481 3,153
当期純利益 △124 2,064 1,411 2,073
純資産 9,132 11,248 12,703 15,054
総資産 31,283 28,926 27,292 27,075
自己資本比率 29.19% 38.88% 46.54% 55.60%
自己資本利益率 △1.45% 20.25% 11.78% 14.94%
営業キャッシュ・フロー - - 3,527 △91

この表で注意したいのは、数値の根拠の違いです。Ⅰの部の注記によると、第1期から第3期は会社計算規則に基づく数値で、第4期・第5期は財務諸表等規則に基づいて作成し、有価証券上場規程第204条第6項に基づき、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に準じて有限責任 あずさ監査法人の監査を受けています。キャッシュ・フロー計算書も第4期から作成されています。上場申請では直前2期の財務諸表に監査意見が必要になるため、監査法人との契約時期から逆算して準備を進めることが欠かせません(監査法人はいつまでに決めるか)。

売上高と経常利益の推移(日本基準、単位:百万円)010,00020,00030,00040,000第2期 2022/12第3期 2023/12第4期 2024/12第5期 2025/1222,12424,98433,10335,003経常利益△493経常利益2,676経常利益2,481経常利益3,153棒:売上高 箱:経常利益(第2期は経常損失)

図5 第1期(2021年12月期)は旧オリバーとの合併前で売上高の発生はない。第2期はのれん償却費473百万円の発生等で純損失。第3期以降は経常黒字。Ⅰの部をもとに作成

2025年12月期は、売上高が前期比5.7%増の35,003百万円、営業利益が20.8%増の3,174百万円、経常利益が27.1%増の3,153百万円、当期純利益が47.0%増の2,073百万円でした。2024年12月期の当期純利益が経常利益に比べて小さいのは、法人税等の負担率が52.8%と高かったためで、税効果の注記では評価性引当額の増減やのれん償却費が差異の要因として示されています。2025年12月期の負担率は34.1%です。

第6期中間会計期間(2026年1月〜6月)は、売上高18,639百万円、営業利益1,897百万円、経常利益1,859百万円、中間純利益1,207百万円(日本基準)です。2025年12月期の受注高は35,772百万円(前期比107.3%)、期末の受注残高は9,011百万円(同109.3%)と記載されています。

第1四半期に利益が偏る季節性も開示されている

オリバーは官公庁や3月決算の企業を取引先に多く持つため、年度末を控えた2月から3月に取引が集中し、第1四半期(1月〜3月)に収益が偏重する傾向があります。事業等のリスクでは発生可能性を「高」、影響度を「小」としたうえで、2025年12月期の四半期別の業績を示しています。営業利益は第1四半期1,236百万円、第2四半期340百万円、第3四半期778百万円、第4四半期820百万円で、通期3,174百万円の約4割が第1四半期に計上されています。

2025年12月期の四半期別営業利益(日本基準、単位:百万円)04008001,2001,600第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期1,236340778820通期の営業利益3,174百万円のうち1,236百万円を第1四半期で計上(38.9%)

図6 官公庁や3月決算の企業との取引が多く、2月から3月に取引が集中するため、第1四半期(1月〜3月)に収益が偏重する。Ⅰの部をもとに作成

季節性のある会社が上場すると、四半期ごとの決算短信で業績が大きく振れて見えることがあります。上場準備の段階で四半期・月次の業績パターンを分析し、予算も月次・四半期に分解して管理しておくと、予実管理の精度が上がり、上場後の業績予想の修正リスクも下げられます。審査では予算と実績の差異分析の仕組みが確認されるため、季節性の説明は予実差異の説明とあわせて準備しておくとよいでしょう。

営業キャッシュ・フローがマイナスになった理由

2025年12月期の営業キャッシュ・フローは△91百万円でした。税引前当期純利益は3,145百万円でしたが、法人税等の支払額が2,211百万円にのぼったことが影響しています。第6期中間会計期間の営業キャッシュ・フローも△1,294百万円で、仕入債務の減少4,339百万円が大きく、その主な理由は中小受託取引適正化法(取適法)への対応として支払サイトを短縮したことと説明されています。中間会計期間末の電子記録債務は前期末比で3,931百万円減少しました。

利益が出ていても、支払条件の見直しや税金の支払時期によって営業キャッシュ・フローはマイナスになり得ます。下請取引に関する法令への対応は、上場審査でもコンプライアンスの観点から確認される項目です。支払条件を変更する場合は、資金繰り計画への影響を事前に試算しておくことが重要です。なお、オリバーは取引銀行4行とシンジケートローン契約(タームローン3,000百万円、コミットメントライン極度額2,000百万円)を結んでおり、純資産維持(前期の70%以上)と利益維持(経常損益の2期連続赤字の回避)の財務制限条項が付されています。財務制限条項は日本基準の財務数値を基礎に算出すると記載されています。

資本政策と株主構成はどうなっているか

ここからは株式の状況です。発行済株式総数は100,000,000株で、種類株式はなく普通株式のみ、単元株式数は100株です。2026年6月30日現在の株主数は83名で、所有者別ではその他の法人が7.65%、外国法人等が38.34%、個人その他が54.01%となっています。自己株式は保有していません。

発行済株式総数の推移を見ると、MBO後の資本構成がどのように作られたかが分かります。2021年8月23日に1株を10株にする株式分割と、発行価格100円の第三者割当(主な割当先はインテグラル4号投資事業有限責任組合ほか3社)を行い、発行済株式総数は80,646,720株となりました。2021年11月19日には役員及び従業員40名に対して発行価格100円で4,640,000株の第三者割当を行っています。その後、2022年1月と8月に新株予約権付社債の行使で計13,213,280株が増え、2025年3月27日の新株予約権の行使1,500,000株で100,000,000株となりました。

資本政策と財務の主な出来事2021年8月第三者割当:1株100円、80,636,720株主な割当先 インテグラル4号投資事業有限責任組合 他3社2021年11月第三者割当:1株100円、4,640,000株(役員及び従業員40名)第1回新株予約権を付与、第1回私募無担保社債1,000百万円2022年1月・8月新株予約権付社債の行使:11,213,280株、2,000,000株発行済株式総数 98,500,000株2022年4月第2回新株予約権A種・B種を付与(行使価額100円)従業員164名・取締役4名2024年ミクスネットワーク株式を売却(売却収入3,500百万円)私募社債1,000百万円を償還、シンジケートローン契約2025年3月・4月第1回新株予約権の行使(代表取締役社長、1,500,000株)第3回新株予約権を付与(行使価額230円、従業員76名)

図7 MBO後の資本構成の変化を時系列で整理した。2025年3月の行使で発行済株式総数は100,000,000株となった。Ⅰの部をもとに作成

大株主はファンド、比率は「Ⅰの部記載時点」で読む

第四部「株主の状況」によると、Ⅰの部記載時点の大株主は次のとおりです。比率は新株予約権による潜在株式6,696,500株を含む総数106,696,500株に対する割合で、上場時(売出し後)の比率ではない点に注意が必要です。インテグラル4号投資事業有限責任組合が43.93%、Initiative Delta IV L.P.が19.16%、Innovation Alpha IV L.P.が16.77%、インテグラル株式会社が7.17%で、インテグラル関連の4者を合計すると87.03%になります。代表取締役社長の大川和昌氏は5.04%(うち潜在株式分1.75%)です。

株主構成(Ⅰの部記載時点、潜在株式を含む)インテグラル4号投資事業有限責任組合43.93%Initiative Delta IV L.P.19.16%Innovation Alpha IV L.P.16.77%インテグラル株式会社7.17%大川和昌(代表取締役社長)5.04%その他の株主(役職員等)7.93%インテグラル関連4者の合計 87.03%(ファンド3者とインテグラル株式会社)

図8 割合は新株予約権による潜在株式6,696,500株を含む総数106,696,500株に対するもので、上場時(売出し後)の比率ではない。「その他」は差引きで算出。Ⅰの部をもとに作成

インテグラル関連の3つのファンドは合算で過半数の株式を保有していますが、Ⅰの部では、企業会計基準適用指針第22号第16項(4)により財務諸表等規則上の親会社には該当しないと記載されています。一方、IFRSの財務諸表では、最終的な支配当事者をインテグラル株式会社としています。事業等のリスクでは「大株主がファンドであること等について」を独立した項目とし、インテグラル株式会社が上場時に保有株式の一部を売却する予定であること、上場後も相当数を保有する可能性があり、その保有・処分方針によっては株式の流動性や株価形成等に影響を及ぼす可能性があることを記載しています。

ファンドが大株主の会社では、上場時の売出しの規模と流通株式の確保が密接に関係します。流通株式からは、上場株式数の10%以上を所有する者が所有する株式や役員等が所有する株式などが除かれるため、ファンドの持分が大きいほど、どれだけ売り出すかが形式要件の充足に直結します。流通株式の数え方は流通株式数の数え方と流通株式比率の計算式と調べ方、ファンドの持株の扱いはベンチャーキャピタルの持株は流通株式から除かれるかで解説しています。また、親会社等との関係の整理についてはIPO審査の「親会社等からの独立性」も参考になります。

新株予約権はEBITDA条件と上場後の段階的な行使で設計されている

オリバーは役員・従業員向けに3回の新株予約権(ストック・オプション)を発行しています。いずれも1個につき1株で、行使には業績条件(EBITDA)が付されています。EBITDAは営業利益に減価償却費、のれん償却費、顧客関連資産償却費、無形固定資産償却費、長期前払費用償却費、株式報酬費用を加えたものと定義されています。のれん償却費などの償却費を足し戻す定義のため、日本基準の営業利益とは異なる指標です。業績条件付きのストック・オプションでは、どの数値をどう計算するかを割当契約で明確に定めておくことが、行使の可否をめぐる疑義を防ぐうえで重要です。

回次 付与対象者(決議時) 株数・個数 行使価額 業績条件(EBITDA)
第1回(2021年11月付与) 取締役1名 1,500,000株 100円 2021年12月期〜2025年12月期のいずれかで22億円以上。2025年3月に全数行使
第2回A種(2022年4月決議) 従業員164名 3,010,000個 100円 2023年12月期〜2026年12月期のいずれかで25億円以上
第2回B種(2022年4月決議) 取締役4名 2,856,500個 100円 同上
第3回(2025年4月決議) 従業員76名 920,000個 230円 2025年12月期〜2028年12月期のいずれかで35億円以上

行使条件には、行使価額を下回る価格での株式の発行や売買が行われた場合、上場前に第三者評価(DCF法や類似会社比較法等)が行使価額を下回った場合、上場後に株価の終値が一度でも行使価額を下回った場合には行使できなくなる条項があります。さらに割当契約で、上場日からの経過期間に応じて行使できる割合が段階的に増える仕組みが定められています。第2回は上場日から6か月を経過するまで0%、その後1年まで50%、2年まで75%、2年経過以降100%、第3回は1年6か月まで0%、2年まで50%、3年まで75%、3年経過以降100%です。

新株予約権の上場後の行使可能割合と業績条件第2回新株予約権A種・B種(行使価額100円)上場日〜6か月0%6か月〜1年50%1年〜2年75%2年経過以降100%第3回新株予約権(行使価額230円)上場日〜1年6か月0%1年6か月〜2年50%2年〜3年75%3年経過以降100%業績条件(EBITDA):第2回は2023〜2026年12月期のいずれかで25億円以上第3回は2025〜2028年12月期のいずれかで35億円以上(第1回は22億円以上で2025年に行使済み)

図9 割当契約により、上場日からの経過期間に応じて行使できる割合が段階的に増える。業績条件のほか、行使価額を下回る株式発行・取引・評価や上場後の株価終値が一度でも行使価額を下回った場合は行使できない条件がある。Ⅰの部をもとに作成

第1回の新株予約権は、2025年3月27日に大川和昌氏が行使し、1,500,000株(1株100円、総額150百万円)を取得しました。この取引は第四部の「特別利害関係者等の株式等の移動状況」に記載され、価格は新株予約権の行使条件による価格で、DCF法、純資産方式、類似会社比準方式で算出した価格を総合的に勘案して決定したものと説明されています。また、日本基準の関連当事者情報にも、2025年12月期の取引として新株予約権の行使150百万円が記載されています。

第3回の新株予約権は2025年4月25日に発行され、第四部の「第三者割当等の概況」に記載されています。行使価額230円は、DCF法、純資産方式及び類似会社比準方式により算出した価格を総合的に勘案して決定したものです。報酬として割り当てた新株予約権について、有価証券上場規程施行規則第272条に基づき、原則として割当日から上場日の前日または行使日のいずれか早い日まで所有することなどの確約を取っています。継続所有の確約が必要になる期間や対象は上場前に株式を動かすとどうなるか(継続所有の確約)で解説しています。

会計処理にも違いがあります。日本基準では、未公開企業は公正な評価単価に代えて本源的価値で測定できるため、オリバーも株式の評価にDCF法を用いた本源的価値で見積もり、ストック・オプションに係る費用計上額は「該当なし」となっています。一方、IFRSでは付与日の公正価値で費用を認識する必要があり、第3回の付与日の加重平均公正価値は二項モデルで1個当たり16円と開示されています。ストック・オプション全体の株式報酬費用は、2024年12月期・2025年12月期ともに9百万円です。潜在株式は6,696,500株で、発行済株式総数の6.7%に当たり(第2回A種と第3回の個数には当社が保有する自己新株予約権を含むため、表の個数の合計とは一致しません)、事業等のリスクでも希薄化について記載しています。ストック・オプションの注記はストック・オプションの注記の記載例を参考にしてください。

配当政策も確認しておきます。最近事業年度は無配ですが、2026年12月期は配当性向70%を目安、2027年12月期以降は配当性向50%以上を目安とし、年2回、取締役会の決議で配当を行う方針です。配当性向はIFRSの当期利益で算出する予定と記載されています。定款で剰余金の配当等を取締役会で決定できる旨(会社法459条1項)を定めている点も、配当方針と整合しています。

コーポレート・ガバナンスはどう設計されているか

オリバーは2025年11月12日に監査役設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。移行の理由として、監査等委員である取締役が取締役会で議決権を行使すること、監査の範囲が適法性監査から妥当性監査まで広がることを挙げています。会計監査人は有限責任 あずさ監査法人です。

取締役会は監査等委員でない取締役5名(うち社外取締役1名)と監査等委員である取締役3名(うち社外取締役2名)の計8名で構成され、議長は代表取締役社長の大川和昌氏、原則として毎月1回開催しています。監査等委員でない取締役の任期は1年です。業務執行面では、社長が議長を務め営業統括本部・生産本部・管理本部の各本部長で構成する「三本部会議」で取締役会付議事項等を事前に協議し、取締役・執行役員による経営会議を原則毎月1回開いています。

機関設計の全体像(監査等委員会設置会社)株主総会会計監査人(あずさ)取締役会(8名、うち社外3名)議長:代表取締役社長監査等委員会(3名、うち社外2名)常勤監査等委員1名選任選任連携代表取締役社長選定・監督経営会議三本部会議(事前協議)コンプライアンス委員会委員長:代表取締役社長内部監査室(2名専任)代表取締役社長の直轄報告・連携

図10 2025年11月12日に監査等委員会設置会社へ移行した。内部監査室は代表取締役社長の直轄で、監査等委員会・会計監査人と連携する。Ⅰの部をもとに作成

監査役会設置会社と監査等委員会設置会社のどちらを選ぶかは、上場準備で早めに決めたい論点です。監査等委員会設置会社では、監査等委員である取締役を3名以上とし、その過半数を社外取締役とする必要があります(会社法331条6項)。オリバーは移行に合わせて監査等委員会の補助使用人の独立性についても内部統制の基本方針で定めています。選び方の考え方は監査役会設置会社と監査等委員会設置会社はどちらを選ぶ?で解説しています。

取締役会の構成とファンドからの派遣取締役

社外取締役は後藤英恒氏、福田あずさ氏、長坂英樹氏の3名で、福田氏と長坂氏は監査等委員です。後藤氏はインテグラル株式会社のパートナー、近藤隆平氏(取締役 社長室担当)はインテグラル株式会社の社員で、2名はインテグラルからの派遣役員として上場後も受け入れを継続する予定と記載されています。福田氏は税理士・公認会計士・弁護士の資格を持ち、長坂氏は不動産領域の税務・会計の経験と他社での社外役員の経験を持つと説明されています。社外取締役の独立性に関する基準や方針は定めていないものの、東京証券取引所の独立性基準を参考にしているとしています。

最近事業年度の取締役会は15回開催され、取締役の出席状況が個人別に開示されています。期中の就任・退任があったため、在任期間中の開催回数に対する出席回数で記載されています。監査等委員会は設置後の2025年11月から12月までに3回開かれ、3名全員が3回とも出席しています。

取締役会の構成(8名)監査等委員でない取締役(5名、任期1年)大川和昌代表取締役社長(議長)浦隅明弘常務取締役生産本部長草道勇取締役営業統括本部長後藤英恒社外取締役インテグラル派遣近藤隆平取締役 社長室担当インテグラル派遣監査等委員である取締役(3名)天野彰英常勤監査等委員(社内)福田あずさ監査等委員(社外)長坂英樹監査等委員(社外)社外取締役:後藤英恒、福田あずさ、長坂英樹の3名(役員8名のうち女性1名)

図11 監査等委員でない取締役5名(うち社外1名)と監査等委員である取締役3名(うち社外2名)の8名。インテグラルからの派遣取締役2名は上場後も受け入れを継続する予定。Ⅰの部をもとに作成

スタンダード市場の会社にはコーポレートガバナンス・コードの全原則が適用され、原則4-10(2026年7月改訂前は原則4-8)では独立社外取締役を少なくとも2名以上選任すべきとされています(実施しない場合はその理由の説明が必要)。ファンドからの派遣取締役が独立役員になれるかどうかは、東京証券取引所の独立性基準に照らして判断されます。東証は2026年7月の上場規則改正(7月10日施行)で独立性基準を広げ、上場会社の主要株主(議決権10%以上)やその業務執行者(最近において該当していた者を含む)等は、2026年12月1日以後に終了する事業年度に係る定時株主総会から独立役員の要件を満たさないこととなりました。ファンドが大株主の会社では、派遣取締役と独立社外取締役の役割を分けて整理し、少数株主の利益をどう守るかを説明できるようにしておくことが大切です。社外取締役の人数の考え方は社外取締役は何人必要かで解説しています。

役員報酬は限度額・方針・委任の3段階で決まる

取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、基本報酬(固定報酬)、業績連動報酬(売上高やEBITDAをはじめとする経営指標などを総合的に勘案して現金で支給)、非金銭報酬(新株予約権)で構成され、社外取締役は基本報酬のみです。報酬の方針は取締役会で決定し、個人別の報酬等は、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、取締役会決議に基づき代表取締役社長および社外取締役が具体的内容の委任を受けて決めます。監査等委員である取締役の個人別の報酬額は、監査等委員の協議で決定します。

報酬限度額は2025年11月12日の臨時株主総会で、取締役(監査等委員を除く)が年額200百万円以内、監査等委員である取締役が年額36百万円以内と決議されています。最近事業年度の報酬総額は、取締役(監査等委員を除く)4名で140百万円(固定報酬60百万円、業績連動報酬80百万円)、監査等委員である取締役3名で14百万円(固定報酬のみ)です。

役員報酬の決定プロセス取締役(監査等委員を除く):年額200百万円以内株主総会限度額を決議(2025年11月12日)取締役会報酬方針を決定委任代表取締役社長および社外取締役個人別の報酬額固定+業績連動+新株予約権監査等委員である取締役:年額36百万円以内株主総会限度額を決議監査等委員の協議個人別の報酬額を決定最近事業年度の総額:取締役(監査等委員を除く)140百万円(固定60、業績連動80、4名)監査等委員である取締役14百万円(固定14、3名)。社外取締役の報酬は基本報酬のみ

図12 報酬方針は取締役会で決定し、個人別の報酬は株主総会で決議された限度額の範囲内で、取締役会決議に基づき代表取締役社長および社外取締役が委任を受けて決める。Ⅰの部をもとに作成

役員報酬の決定方針や、個人別の報酬の決定を代表取締役などに委任する場合の内容は、有価証券報告書の記載事項として開示府令で定められています。上場準備では、報酬の決め方を取締役会決議で明確にし、委任する場合は委任先・委任の範囲・権限が適切に行使されるための措置を議事録に残しておくことが必要です。オリバーの場合、委任先に代表取締役社長だけでなく社外取締役も含めている点が特徴です。

関連当事者との取引は上場前に解消されている

関連当事者との取引は、上場審査で「企業経営の健全性」の観点から重点的に確認されます。オリバーの日本基準の関連当事者情報には、2024年12月期の取引として、代表取締役社長の配偶者である大川淳子氏が保有していた社債の償還1,000百万円と利息の支払13百万円が記載されています。IFRSの注記によると、これは2021年11月19日に発行した第1回私募無担保社債(1,000百万円、利率1.5%)で、2024年中に償還されています。取引条件は一般の取引条件と同様に決定していると説明されています。

IFRSの関連当事者注記には、最終的な支配当事者であるインテグラル株式会社への当社製品の販売52百万円(2025年12月期)も記載されています。日本基準とIFRSで関連当事者の範囲が異なるため、両方の財務諸表を作成する会社では、それぞれの基準で開示対象を洗い出す必要があります。

関連当事者との取引の関係大川淳子(代表取締役社長の配偶者)大川和昌(代表取締役社長)株式会社オリバーインテグラル株式会社(IFRS上の最終的な支配者)2024年12月期私募社債の償還1,000百万円利息の支払13百万円2025年12月期新株予約権の行使150百万円(第1回、1,500,000株)当社製品の販売52百万円(2025年12月期)

図13 日本基準の関連当事者情報には社長の配偶者が保有する社債の償還と社長の新株予約権行使が、IFRSの関連当事者注記にはインテグラル株式会社への当社製品の販売が記載されている。Ⅰの部をもとに作成

社長やその親族との取引は、必要性と取引条件の妥当性を説明できない限り、上場前に解消しておくのが基本です。オリバーのように、社長の親族が会社の資金調達に関わっていた場合でも、上場申請前の期間に償還などで関係を解消し、その経緯を開示することで説明がつきます。考え方はIPO審査の「企業経営の健全性」(関連当事者取引)と社長個人と会社の取引はどう解消するかで解説しています。

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内部監査・内部統制はどう整備されているか

内部監査は、代表取締役社長の直轄組織である内部監査室が担当しています。担当者は2名で、いずれも専任です。内部監査規程と内部監査計画に基づき、全部署に対して年1回以上の内部監査を行い、監査結果を定期的に代表取締役、取締役会、監査等委員会に報告しています。売上高35,003百万円、従業員600名超の規模の会社で、専任2名の内部監査部門を置いている体制です。

監査等委員会は常勤監査等委員1名と非常勤監査等委員2名で構成され、原則として毎月1回開催されます。業績の進捗状況や予実差異の要因分析、稟議運用、内部統制の運用状況等について検証し、必要に応じて提言・指摘を行っていると記載されています。監査等委員は内部監査室から原則として毎週定例報告を受け、監査等委員と内部監査室の担当者は、会計監査人と四半期ごとに開催される監査報告会を通じて情報交換を行っています。

三様監査の連携(監査等委員会・内部監査室・会計監査人)監査等委員会常勤1名+社外2名内部監査室2名専任・社長直轄会計監査人有限責任 あずさ監査法人原則毎週の定例報告四半期ごとの監査報告会必要の都度、情報交換代表取締役社長・取締役会監査結果を報告監査等委員会では業績進捗、予実差異、稟議運用、内部統制の運用状況を検証全部署を年1回以上監査し、結果を代表取締役・取締役会・監査等委員会へ報告

図14 監査等委員は内部監査室から原則毎週定例報告を受け、会計監査人とは四半期ごとの監査報告会で情報交換する。内部監査室は全部署を年1回以上監査する。Ⅰの部をもとに作成

内部監査で問題になりやすいのが「自己監査」です。内部監査の担当者が他部署の業務を兼務していると、自分の業務を自分で監査することになるため、その部分は別の担当者が監査するなどの手当てが必要になります。オリバーは担当者2名が専任のため、兼務による自己監査の問題が生じにくい体制です。内部監査の人数や兼務の考え方は内部監査の人数と体制と内部監査の担当者と兼務(自己監査の回避)、三様監査の連携は監査役監査・内部監査・会計監査(三様監査)で解説しています。

不正リスクを具体的に書き、対応策とセットで開示している

オリバーの事業等のリスクで目を引くのが「不正事案の発生に関するリスク」です。発生可能性は「低」、影響度は「中」とされ、想定される不正として口頭発注や案件間の工事原価の付替えを挙げています。対応策として、内部監査による定期的なモニタリング、全社研修での「口頭発注及び原価付替禁止」の周知、稟議運用の強化、収支入力権限を付与する者の限定の4つを示しています。

工事原価にかかわる不正リスクと対応策想定される不正事案・口頭発注・案件間の工事原価の付替え内部監査による定期的なモニタリング全社研修で「口頭発注及び原価付替禁止」を周知稟議運用の強化収支入力権限付与者の限定

図15 事業等のリスク「不正事案の発生に関するリスク」(発生可能性:低、影響度:中)として、口頭発注や工事原価の付替えを想定し、4つの対応策を記載している。Ⅰの部をもとに作成

工事や受注制作のように、案件ごとに原価を集計して進捗度や損益を計算する事業では、原価の付替えが売上の計上時期や工事損失の把握に直接影響します。上場準備の内部統制では、発注の承認(発注書の発行と承認者)、原価の案件への紐づけ、案件別の収支の入力権限、案件の予算と実績の比較といったポイントを、業務記述書やリスク・コントロール・マトリクスに落とし込むことが基本です。内部統制の文書化は内部統制の3点セットを参考にしてください。

リスク管理体制としては、危機管理規程に基づき、危機発生時には社長を本部長、管理本部長を事務局長とする対策本部を設置するとしています。コンプライアンス委員会(委員長は社長、委員は取締役7名など)を年2回以上開催し、コンプライアンス・デーの設定、携帯用マニュアルの配布、年1回以上の講習会を行っています。内部・外部の通報窓口を設け、重大な事案は外部の弁護士等による独立性の高い調査を行うとしています。内部通報制度の整備は内部通報体制は上場審査でどこまで見られるかで解説しています。

会計・開示で押さえるべき論点は何か

日本基準とIFRSの二本立てで財務諸表を開示

オリバーのⅠの部の大きな特徴は、財務諸表等規則に基づく日本基準の財務諸表に加え、財務諸表等規則第326条第2項によりIFRSに準拠した財務諸表も作成している点です。IFRSの財務諸表は2025年12月期が最初で、IFRSへの移行日は2024年1月1日です。中間財務諸表はIAS第34号に準拠した要約中間財務諸表で、日本基準・IFRSとも有限責任 あずさ監査法人の監査(中間は期中レビュー)を受けています。

IFRSを適正に適用するための体制として、公益財団法人財務会計基準機構への加入、IFRSの知識を持つ人員の配置、管理部門責任者と経営陣によるレビューを挙げています。経営指標の推移でも、日本基準とあわせてIFRSの数値が参考情報として示されています。2025年12月期の主な数値を比べると次のとおりです。

項目(2025年12月期) 日本基準 IFRS
売上高/売上収益 35,003百万円 35,015百万円
営業利益 3,174百万円 3,544百万円
当期純利益/当期利益 2,073百万円 2,511百万円
総資産 27,075百万円 30,272百万円
純資産/資本合計 15,054百万円 16,148百万円
自己資本比率 55.60% 53.34%
営業キャッシュ・フロー △91百万円 394百万円
のれん(期末) 7,407百万円 8,353百万円

利益の差の大きな要因はのれんの償却です。日本基準ではのれんを20年で定額償却し、毎期473百万円の償却費が生じますが、IFRSではのれんを償却せず、毎期減損テストを行います。資産の差は、IFRSでリースを使用権資産として計上することなどによります。IFRS初度適用の調整表では、2024年12月31日の利益剰余金が日本基準の2,793百万円からIFRSでは3,548百万円となり、のれん473百万円、退職後給付143百万円、繰延税金261百万円、借入金15百万円、未消化の有給休暇△131百万円などの調整が示されています。

日本基準からIFRSへの利益剰余金の調整(2024年12月31日、単位:百万円)日本基準2,793のれん+473退職給付+143繰延税金+261借入金+15有給休暇-131その他-6IFRS3,548

図16 IFRS初度適用の調整表より。のれんの非償却(既償却額の遡及修正)、退職後給付、繰延税金、借入金、未消化の有給休暇の負債計上などで、利益剰余金は2,793百万円から3,548百万円になる。Ⅰの部をもとに作成

IFRSの初度適用では、IFRS第1号の免除規定を使っています。企業結合についてはIFRS第3号を遡及適用せず、移行日ののれんは日本基準の帳簿価額を引き継いで、移行日に減損テストを実施しています。ほかにもリースの判定を移行日の事実と状況で行うことや、資本性金融資産をその他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定することなどの免除規定を使っています。配当性向をIFRSの当期利益で算出するとしていることから、上場後はIFRSの数値が株主還元の基準になる点も押さえておきたいところです。一方、シンジケートローンの財務制限条項は日本基準の財務数値を基礎とするとされており、管理上は両方の数値を見ていく必要があります。

収益認識は「搬入設置工事を要するか」で分ける

収益認識の会計方針では、家具及びインテリアの製造販売と海外商品の輸入販売について、顧客への引渡しの際に搬入設置工事を要する契約は一定の期間にわたり履行義務を充足すると判断し、進捗度に基づいて収益を認識しています。進捗度は期末までに発生した工事原価を予想される工事原価の総額で割って算出する方法(原価比例法)です。搬入設置工事を要しない契約は、商品及び製品が顧客に到着した時点で収益を認識します。代理人に該当する取引は純額で収益を認識しています。

収益の分解情報では、2025年12月期の売上高35,003百万円のうち、一定の期間にわたり充足する履行義務が30,247百万円、一時点で充足する履行義務が4,756百万円です。重要な会計上の見積りとして、期末時点で進捗度が100%未満の契約に係る売上高(2024年12月期1,704百万円、2025年12月期1,292百万円)を挙げ、主要な仮定は案件ごとの工事原価総額で、作業内容の変更があれば適時に見直すとしています。

収益認識の判断(日本基準・IFRS共通)顧客との契約(家具・インテリアの製造販売、海外商品の輸入販売)搬入設置工事を要するか一定の期間にわたり充足進捗度=発生工事原価÷工事原価総額2025年12月期 30,247百万円一時点で充足商品・製品が顧客に到着した時点2025年12月期 4,756百万円要する要しない代理人に該当する取引は純額で収益を認識期末時点で進捗度100%未満の契約に係る売上高1,292百万円を重要な会計上の見積りとして開示

図17 搬入設置工事を要する契約は一定の期間にわたり履行義務を充足するとして原価比例で進捗度を見積もり、要しない契約は顧客への到着時点で収益を認識する。金額は日本基準の2025年12月期。Ⅰの部をもとに作成

原価比例法で収益を認識する会社では、工事原価総額の見積りの精度と、発生原価の正確な集計が収益の金額を直接左右します。先ほどの不正リスクで挙げた案件間の原価の付替えは、まさにこの見積りと集計をゆがめる行為です。収益認識の方針と内部統制の対応策を一体として整理しておくと、審査や監査で説明しやすくなります。上場審査での収益認識の見られ方は上場審査で問われる収益認識で解説しています。

のれんは日本基準・IFRSとも監査上の主要な検討事項

のれんは、NEXT―Oが旧オリバーに対して行った企業結合で認識され、合併で引き継がれたものです。日本基準の取得原価は9,456百万円で、2025年12月期末の帳簿価額は7,407百万円、総資産の27.4%を占めます。単一セグメントの資産グループ全体に配分され、継続して営業利益を計上していること、使用範囲に変更がないこと、経営環境の著しい悪化がないことから、減損の兆候はないと判断しています。IFRSでは8,353百万円で、回収可能価額は使用価値により、予測期間は最長3年、その後の成長率2.0%、税引前割引率11.5%を用いて算定し、使用価値は帳簿価額を十分に上回るとしています。

監査報告書では、日本基準の財務諸表で「のれんの減損の兆候の判定」が、IFRSの財務諸表で「のれんの評価の妥当性」が、それぞれ監査上の主要な検討事項(KAM)とされています。M&AやMBOで大きなのれんを抱えて上場する会社では、事業計画の前提と減損の判定プロセスを取締役会で承認し、その記録を残しておくことが重要です。のれんの見られ方はIPO審査でのれんの減損リスクはどう見られるかで解説しています。

のれんの会計処理:日本基準とIFRSの比較日本基準20年定額償却(年473百万円)2025年12月期末 7,407百万円減損の兆候の有無を判定→ 兆候なしと判断兆候があれば割引前将来CFと比較IFRS(参考情報)非償却・毎期減損テスト2025年12月期末 8,353百万円回収可能価額=使用価値計画期間は最長3年成長率2.0%・税引前割引率11.5%監査上の主要な検討事項:日本基準「のれんの減損の兆候の判定」、IFRS「のれんの評価の妥当性」

図18 のれんは株式会社NEXT―Oが旧オリバーを取得した企業結合で生じ、合併で引き継がれた。日本基準・IFRSの監査報告書とも、のれんを監査上の主要な検討事項としている。Ⅰの部をもとに作成

会計監査人は有限責任 あずさ監査法人で、継続監査期間は2年間、業務執行社員は2名、補助者は公認会計士12名・その他10名です。監査証明業務に基づく報酬は、最近事業年度の前事業年度が20百万円、最近事業年度が43百万円で、非監査業務に基づく報酬はありません。上場準備では、監査報酬が監査範囲の拡大に応じて増えることを見込んで予算を組んでおくことが大切です(費用の目安はIPOにかかる費用はいくらか)。

事業等のリスクには何が書かれ、審査で何が問われやすいか

オリバーの事業等のリスクは20項目で、各項目に発生可能性・発生する可能性のある時期・影響度を付し、対応策を記載しています。主な項目を整理すると次のとおりです。

リスク項目 発生可能性 影響度 主な記載内容
為替 高 中 米ドル・人民元建ての調達。為替予約等で対応
法規制 低 大 一級建築士事務所登録、特定建設業許可(国土交通大臣許可)。いずれも5年ごとの更新
不正事案の発生 低 中 口頭発注、案件間の工事原価の付替え。内部監査、研修、稟議運用、入力権限の限定
ハラスメント 低 大 社内アンケート、内部通報制度
業績の第1四半期偏重 高 小 官公庁・3月決算企業との取引が2〜3月に集中
特定の人物への依存 低 大 代表取締役社長。サクセッションプランの策定・実行
大株主がファンドであること 中 大 上場時の一部売却予定、派遣取締役2名の継続
のれんの減損 低 大 日本基準は償却、IFRSでは8,353百万円を非償却
財務制限条項 低 中 純資産維持・利益維持の条項
新株予約権の行使による希薄化 高 小 潜在株式6,696,500株(発行済株式総数の6.7%)

この中で、上場審査や主幹事証券の引受審査で特に確認されやすいのは、次の3つの領域です。1つ目は許認可です。建設業許可と一級建築士事務所登録はいずれも有効期限があり、更新を前提に事業が成り立っています。許認可の要件(経営業務の管理責任者や専任技術者など)を継続して満たせる体制かどうか、更新の管理を誰が行うかを説明できるようにしておく必要があります(IPOで許認可はどこまで見られるか)。

2つ目は大株主との関係です。ファンドが大株主で、派遣取締役が上場後も在任する場合、少数株主との利益相反をどう防ぐか、取締役会の意思決定が特定の株主に偏らないかが確認されます。オリバーは対応策として、大株主との定期的な意見交換、取締役会の運営や意思決定プロセスの透明化、独立社外取締役の機能の強化を挙げています。

3つ目はのれんと業績の安定性です。スタンダード市場の「企業の継続性及び収益性」の観点では、事業計画の前提が合理的か、のれんの減損が生じた場合でも事業の継続に支障がないかが論点になります。のれんの金額が大きい会社では、事業計画と減損の判定を同じ前提で作っていることを示すことが説得力につながります。

オリバーのケースから上場準備会社が学べること

ここまでの内容から、上場準備会社が実務に生かせるポイントを7つにまとめます。

  1. 再上場は「非公開化の期間に何を変えたか」を説明する:オリバーは「はじめに」で非公開化の経緯、上場廃止後の取組み、上場の目的を一続きで説明しています。過去に上場していた会社でなくても、上場の目的と成長の道筋を一貫したストーリーで語れるかが重要です。
  2. グループの範囲は上場前に整理する:子会社の清算・売却、非事業性資産の売却を進め、単体のみの開示になっています。審査で説明すべき関係会社取引が少なくなります。
  3. 機関設計の変更は時期を逆算する:監査等委員会設置会社への移行は2025年11月で、監査等委員会の開催実績は最近事業年度で3回です。運用実績を示すためにも、移行は早めに検討したいところです。
  4. 業績条件付きの新株予約権は指標の定義を明確にする:EBITDAの計算式を割当契約で具体的に定め、上場後の行使割合も段階的に設計しています。
  5. 会計基準の選択は配当・財務制限条項まで見通す:配当性向はIFRSの当期利益、財務制限条項は日本基準の数値と、目的によって基準が分かれています。
  6. 不正リスクは具体的に識別し、統制とセットで管理する:口頭発注や原価の付替えという具体的な不正の手口を挙げ、内部監査・研修・稟議・権限の4つで対応しています。
  7. 関連当事者取引は上場前に解消し、経緯を開示する:社長の親族が保有していた社債を償還し、その事実を関連当事者情報で開示しています。

上場準備のチェックリスト

  • 上場の目的と成長の道筋を、事業計画と矛盾しない一貫したストーリーとして説明できるか
  • 子会社・関連会社・非事業性資産の保有理由を説明でき、不要なものの整理方針が決まっているか
  • 機関設計(監査役会設置会社か監査等委員会設置会社か)を決め、上場申請までに運用実績を積める時期に移行しているか
  • 新株予約権の業績条件・行使条件・行使価額の算定根拠を文書化し、継続所有の確約の要否を確認しているか
  • 案件別の原価集計・発注承認・入力権限などの統制を整備し、不正リスクを具体的に識別しているか
  • のれんや繰延税金資産など見積りを伴う項目について、事業計画と同じ前提で判断し、取締役会の承認記録を残しているか

よくある質問

Q1. MBOで上場廃止した会社が再び上場する場合、手続は簡略化されますか?

オリバーの場合、上場廃止後に受け皿会社が旧会社を吸収合併しており、新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)を提出して新規上場の手続を踏んでいます。過去に上場していたことで審査が省略されるわけではなく、非公開化後の体制や業績について改めて審査を受けることになります。

Q2. 日本基準の会社がIFRSの財務諸表も作成するのはなぜですか?

オリバーは財務諸表等規則第326条第2項に基づき、日本基準の財務諸表に加えてIFRSに準拠した財務諸表も作成しています。Ⅰの部では、配当性向をIFRSの当期利益で算出する予定と記載されており、上場後の経営管理や株主還元の基準としてIFRSの数値を用いる方針であることが分かります。

Q3. ファンドが大株主のままでも上場できますか?

オリバーのⅠの部記載時点では、インテグラル関連の4者が潜在株式を含む総数の87.03%を保有しています。ファンドが大株主であること自体で上場できないわけではありませんが、上場時の売出しによる流通株式の確保、上場後の保有・処分方針の開示、少数株主保護のためのガバナンス体制が論点になります。

Q4. 監査等委員会設置会社には常勤の監査等委員が必要ですか?

会社法上、監査等委員会設置会社に常勤の監査等委員を置く義務はありません。オリバーは常勤監査等委員1名を選定し、内部監査室から原則毎週定例報告を受ける体制としています。社内の情報を継続的に把握するために常勤者を置くかどうかは、会社の規模や内部監査部門との連携の仕方を踏まえて検討します。

最初の一歩は、自社の「整理すべき過去」を棚卸しすること

オリバーのケースは、非公開化の期間に事業と資産、関連当事者との関係、ガバナンスを一つずつ整理してから上場に臨んだ事例です。上場準備を始める会社も、まずは子会社や非事業性資産、役員や親族との取引、過去の株式の移動、会計処理の論点を一覧にして、上場申請までに何をどの順番で解消するかを決めることから始めるとよいでしょう。全体のスケジュールはIPO準備 完全ガイドで確認できます。

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まとめ

株式会社オリバーは、2021年のMBOで東証一部・名証一部の上場を廃止し、受け皿会社による吸収合併を経て、2026年9月16日に東証スタンダード市場へ上場しました。Ⅰの部からは、非公開化の期間に関係会社や非事業性資産を整理し、社長の親族との社債取引を解消したうえで、監査等委員会設置会社への移行、業績条件付きの新株予約権、日本基準とIFRSの二本立ての開示といった準備を進めたことが読み取れます。

会計面では、日本基準で7,407百万円、IFRSで8,353百万円ののれんがいずれも総資産の約27%を占め、日本基準・IFRSの両方で監査上の主要な検討事項となっています。収益の約86%を原価比例で認識していることから、工事原価の見積りと集計の統制が業績の信頼性を支える構造です。上場準備会社の方は、本記事のチェックリストを使って、自社の整理状況と管理体制を確認してみてください。

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公認会計士・税理士 鈴木佑也

この記事を書いた人鈴木 佑也(公認会計士・税理士)

公認会計士としての実務歴は13年以上、独立後は20社を超える支援に関与しています。労働者派遣事業と有料職業紹介事業の許可申請にかかる監査証明と合意された手続業務に対応しています。優成監査法人(現・太陽有限責任監査法人)で上場企業および上場準備企業の監査に従事し、太陽グラントソントン・アドバイザーズで財務デューデリジェンスと企業価値評価に携わりました。プロフィールを見る

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免責:本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別案件に対する法務、会計、税務その他の専門的助言を構成するものではありません。実際の対応は、最新の法令・取引所規則・公表資料を確認し、必要に応じて専門家へご相談ください。

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