ジャパンホームシールドのIPO|ファンド傘下からの上場とIFRSののれん【Ⅰの部から読む上場準備】

※本記事は2026年10月26日時点の公表資料に基づきます。

ジャパンホームシールド株式会社(証券コード667A)は、2026年10月26日に東京証券取引所から上場承認を受け、2026年11月30日に東証スタンダード市場へ上場する予定です。住宅の地盤調査・解析、地盤補強工事、建物検査・点検、品質保証をワンストップで提供する会社で、2020年11月にPEファンドの出資を受けて設立された買収SPC(旧社名CI04株式会社)が、1990年設立の旧ジャパンホームシールド株式会社を買収・吸収合併して現在の形になりました。本記事では、同社の「新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)」を読み、上場準備の実務で参考になる論点を整理します。

結論からいえば、このケースは「ファンド傘下(LBO後)の会社がスタンダード市場へ上場する」ときの論点がそろった教材です。過半数を持つ投資事業有限責任組合がIFRS上は親会社でも日本基準上は親会社に当たらないという整理、議決権30.0%を持つ事業会社(テノックス)の資本参加と非独立の社外取締役、LBOローンの財務制限条項抵触と上場前のリファイナンス、IFRSの任意適用と総資産の約半分を占めるのれん・無形資産の減損テスト、有償ストック・オプションの業績条件などが、Ⅰの部に具体的に記載されています。

この記事の論点を自社と比べられる「ジャパンホームシールドのⅠの部と比べる 上場準備ギャップ診断シート(Excel)」を、記事の後半で無料でお渡ししています。

ジャパンホームシールドはどんな会社で、いつどの市場に上場するのか

ジャパンホームシールドは、東京都墨田区両国に本店を置き、住宅事業者向けに「地盤」と「建物」の品質確保に関わるサービスを提供しています。当社グループは、当社、連結子会社3社(JHSエンジニアリング株式会社、ファーストインスペクションサービス株式会社、株式会社アライドリサーチ)、持分法適用関連会社1社(ジオサイン株式会社)の計5社で構成されています。決算期は2月末日で、2023年5月30日の第3期定時株主総会で3月31日から変更したため、第3期(2023年2月期)は11か月の変則決算です。

Ⅰの部の冒頭(はじめに)では、当社が2020年11月にMCP5投資事業有限責任組合からの出資を受けて買収SPC「CI04株式会社」として設立され、2021年3月に旧ジャパンホームシールド株式会社の株式を100%取得、2022年4月に同社を吸収合併して商号変更した経緯が説明されています。実質的な存続会社は旧ジャパンホームシールド株式会社で、こちらは1990年3月に住宅設備機器の保守を目的として設立されました。上場の目的としては、企業価値の向上、社会的信用力の向上、資本市場との対話を通じた持続的成長などが挙げられています。

項目 内容(Ⅰの部の記載)
会社名 ジャパンホームシールド株式会社(証券コード667A)
市場 東京証券取引所 スタンダード市場
上場承認日/上場予定日 2026年10月26日/2026年11月30日
本店所在地 東京都墨田区両国二丁目10番14号
設立 2020年11月(買収SPC「CI04株式会社」として設立)。実質的な存続会社の設立は1990年3月
決算期 2月末日(第6期=2026年2月期)
代表者 代表取締役社長 勅使河原 隆巳
事業 地盤ソリューション事業、地盤工事事業、建物ソリューション事業の3セグメント
従業員数 連結282名(臨時30名)、単体253名(臨時17名)、単体の平均年齢42.3歳・平均勤続年数11.7年(2026年9月30日現在)
会計基準・監査法人 連結はIFRS(初度適用は第6期・2026年2月期。比較年度の第5期もIFRSで表示、移行日2024年3月1日)、EY新日本有限責任監査法人
発行済株式総数 6,995,000株(2026年7月16日に1株を10株に分割)

資本関係は少し複雑です。申請時点では、MCP5投資事業有限責任組合が議決権の68.6%、株式会社テノックスが30.0%を保有し、株式会社東京カンテイが第三者割当により100,000株を保有しています。Ⅰの部の「関係会社の状況」では、テノックスは「その他の関係会社」として記載され、MCP5投資事業有限責任組合については、企業会計基準適用指針第22号第16項(4)の規定により連結財務諸表規則に基づく親会社には該当しない一方、当社が採用するIFRSにおける親会社はMCP5投資事業有限責任組合であり、最終的な支配当事者はMCPパートナーズ株式会社(2026年7月1日にMCPキャピタル株式会社を吸収合併し、MCPキャピタル株式会社に商号変更)であると説明されています。また、「提出会社の親会社等の情報」では、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はないと記載されています。

株主と当社グループの資本関係(申請時点)MCP5投資事業有限責任組合運営:コバルトインベストメント議決権 68.6%株式会社テノックスその他の関係会社議決権 30.0%株式会社東京カンテイ第三者割当先100,000株ジャパンホームシールド株式会社(提出会社)MCP5:IFRS上の親会社/連結財務諸表規則上の親会社には該当しないJHSエンジニアリング100%地盤工事ファーストインスペクションサービス66.5%・建物アライドリサーチ100%地盤ソリューションジオサイン20.9%(持分法)地盤ソリューション

図1 議決権比率はⅠの部「関係会社の状況」及び関連当事者注記の記載です。MCP5投資事業有限責任組合はIFRS上の親会社ですが、連結財務諸表規則に基づく親会社には該当しないと記載されています。

上場準備会社にとっての実務上のポイントは、ファンドが過半数を持つ場合でも、会計基準ごと・制度ごとに「親会社」の判定が分かれ得ることです。投資事業有限責任組合の場合、日本基準ではベンチャーキャピタル等の投資育成目的の出資について子会社に該当しないとする取扱いがあり、IFRSでは支配の有無で判定します。Ⅰの部では、どの基準でどう判定したかを注記や「関係会社の状況」で明示することになるため、早い段階で監査法人と判定の根拠を整理しておくことが重要です。親会社等がある場合の審査上の論点は、IPO審査の「親会社等からの独立性」や親会社がある状態で上場できるのかで詳しく解説しています。

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何で稼ぐ会社か:地盤と建物の3事業

同社の事業は、住宅のライフサイクルに沿って並んでいます。住宅を建てる前に地盤が住宅を安全に支えられるかを調べる地盤調査・解析(地盤ソリューション事業)、軟弱地盤と判明した場合の地盤補強工事(地盤工事事業)、建築中の品質検査や引渡し後の定期点検、既存住宅売買時の建物状況調査、長期の品質保証(建物ソリューション事業)です。Ⅰの部では、累計260万棟超の地盤調査・解析実績(2026年9月末時点)、累計46万戸超の建物検査実績、全国7営業拠点とFC店・特約店73店(2026年9月末現在)のネットワーク、約3万社の顧客(同)が強みとして挙げられています。

地盤から建物まで:ワンストップの事業モデル住宅事業者(ハウスメーカー・住宅建築会社・デベロッパー・不動産事業者等 約3万社)住宅の計画・建設・維持管理の各工程でサービスを提供地盤調査・解析地盤ソリューション地盤補強工事地盤工事建物検査・点検建物ソリューション長期の品質保証地盤・建物・設備協力会社 約300社現場業務の大半を外部委託全国7営業拠点+FC店・特約店73店販売・サービス提供ネットワーク

図2 地盤調査・解析を起点に、地盤補強工事、建物検査・点検、長期の品質保証までを住宅事業者へ提供する構造です(Ⅰの部「事業の内容」をもとに作成)。

現場業務の大半は外部に委託しており、事業等のリスクでは委託先の確保や外注費の高騰、現場での安全衛生上の問題・施工上の不備が「業務の外部委託に関するリスク」として記載されています。対策として、委託体制を管理する部署の設置、外部委託先への定期的な安全研修会、現場監査、施工トラブル事例の情報共有などが挙げられています。また、加盟店との間ではフランチャイズ加盟契約を締結しており、商標の使用許諾や研修・支援、加盟金・ロイヤリティの支払いなどが契約内容として開示されています。

2026年2月期(第6期)のセグメント構成は、地盤ソリューション事業が売上収益の39.6%・営業利益の38.6%、地盤工事事業が売上収益の41.3%・営業利益の48.5%、建物ソリューション事業が売上収益の19.1%・営業利益の12.9%です。連結売上収益の10%以上を占める販売先はないと記載されており、2022年3月期の売上高上位30社のうち2026年2月期も取引が継続している顧客の割合は100%とされています。

セグメント別の売上収益と利益(第6期・2026年2月期)売上収益(百万円)セグメント利益(百万円)01,5003,0004,5006,00001753505257004,9525,1702,386468587156地盤ソリューション地盤ソリューション地盤工事地盤工事建物ソリューション建物ソリューション構成比:39.6%/41.3%/19.1%構成比:38.6%/48.5%/12.9%

図3 第6期の販売実績とセグメント利益(百万円未満切捨て)。構成比はⅠの部「事業の内容」の記載です。

経営上の重要な財務指標としては「営業利益」と「セグメント利益」が掲げられ、事業活動と顧客基盤の拡大を把握する指標として、地盤ソリューション事業では累計地盤調査棟数(2026年2月期2,570,065棟)、建物ソリューション事業では累計建物検査・点検サービス提供件数(同516,239件)が採用されています。成長領域と位置付ける建物ソリューション事業では、住宅の引渡し後11年目から最長20年目まで構造部分等の品質を保証する「建物サポートシステム」の実績が、MD&Aの注記で3期分開示されています。

「建物サポートシステム」の累計獲得棟数と売上棟数累計獲得棟数売上棟数05,00010,00015,00020,0002024年2月期2025年2月期2026年2月期1,11610,04517,459201,1464,522

図4 累計獲得棟数は、契約した住宅事業者が年間に利用する予定棟数の合計です(Ⅰの部MD&Aの注記)。単位:棟。

KPIの開示で参考になるのは、指標の定義を本文で明確にしている点です。「累計獲得棟数」は、各期末時点で契約している住宅事業者が年間に建物サポートシステムを利用する予定棟数の合計と定義されています。また、地盤関与シェアは「当社の地盤調査データ解析棟数÷木造・プレハブの新設住宅着工戸数」として算出方法と分母の出典が示されています。上場準備では、事業計画やKPIの根拠を主幹事証券や取引所に説明する場面が多く、定義と算定方法を社内で固定しておくことが事業計画の合理性の説明にもつながります。

沿革:事業会社の30年超と買収SPCの歩みをどう書き分けているか

旧ジャパンホームシールドは、1990年3月にアメリカンホームシールドジャパン株式会社として設立され、1993年9月に地盤調査業務を開始しました。2000年12月の品確法施行にともなう地盤関連業務の拡大、2003年5月の建物検査業務の開始、2010年10月のSDS試験の提供開始などを経て、親会社はトステム、住生活グループ、LIXIL、LIXIL住生活ソリューションとグループ内で異動しています。

その後、2020年11月にCI04株式会社(現在の当社)が設立され、2021年3月に旧ジャパンホームシールドの株式を100%取得、2022年4月に吸収合併して商号を変更しました。合併後は、2022年4月の株式会社アライドリサーチの子会社化(2023年2月に完全子会社化)、2023年9月の住生活少額短期保険株式会社の全株式譲渡と「建物サポートシステム」の販売開始、2025年3月の東京カンテイへの第三者割当増資、2026年1月のテノックスへの第三者割当増資と続きます。

沿革:合併前と合併後に分けて読む旧ジャパンホームシールド(実質的な存続会社)現ジャパンホームシールド(旧CI04株式会社)1990年3月アメリカンホームシールドジャパン設立1993年9月地盤調査業務を開始2003年5月建物検査業務を開始2010年10月SDS試験の提供を開始2011年12月「建物状況調査」販売開始2016年7月ファーストインスペクションサービス設立2020年11月CI04株式会社を設立(買収SPC)2021年3月旧JHSの株式を100%取得2022年4月旧JHSを吸収合併し商号変更2023年9月「建物サポートシステム」販売開始2025年3月東京カンテイへ第三者割当増資2026年1月テノックスへ第三者割当増資

図5 Ⅰの部の沿革は、実質的な存続会社である旧ジャパンホームシールドと、買収SPCとして設立された現会社に分けて記載されています(主要項目を抜粋)。

Ⅰの部では、沿革を「吸収合併前(旧ジャパンホームシールド株式会社)」と「吸収合併前後(現ジャパンホームシールド株式会社)」に分けて記載しています。主要な経営指標等の推移でも、第1期・第2期は合併前の特別目的会社CI04株式会社の数値であることを注記し、参考として旧ジャパンホームシールドの2022年3月期の主要な経営指標(日本基準、監査証明なし)を別表で掲げています。

買収SPCが事業会社を吸収合併した後に上場する場合、法形式上の会社の歴史と事業の実態の歴史がずれます。どちらの会社の数値を、どの期間について、監査証明の有無とあわせて示すかは、Ⅰの部の作成方針として早めに主幹事証券・監査法人と詰めておくべき論点です。Ⅰの部とⅡの部は何が違うかもあわせてご覧ください。

業績はどう推移しているか:IFRS連結と日本基準単体を読み分ける

同社は第6期(2026年2月期)からIFRSを初めて適用し(移行日2024年3月1日)、比較年度の第5期(2025年2月期)とあわせてIFRSの連結経営指標2期分を開示しています。第6期(2026年2月期)の連結売上収益は12,508,997千円(前期比8.1%増)、営業利益は1,212,388千円(同70.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は687,258千円(同127.2%増)でした。第7期中間連結会計期間(2026年3月〜8月)は、売上収益7,021,655千円(前年同期比15.8%増)、営業利益816,839千円(同51.0%増)で、こちらは監査法人の期中レビューを受けた数値です。

連結(IFRS) 第5期(2025年2月期) 第6期(2026年2月期) 第7期中間(2026年3〜8月)
売上収益 11,576,456千円 12,508,997千円 7,021,655千円
営業利益 712,509千円 1,212,388千円 816,839千円
親会社の所有者に帰属する当期(中間)利益 302,521千円 687,258千円 461,126千円
親会社の所有者に帰属する持分 3,705,380千円 5,510,322千円 5,971,448千円
総資産 12,488,372千円 12,577,136千円 12,766,739千円
親会社所有者帰属持分比率 29.7% 43.8% ―
営業活動によるキャッシュ・フロー 1,137,855千円 1,237,587千円 601,337千円
監査等 監査済み 監査済み 期中レビュー
連結業績の推移(IFRS)売上収益(百万円)営業利益(百万円)03,5007,00010,50014,00003507001,0501,40011,57612,5087,0217121,212816第5期第5期第6期第6期第7期中間第7期中間第5期=2025年2月期、第6期=2026年2月期(監査済み)、第7期中間=2026年3〜8月(期中レビュー)

図6 IFRSによる連結の売上収益と営業利益(百万円未満切捨て)。淡色の第7期中間は6か月分で、期中レビューを受けた数値です。

第6期の増益の内訳をセグメント利益で見ると、地盤ソリューション事業は468,264千円(前期比22.6%減)、地盤工事事業は587,922千円(同40.9%増)、建物ソリューション事業は156,201千円(前期は309,906千円のセグメント損失)でした。地盤工事事業については、収益構造改善のため不採算工事の受注に一定の制限をかけた結果、売上高は微増にとどまる一方で売上原価率が改善したと説明されています。建物ソリューション事業は、建物検査件数52,045件(前年42,500件)、建物サポートシステムの売上棟数4,522棟と記載されています。

営業利益の増減要因(第5期→第6期、百万円)第5期712地盤ソリューション-137地盤工事+171建物ソリューション+466第6期1,212

図7 セグメント利益の前期差を積み上げた図です(第5期712、第6期1,212。各差額は千円単位の差を百万円に丸めて表示)。建物ソリューション事業は前期のセグメント損失309百万円から利益156百万円に転じています。

一方、提出会社単体の経営指標は日本基準で6期分が開示されています。単体では第1期から第5期まで当期純損失、第6期に当期純利益192,382千円を計上しています。第1期から第4期は会社計算規則に基づく数値で金融商品取引法に基づく監査証明を受けておらず、第5期と第6期がEY新日本有限責任監査法人の監査を受けた数値です。

単体(日本基準) 経常利益 当期純利益 純資産額 自己資本比率
第1期(2021年3月期) △293,110千円 △293,513千円 5,706,486千円 40.1%
第2期(2022年3月期) △366,426千円 △367,636千円 5,278,065千円 38.1%
第3期(2023年2月期・11か月) △42,909千円 △250,853千円 5,180,953千円 36.9%
第4期(2024年2月期) △367,624千円 △385,026千円 4,795,902千円 38.8%
第5期(2025年2月期) 2,657千円 △228,200千円 4,567,702千円 39.0%
第6期(2026年2月期) 451,453千円 192,382千円 5,889,335千円 50.8%

IFRSと日本基準の差を読むうえで手がかりになるのが、のれんの会計処理です。日本基準の単体財務諸表では、のれんを17年で償却しており、第6期ののれん償却額は462,507千円です。単体の税効果会計の注記では、法定実効税率34.6%に対して税効果会計適用後の負担率が60.5%で、差異要因の一つとして「のれん償却費32.9%」が記載されています。IFRS初度適用の調整表では、第5期の連結当期純利益は日本基準で△137,116千円、IFRSで316,115千円と示され、のれんを償却しないことによる「販売費及び一般管理費」の減少などが調整項目として説明されています。

上場準備会社にとってのポイントは、LBOで生じたのれんの扱いが、単体の利益水準や税負担率、連結の見え方に大きく影響することです。IPO審査の「企業の継続性及び収益性」では、利益計画の合理性とともに損益の構造そのものが説明の対象になるため、会計基準による差を数値で説明できるように準備しておく必要があります。

資本政策と株主構成:ファンド、事業会社、業績条件付SO

発行済株式は普通株式6,995,000株のみで、種類株式は発行されていません。2026年9月30日現在の株主数は3名(その他の法人2名、個人その他1名)で、自己株式はありません。2026年6月30日の臨時株主総会で単元株式数を100株とし、同日の取締役会決議に基づき2026年7月16日付で1株を10株に分割しています。

資本金については、2022年3月1日に2,900,000千円を減少(96.7%減少)し、2026年2月28日にも第三者割当で増加した564,625千円を減少(85.0%減少)して、いずれも資本準備金に振り替えています。Ⅰの部では、会社法第447条第1項の規定に基づき「今後の資本政策の柔軟性及び機動性を確保する目的」と説明されています。なお、資本金を減少して資本準備金に振り替えるだけでは、資本準備金は分配可能額に含まれないため、それ自体で分配可能額が増えるわけではありません。

資本政策と財務の主な出来事(時系列)2020年11月CI04株式会社を設立MCP5投資事業有限責任組合が出資2021年3月旧JHSの株式を100%取得LBOローンで資金調達2021年11月第1回新株予約権を決議有償・業績条件付2022年3月資本金を100,000千円へ減少資本準備金へ振替(会社法447条1項)2025年3月東京カンテイへ第三者割当分割後100,000株・1株1,000円2026年1月テノックスへ第三者割当895,000株MCP5から1,203,500株を譲受(各1,150円)2026年2月資本金を100,000千円へ減少資本準備金へ振替(会社法447条1項)2026年4月LBOローンを借換無担保のコーポレートローンへ2026年7月1株→10株の株式分割発行済株式6,995,000株2026年10月上場承認(10月26日)11月30日にスタンダード市場へ上場予定

図8 株式数・価格は2026年7月16日の株式分割後の数値です(第三者割当・株式移動は第四部の記載)。2022年3月の減資は第2期、2026年2月の減資は第6期に行われています。

第三者割当と株式移動の価格はどう決めたか

上場前の2年間に、2回の第三者割当と1回の特別利害関係者等の株式移動が行われています。第四部「株式公開情報」の記載を整理すると次のとおりです(株式数・単価は株式分割後)。

区分 日付 相手先 株式数 単価 価格算定の基礎(Ⅰの部の記載)
第三者割当① 2025年3月10日 株式会社東京カンテイ 100,000株 1,000円 EV/EBITDAマルチプル法及び簿価純資産法を基礎とした方法
第三者割当② 2026年1月30日 株式会社テノックス 895,000株 1,150円 DCF法及び類似会社比較法、修正簿価純資産法を基礎とした方法
株式移動 2026年1月30日 MCP5投資事業有限責任組合→株式会社テノックス 1,203,500株 1,150円 同上(譲渡人と譲受人が協議のうえ決定)

※第四部の発行年月日は2026年1月30日です。「発行済株式総数、資本金等の推移」では、資本金の増加日(払込日)は2026年2月6日と記載されています。

第三者割当の目的は、いずれも「安定株主及び取引先との関係強化」と記載されています。テノックスとは2025年12月23日に業務提携契約を締結しており、新たな地盤補強工法の開発・普及、地盤補強工事に関するデータを活用した新たなビジネスモデルの検討、共同営業、海外市場への展開の検討が契約内容として開示されています。契約終了事由には「テノックスの当社に対する議決権比率が10%未満となった場合」が含まれています。

テノックスによる株式取得(2026年1月30日)MCP5投資事業有限責任組合(既存株主)ジャパンホームシールド(提出会社)株式会社テノックス取得後 2,098,500株議決権比率 30.0%1,203,500株 + 895,000株 = 2,098,500株移動理由:当社の資本政策に基づく株式移動/割当目的:安定株主及び取引先との関係強化譲渡 1,203,500株第三者割当 895,000株

図9 譲渡と第三者割当はいずれも1株1,150円(株式分割後)。価格はDCF法、類似会社比較法、修正簿価純資産法を基礎とした方法で算出した価格を踏まえて協議のうえ決定したと記載されています。

この2つの取引は、同じ日付・同じ単価で行われ、テノックスは新株の引受けと既存株主からの譲受けを組み合わせて合計2,098,500株(議決権比率30.0%)を取得しています。ファンドが一部を事業会社へ譲渡しつつ、会社にも資金が入る形です。上場前の株価は、取引の目的や時点によって算定方法が変わり得ますが、同時期に複数の価格が存在する場合や、算定方法が回ごとに異なる場合は、その合理性を説明できるようにしておくことが求められます。株価算定の考え方は未上場株式の株価算定はどの方法を使うかで解説しています。

2回の第三者割当は、いずれも基準事業年度(2026年2月期)の末日の1年前より後に行われているため、有価証券上場規程施行規則第268条に基づき、割当先との間で継続所有の確約(原則として割当日から上場日以後6か月間を経過する日まで所有する等)が行われています。募集株式の第三者割当等については、この期間内に割当てを行った場合に継続所有の確約が必要になります(新株予約権の割当てやストック・オプションの付与にも同様の規定があります)。また、主幹事証券との間で合意するロックアップは、これとは別の制度です。特別利害関係者等の株式移動については、施行規則第266条に基づき、基準事業年度の末日から起算して2年前の日(2024年3月1日)から上場日の前日までの移動がⅠの部に記載されます。詳しくは上場前に株式を動かすとどうなるか(継続所有の確約)をご覧ください。

申請時点の株主構成と上場時の見え方

第四部「株主の状況」では、潜在株式を含む総数7,149,000株に対して、MCP5投資事業有限責任組合が4,796,500株(67.09%)、テノックスが2,098,500株(29.35%)、東京カンテイが100,000株(1.40%)を保有し、役職員の保有は新株予約権による潜在株式のみ(合計154,000株、2.15%)です。代表取締役社長の勅使河原隆巳氏も、所有株式は新株予約権による70,000株のみと記載されています。

株主構成(Ⅰの部 第四部「株主の状況」)MCP5投資事業有限責任組合67.09%株式会社テノックス29.35%株式会社東京カンテイ1.40%新株予約権(潜在株式)2.15%申請時点の議決権比率:MCP5 68.6%/テノックス 30.0%(株主数3名)

図10 所有株式数の割合は、新株予約権による潜在株式を含む総数7,149,000株に対する比率です。上場申請時点の状況であり、公募・売出し後の上場時の比率とは異なります。

これらはあくまで上場申請時点(Ⅰの部記載時点)の比率であり、上場時の比率は公募・売出しの内容によって変わります。事業等のリスクでは、MCP5投資事業有限責任組合が上場時に所有株式の一部を売却する予定であり、上場後も株式を保有する可能性があること、将来の売却時期や方法は未定であるものの市場価格への影響を極力抑えた形で売却していく旨を聴取していることが記載されています。

一般論として、流通株式からは、上場株式数の10%以上を所有する者や役員等が所有する株式、自己株式のほか、国内の普通銀行・保険会社・事業法人等が所有する株式(純投資目的が確認できるもの等を除く)などが除かれます。申請時点のような持株構成の会社では、上場時の公募・売出しの規模によって流通株式比率がどう変わるかを、資本政策の段階から試算しておく必要があります。計算方法は流通株式比率の計算式と調べ方で解説しています。

有償・業績条件付のストック・オプション

新株予約権は、2021年11月26日に決議された第1回の1回だけです。2026年9月30日現在の新株予約権は15,400個(目的株式154,000株)で、本書提出日現在の付与対象者は当社取締役4名、子会社取締役3名、当社従業員10名です。行使価額は1,000円(分割調整後)、1個あたりの発行価額は20円の有償新株予約権で、行使期間は2024年4月1日から2027年3月31日までです。事業等のリスクでは、潜在株式比率は発行済株式総数6,995,000株に対して2.2%と記載されています。

第1回新株予約権(有償ストック・オプション)の行使条件行使価額1,000円・目的株式154,000株(2026年9月30日現在)・行使期間2024年4月1日〜2027年3月31日2024年2月期〜2026年2月期のいずれかの事業年度の連結EBITDA(日本基準)で行使可能割合が決まる14億円超〜15億円以下行使可能 50%15億円超〜16億円以下行使可能 75%16億円超行使可能 100%あわせて次の条件を満たすことが必要在籍条件行使時に役職員であること前提株価条件1,000円未満の発行・取引等で不可上場条件株式の上場まで行使できない

図11 1個あたり発行価額20円の有償新株予約権です。IFRSの注記では付与時の公正価値は20円(分割後2円)とされ、株式報酬費用は「―」と記載されています。

行使条件の中心は業績条件で、2024年2月期から2026年2月期までのいずれかの事業年度において、日本基準の連結損益計算書の営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加算したEBITDAが14億円を超えた場合に段階的に行使可能となる設計です。あわせて、権利行使時の在籍、前提株価(1,000円)を下回る価格での株式発行や取引が行われた場合に行使できなくなる条件、上場までは行使できない条件が付されています。

会計処理については、IFRSの株式報酬の注記で、モンテカルロ・シミュレーションによる付与時の公正価値が20円(分割後2円)、株式報酬費用は前期・当期とも「―」と記載されています。日本基準では、有償ストック・オプション(権利確定条件付き有償新株予約権)は実務対応報告第36号によりストック・オプションに準じて会計処理され、払込金額と公正価値の関係などによっては費用計上が生じ得ます。「有償だから費用が出ない」と決めつけず、評価と会計処理を監査法人と確認しておくことが大切です。開示例はストック・オプションの注記の記載例も参考になります。

配当については、上場までは成長投資の継続と財務基盤の構築を優先して剰余金の配当を実施しない方針とし、上場後は連結配当性向30%以上を目安とする方針が示されています。剰余金の配当等を取締役会決議で定めることができる旨の定款規定も置かれています。

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コーポレート・ガバナンス:独立社外取締役2名と大株主出身の社外取締役

同社は監査役会設置会社です。本書提出日現在、取締役は8名(うち社外取締役3名)、監査役は3名(うち社外監査役2名)で、役員11名のうち女性は3名(27.3%)です。取締役会は代表取締役社長を議長として原則毎月1回開催し、最近事業年度(第6期)は19回開催されています。このほか、経営会議(原則月1回)、リスク・コンプライアンス管理委員会(原則四半期に1回)、取締役会の任意の諮問機関である指名・報酬委員会が置かれています。

機関設計:監査役会設置会社+任意の指名・報酬委員会株主総会取締役会(8名)うち社外取締役3名(独立2名)監査役会(3名)常勤監査役1名・社外監査役2名指名・報酬委員会取締役会の任意の諮問機関代表取締役社長会計監査人EY新日本有限責任監査法人経営会議原則月1回リスク・コンプライアンス管理委員会(四半期1回)内部監査室(2名)社長直轄の独立部門選任選任監査諮問/答申選定・監督連携・評価

図12 本書提出日現在の体制です。社外取締役3名のうち、独立役員として選任されているのは2名と記載されています。

役職 氏名 主な経歴(Ⅰの部の記載から要約) 独立役員
代表取締役社長 勅使河原 隆巳 KDDI(KDDI America副社長兼CFO等)、すかいらーく、ビーシー・イングスCFOを経て2021年当社取締役CFO、2023年4月代表取締役 ―
取締役 山路 浩尉/北野 敦之/西川 健二/田生 裕典 経営管理本部長、営業本部長、業務品質本部長、事業開発本部長(いずれも社内出身) ―
社外取締役 金井 路子 株式会社グロースエンジン代表取締役、上場会社の社外取締役(2025年5月就任) 該当
社外取締役 友野 直子 弁護士、上場会社の社外取締役(2025年5月就任) 該当
社外取締役 又吉 直哉 株式会社テノックス取締役 執行役員開発担当(2026年6月就任) 該当しない
常勤監査役 平田 幸子 1991年入社、経理部長・管理部長等を経て2021年3月監査役 ―
社外監査役 増田 光利/髙 賢一 公認会計士(2025年5月就任)/弁護士(2025年9月就任) 独立社外監査役

Ⅰの部では、金井氏と友野氏を独立社外取締役として選任した理由と、当社との間に人的関係、資本的関係、取引関係その他の利害関係がないことが記載されています。一方、又吉氏は、業務提携先であり議決権30.0%を保有するその他の関係会社テノックスの取締役で、建設・地盤分野の知識と経験に基づく助言・監督を期待して社外取締役に選任したものの、独立役員には該当しないと明記されています。テノックスとの業務提携契約の開示では、2026年6月30日付でテノックスから取締役1名が派遣されたと記載されています。

スタンダード市場の上場会社には、コーポレートガバナンス・コードの全原則が適用されます。2026年7月21日の改訂後のコードでは、独立社外取締役の数に関する原則は原則4-10で、プライム市場以外の上場会社には少なくとも2名以上の選任が求められています(コンプライ・オア・エクスプレイン)。同社の独立社外取締役は2名です。ただし、原則4-10は、支配株主を有する上場会社に対しては、支配株主からの独立性を有する独立社外取締役を少なくとも3分の1以上(プライム市場上場会社は過半数)選任することも求めています(解釈指針では、これに代えて、支配株主からの独立性を有する者で構成された特別委員会を設置することも考えられるとされています)。MCP5投資事業有限責任組合が東証の規則上の「支配株主」に当たるかはⅠの部には記載されていませんが、一般論として、ファンドが上場後も議決権の過半数を保有する場合は、この水準への対応も検討が必要です。また、独立社外取締役の役割・責務は原則4-8、指名委員会・報酬委員会は原則4-7に整理されています。

独立役員の要件にも注意が必要です。東証は2026年7月の上場規則改正(7月10日施行)で独立性基準を見直し、上場会社の主要株主(議決権10%以上)やその業務執行者(最近において該当していた者を含む)等は、2026年12月1日以後に終了する事業年度に係る定時株主総会の日の翌日から、独立役員の要件を満たさないこととされました(あわせて、政策保有株式の保有関係にある会社の業務執行者(過去10年以内)なども対象に加えられています)。出資比率の高い事業会社やファンドの出身者を社外役員に迎える場合は、独立役員にカウントできるかを、選任時点と将来の株主構成の両方で確認しておく必要があります。社外取締役の人数の考え方は社外取締役は何人必要かで解説しています。

社外役員の就任時期もⅠの部から読み取れます。最近事業年度の取締役会の出席状況には、社外取締役として小島亘氏と西澤領太氏(各19回中19回出席)が記載されている一方、本書提出日現在の役員一覧には両氏の名前はありません。現任の社外役員は、2025年5月に金井氏・友野氏・増田氏、2025年9月に髙氏、2026年6月に又吉氏が就任しています。上場準備では、社外役員の就任時期が取締役会・監査役会の出席状況や運用実績の期間に影響するため、選任のスケジュールを早めに組んでおくことが実務上のポイントです。

指名・報酬委員会と役員報酬の決め方

指名・報酬委員会は2025年12月開催の取締役会で設置されました。取締役会の決議により選定された委員3名以上で構成され、その過半数を独立社外取締役とし、委員長は委員の互選により独立社外取締役から選定するとされています。構成員は勅使河原氏、金井氏、友野氏(委員長)です。取締役の選任・解任、代表取締役の選定・解職、役員報酬方針、後継者計画などを審議して取締役会に答申します。最近事業年度の開催実績はなく、2026年4月に2回開催されたと記載されています。

取締役報酬の決定プロセス株主総会報酬限度額を決議取締役会報酬方針を決定指名・報酬委員会審議・答申取締役会個人別報酬を決定取締役:固定報酬+業績連動報酬(社外取締役は固定報酬のみ)業績連動の主な指標:連結営業利益(予算の目標値に対する達成率)限度額:取締役 年額1億2千万円以内(2026年5月28日)/監査役 年額20百万円以内(2025年5月29日)第6期:取締役(社外除く)49,499千円・6名/監査役(社外除く)10,320千円・1名/社外役員7,200千円・5名

図13 Ⅰの部「役員の報酬等」の記載をもとに作成。指名・報酬委員会は最近事業年度末後の2026年4月に2回開催し、報酬方針と個人別の報酬額を審議して答申したと記載されています。

取締役の報酬は固定報酬と業績連動報酬で構成され、社外取締役は固定報酬のみです。業績連動報酬は、各事業年度の開始前に策定した予算における連結営業利益の目標値に対する実績値の達成率を基礎とし、当期利益等の利益水準や各取締役の役位・職責等を総合的に勘案して算定するとされています。個人別の報酬額は、指名・報酬委員会の審議・答申を経て取締役会が決定します。報酬の決定方針や決定手続の開示は、有価証券報告書の記載事項(開示府令)に基づくもので、上場後の有価証券報告書でも継続して求められます。

関連当事者との取引:ファンドとの関係をどう開示しているか

IFRSの関連当事者注記では、親会社としてMCP5投資事業有限責任組合とMCPキャピタル株式会社、最終的な支配当事者としてMCPパートナーズ株式会社が記載されています。取引としては、①MCP5投資事業有限責任組合が保有する当社株式を、当社の銀行借入(2021年3月4日付金銭消費貸借契約に基づくシンジケートローン)の担保として金融機関に差し入れていること(取引金額として対応債務の期末残高2,876,950千円を記載、保証料等の支払いなし)、②MCPキャピタル株式会社からの役員の派遣と経営指導料12,000千円(第6期)が開示されています。担保は2026年4月30日のリファイナンスにともない全て解除されています。

関連当事者との取引(第6期)MCP5投資事業有限責任組合IFRS上の親会社金融機関LBOローン(シンジケート)MCPキャピタル株式会社役員の派遣ジャパンホームシールド(提出会社)担保は2026年4月30日のリファイナンスで全て解除当社株式を担保に差入れ借入残高 2,876,950千円経営指導料 12,000千円

図14 Ⅰの部の関連当事者注記の記載です。担保提供に対する保証料等の支払いはなく、担保は2026年4月30日のリファイナンスにともない全て解除されています。

ファンド傘下の会社では、株式担保の差入れや経営指導料、役員派遣などが関連当事者取引として表れやすくなります。取締役会の主な検討内容に「関連当事者取引に関する事項」が含まれ、監査役会でも上場準備に関連して「関連当事者取引の妥当性」を重点的に審議・検証したと記載されている点は、取引の必要性と条件の妥当性を機関決定の記録として残しておくことの重要性を示しています。審査での見られ方はIPO審査の「企業経営の健全性」(関連当事者取引)、開示の範囲は関連当事者との取引はどこまで開示するかで解説しています。

内部監査・内部統制:2名の内部監査室と三様監査

内部監査は、代表取締役社長直轄の独立した部門である内部監査室(提出日現在2名)が、内部監査基本計画書に基づいて実施しています。各部門のコンプライアンス及びリスク管理の状況について、法令、定款及び社内規程等との整合性と運用の有効性を検証し、その結果を代表取締役社長及び常勤監査役へ報告しています。被監査部門に対しては改善事項の是正状況を確認するフォローアップ監査を行い、子会社も内部監査の対象としています。

内部監査の報告ラインと三様監査代表取締役社長監査役会(常勤監査役)内部監査室(2名)内部監査基本計画書に基づき実施各部門・子会社フォローアップ監査会計監査人EY新日本三様監査(年4回)報告報告内部監査

図15 内部監査室(提出日現在2名)は監査結果を代表取締役社長及び常勤監査役へ報告し、監査役・会計監査人と定期的に情報交換を行っています。三様監査は年4回開催と記載されています。

内部監査の結果は常勤監査役が監査役会で共有し、内部監査室は監査役及び会計監査人と定期的に情報交換・意見交換を行っています。社外役員の状況の項目では、年4回開催する三様監査を通じて、監査法人から監査手続の概要や監査結果等について報告・説明を受けていると記載されています。

一般に、内部監査の結果を社長に加えて常勤監査役にも報告する体制は、内部監査の独立性や監査役監査との連携を説明する際の要素になります。また、内部監査部門を少人数で運営する場合は、内部監査室自身の業務をだれが監査するか(自己監査の回避)を規程と運用で手当てしておく必要があります。一般論としては、他部門の担当者による相互監査や外部専門家の活用などの方法が用いられます。詳しくは内部監査の担当者と兼務(自己監査の回避)と監査役監査・内部監査・会計監査(三様監査)で解説しています。

リスク管理とコンプライアンスは、「リスク管理規程」「コンプライアンス規程」に基づき、経営管理本部長を委員長とするリスク・コンプライアンス管理委員会が担っています。同委員会は、リスク・コンプライアンス体制の協議・決定、コンプライアンス教育の計画・実施、内部通報制度の利用状況や判明した事態の処理方法などを協議・決定します。内部通報制度の窓口は、経営管理本部、常勤監査役、第三者機関とされています。

子会社管理については、「関係会社管理規程」に定める協議承認事項・報告事項を子会社が当社へ報告し承認を求めること、子会社に取締役・監査役を派遣すること、子会社を内部監査の対象とすることが記載されています。常勤監査役の平田幸子氏は、連結子会社の監査役も兼任しています。財務報告に係る内部統制については、金融商品取引法その他の法令に基づき評価・維持・改善を行う方針が示されています。

会計・開示の論点:IFRS任意適用、のれん、財務制限条項

IFRSの初度適用と収益認識

同社は、連結財務諸表規則第1条の2の「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすとして、IFRSで連結財務諸表を作成しています。IFRSを初めて適用したのは2026年2月期で、IFRSへの移行日は2024年3月1日です。IFRS第1号の免除規定として、移行日前の企業結合にIFRS第3号を遡及適用しないこと(のれんは日本基準の帳簿価額で引き継ぐ)、リースや金融商品の当初認識に関する免除規定を選択したことが記載されています。Ⅰの部では、IFRSに基づく連結財務諸表を適正に作成できる体制として、十分な知識を有した従業員の配置、外部専門家の助言、グループ会計方針の整備などが説明されています。

収益認識はIFRS第15号に基づいており、主要なサービスはいずれも一時点で収益を認識します。地盤調査業務は地盤の解析を完了し顧客に報告した時点、地盤補強工事業務は工事を完了し工事完了報告を行った時点、建物検査業務は検査を完了し報告を行った時点です。これに対し、住宅設備の修理・メンテナンス等のサービスを付帯する設備保証業務は、契約期間にわたり一定期間で収益を認識します。

収益認識の時点(連結・IFRS)サービス履行義務収益を認識する時点(IFRS第15号)地盤調査業務地盤を調査解析し報告する解析完了・顧客への報告時点(一時点)地盤補強工事業務地盤補強工事を提供する工事完了・工事完了報告時点(一時点)建物検査業務建物検査・各種アフターサービス検査完了・報告時点/サービス完了時点設備保証業務不具合時に修理等を提供する契約期間にわたり認識(一定期間)

図16 複数のサービスを組み合わせる場合は、関連する契約を結合し、取引価格を独立販売価格の比率で各履行義務に配分すると記載されています。対価は履行義務の充足後おおむね1年以内に受領し(地盤調査・建物検査等は主として1〜3か月)、重大な金融要素はないと記載されています。

契約負債は、移行日51,237千円、第5期末199,588千円、第6期末475,143千円と増加しており、契約負債は主に顧客からの前受金に関連するものと説明されています。設備保証業務の残存履行義務に配分した取引価格は、第6期末で1年内52,666千円、1年超418,132千円です。複数のサービスを組み合わせて提供する場合には、関連する契約を結合し、独立販売価格の比率で取引価格を配分すると記載されています。

地盤調査業務の契約には、地盤調査が合意された仕様に従っていることを保証する条項が含まれており、同社はこれに関連する費用について品質保証引当金を認識しています(第6期末750,041千円)。支出の時期は契約後10年間若しくは20年間と見込まれています。保証やアフターサービスを伴う役務提供では、履行義務の識別、認識時点、保証の会計処理を一体で整理することが重要です。上場審査で問われる収益認識もあわせてご覧ください。

のれんと減損テスト:のれん・顧客関連資産・技術関連資産で総資産の51.3%

事業等のリスクでは、第6期末ののれん4,899,090千円、顧客関連資産1,286,527千円、技術関連資産268,100千円の合計が連結総資産の51.3%を占めると記載されています。のれんと顧客関連資産・技術関連資産は、いずれも2021年3月の企業結合(旧ジャパンホームシールドの買収)により計上されたものです。重要性がある会計上の見積りとしては「のれんを含む非金融資産の減損」が挙げられています。

のれんは3つの資金生成単位に配分されており、回収可能価額は使用価値で算定しています。経営者が承認した事業計画(原則5年を限度)を基礎とし、それを超える期間の成長率は0%、税引前割引率は加重平均資本コストを基礎としています。移行日には、建築資材価格の上昇による新規住宅着工の減少と受注の減少を理由に、地盤ソリューション事業ののれんについて1,616,000千円の減損損失を認識しています。第5期と第6期にのれんの減損損失は認識していません。

資金生成単位ごとののれんと減損テストの余裕(百万円)のれんの帳簿価額回収可能価額が帳簿価額を上回る額02,5005,0007,50010,000地盤ソリューション地盤工事建物ソリューション5831,3023,0122,6311,4688,779第6期末(2026年2月28日)。税引前割引率は11.8%/12.0%/11.6%、成長率0%

図17 のれんは百万円未満切捨て(合計4,899,090千円)。超過額はⅠの部注記の千円表示(2,631,000千円等)を百万円に換算しています。移行日には地盤ソリューション事業ののれんを1,616,000千円減損しています。

Ⅰの部では、回収可能価額が帳簿価額を上回る額(第6期末:地盤ソリューション事業2,631,000千円、地盤工事事業1,468,000千円、建物ソリューション事業8,779,000千円)と、減損が生じ得る割引率の変動幅(地盤工事事業は第6期末で7.2%の変動など)が開示されています。LBO後の上場では、のれんの減損テストの前提となる事業計画と、上場申請時の利益計画との整合性が問われやすくなります。審査での見られ方はIPO審査でのれんの減損リスクはどう見られるかで解説しています。

財務制限条項への抵触と上場前のリファイナンス

LBOにともなう借入金については、移行日(2024年3月1日)と第5期末に財務制限条項に抵触していたため、IAS第1号第74項に基づき借入金を全額流動負債に分類していたことが記載されています。第6期末は抵触しておらず、1年内返済予定額を除き非流動負債に分類しています。第6期末の流動負債は前期末に比べ4,060,979千円減少しており、主な要因はこの区分変更による借入金(流動)の減少4,139,279千円と説明されています。第6期末の借入金残高は2,876,950千円(シニアローンA・B、メザニンローン)で、IFRSの資本合計に占める割合は51.4%です。

2026年4月27日には三井住友銀行と金銭消費貸借契約を締結し、同月30日に2,900,000千円を借り入れて、みずほ銀行を主幹事とするシンジケートローン(LBOローン)を全額繰上げ返済しました。担保付かつ各種制限条項を伴うLBOローンから、無担保のコーポレートローンへの借換えです。

LBOローンから無担保コーポレートローンへの借換借換前:LBOローン(〜2026年4月)借換後:2026年4月30日〜みずほ銀行主幹事のシンジケートローン担保付・各種制限条項あり移行日・第5期末は財務制限条項に抵触し借入金を全額流動負債に分類三井住友銀行 2,900,000千円・期間5年変動金利(基準金利+0.70%)元金均等返済無担保(条件未充足時は売上債権の担保提供義務)新たな借入契約の主な条項上場申請及び上場承認又は上場承認のみで消滅グロス・レバレッジ・レシオ、DSCR、のれん純資産倍率配当・自己株式取得、投融資・M&A、設備投資等の制限上場後も残存営業利益0円以上・資本合計3,838百万円以上を維持担保提供の制限・三井住友銀行口座への資金集中借換

図18 Ⅰの部「重要な契約等」と借入金注記をもとに作成。所定の財務制限条項を2事業年度連続で充足できず、是正されない場合には期限の利益を喪失する可能性があると記載されています。

新たな借入では、グロス・レバレッジ・レシオ、DSCR、のれん純資産倍率に関する財務制限条項や、特定株主の議決権割合維持義務、配当及び自己株式取得の制限、投融資・M&A等の制限などが、上場申請及び上場承認又は上場承認のみにより消滅する内容とされています。一方、連結営業利益0円以上、連結資本合計3,838百万円以上の維持、担保提供の制限、三井住友銀行以外の口座の預金が200百万円以上となった場合の資金集中義務は、上場後も残存します。

借入契約の制限条項は、配当方針、資本政策、M&A、さらには支配株主の異動にも影響します。上場前に条項の内容と上場後に残る条項を整理し、事業等のリスクや「重要な契約等」で具体的に開示している点は、同様の資金調達を行っている会社の参考になります。

会計監査人と監査報酬

項目 内容(Ⅰの部の記載)
監査法人 EY新日本有限責任監査法人
継続監査期間 2年間
業務を執行した公認会計士 新居 幹也、西口 昌宏
補助者の構成 公認会計士4名、その他9名
監査報酬(提出会社) 前連結会計年度52,500千円、当連結会計年度52,000千円(非監査業務なし)
監査報酬の決定方針 会社規模や監査日数等を勘案し、監査役会の同意を得て取締役会で決定
監査報告書・期中レビュー報告書の日付 2026年10月15日

Ⅰの部の監査証明は、有価証券上場規程第204条第6項に基づき、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に準じて行われています。連結財務諸表(IFRS)は2期分と移行日の財政状態計算書、単体財務諸表は第5期・第6期が監査の対象で、第7期の要約中間連結財務諸表は期中レビューの対象です。同社のように移行日の連結財政状態計算書も監査の対象に含まれるため、IFRSを任意適用して上場する場合は、監査法人はいつまでに決めるかの検討とあわせて、適用開始時期を逆算しておくことが欠かせません。

事業等のリスクと審査で問われやすい点

事業等のリスクは20項目で、各項目に影響度、発生可能性、発生時期が付されています。主なものを整理すると次のとおりです。

リスク項目 影響度/発生可能性 Ⅰの部の記載の要点
事業環境 大/中 新設住宅着工戸数や既存住宅の流通件数の減少
許認可事業 大/小 一級建築士事務所登録、測量業者登録、特定建設業許可(とび・土工工事業)の取消・失効
競合 中/大 同業他社に加え他業種からの新規参入による競争激化
業務の外部委託 中/中 委託先の確保、外注費の高騰、現場の安全衛生・施工不備
提供するサービスの瑕疵 中/小 地盤解析の判断過誤や建物検査の見落としによる不同沈下・不具合
減損 中/小 のれん・顧客関連資産・技術関連資産が連結総資産の51.3%
財務資本 中/小 LBO借入金2,876,950千円、上場後も残る財務制限条項・行為制限条項
大株主 小/不明 MCP5投資事業有限責任組合の上場時の一部売却と上場後の保有・処分方針
訴訟等 不明/不明 提起されている訴訟があり、必要に応じ引当金を計上

審査の観点では、許認可の一覧に有効期限と主な取消事由まで記載している点が参考になります(IPOで許認可はどこまで見られるか)。また、外部委託先に現場業務の大半を委ねるビジネスモデルでは、委託先の選定・管理・品質確保の仕組みが、内部管理体制の有効性として確認されやすくなります。保証サービスについては、損害保険会社との地盤保険契約によって財務的影響の低減を図っていることも記載されています。

上場準備会社がこのケースから学べること

スタンダード市場の実質審査基準は、「企業の継続性及び収益性」「企業経営の健全性」「企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性」「企業内容等の開示の適正性」「その他公益又は投資者保護の観点から当取引所が必要と認める事項」です(IPOの実質審査基準とは)。ジャパンホームシールドのⅠの部からは、これらの観点に沿って、次のような実務上の示唆を引き出せます。

論点 Ⅰの部で確認できる事実 上場準備会社への示唆
親会社の判定 過半数を持つ投資事業有限責任組合がIFRSでは親会社、連結財務諸表規則上は親会社に該当しない 会計基準・開示制度ごとに判定根拠を整理し、注記と本文の説明をそろえる
事業会社の資本参加 テノックスが割当と譲受で議決権30.0%を取得、業務提携、取締役1名派遣 取引条件の合理性、提携の実態、独立役員の数え方を事前に確認する
株価の説明 同時期の割当と譲渡を同単価で実施、算定方法を回ごとに記載 複数の価格が並ぶ場合の算定方法と根拠資料を保存する
財務制限条項 抵触による借入金の流動分類、上場前のリファイナンス、上場後に残る条項の開示 借入契約の条項を棚卸しし、配当・資本政策・M&Aへの影響を説明できるようにする
IFRS任意適用 移行日2024年3月1日、免除規定の選択、移行日に1,616,000千円ののれん減損 適用開始時期を監査期間から逆算し、移行日の判断を早めに固める
のれん・無形資産 総資産の51.3%、資金生成単位ごとの超過額と感応度を開示 減損テストの事業計画と上場時の利益計画の整合性を保つ
有償SO EBITDA条件・前提株価条件付、公正価値20円、株式報酬費用「―」 有償でも費用計上の有無を評価で確認し、条件の達成状況を管理する
ガバナンス 独立社外取締役2名、任意の指名・報酬委員会を2025年12月に設置 社外役員の就任時期と運用実績の期間を逆算して計画する
  • 過半数株主(ファンド等)が会計基準・開示制度ごとに「親会社」に当たるかを、根拠とともに整理したか
  • 上場前2年間の株式移動と、基準事業年度末日の1年前より後の第三者割当(継続所有の確約の対象)を一覧にしたか
  • 同時期に行った割当・譲渡の価格と算定方法の根拠資料を保存しているか
  • 借入契約の財務制限条項・行為制限条項のうち、上場で消滅するもの・残るものを把握しているか
  • のれん・無形資産の減損テストの前提(事業計画、割引率、成長率)と利益計画が整合しているか
  • 独立社外取締役の人数と独立性(主要株主の業務執行者等に当たらないか)を、選任時点と上場後の株主構成で確認したか

よくある質問

Q1. ファンドが過半数を持っていても「親会社なし」として上場できるのですか?

ジャパンホームシールドのⅠの部では、MCP5投資事業有限責任組合は連結財務諸表規則に基づく親会社には該当しない一方、IFRS上の親会社であると記載され、金融商品取引法上の親会社等はないとされています。判定は会計基準や制度ごとに行われるため、自社の状況に即して監査法人・主幹事証券と根拠を確認する必要があります。

Q2. 大株主の役員を社外取締役にすると、独立社外取締役の人数に数えられますか?

同社では、議決権30.0%を持つテノックスの取締役である又吉氏を社外取締役に選任していますが、独立役員には該当しないと記載されています。東証の2026年7月の上場規則改正により、主要株主(議決権10%以上)やその業務執行者等は、2026年12月1日以後に終了する事業年度に係る定時株主総会の日の翌日から、独立役員の要件を満たさなくなります。

Q3. 財務制限条項に抵触している期があると上場できないのですか?

Ⅰの部には、移行日と第5期末に財務制限条項に抵触し、借入金を全額流動負債に分類していたことが開示されたうえで、第6期末に抵触が解消し、2026年4月に借換えを行ったことが記載されています。抵触の事実と会計上の分類、その後の対応を正確に開示し、資金繰りや事業継続への影響を説明できるようにしておくことが重要です。

Q4. 有償ストック・オプションなら株式報酬費用は計上されないのですか?

一律にはいえません。日本基準では実務対応報告第36号によりストック・オプションに準じて会計処理され、費用計上が生じ得ます。同社のIFRS注記では、付与時の公正価値は20円と算定され、株式報酬費用は「―」と記載されています。発行時の評価と会計処理を監査法人と確認してください。

最初の一歩は「株主・借入・のれん」の3点を一枚にまとめること

ファンド傘下や事業会社の出資を受けた状態で上場を目指す場合、まずは①株主ごとの持株比率と、会計基準・制度上の位置付け(親会社、その他の関係会社、主要株主)、②借入契約の制限条項と上場による変化、③のれん・無形資産と減損テストの前提を、一枚の資料に整理することから始めるのがおすすめです。この3点は、資本政策、ガバナンス、会計・開示のどの論点にも波及するため、早い段階で全体像を共有しておくと、主幹事証券や監査法人との協議がスムーズになります。上場準備全体の流れはIPO準備 完全ガイドで確認できます。

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ジャパンホームシールドの機関設計・内部監査・会計・資本政策の25論点を、自社の状況と並べて点検できます。申請期の期末日を入れると上場までの逆算表も作れます。

まとめ

ジャパンホームシールドは、2026年10月26日に上場承認を受け、2026年11月30日に東証スタンダード市場へ上場する予定です。Ⅰの部からは、買収SPCが事業会社を吸収合併した経緯の書き分け、IFRS上の親会社と日本基準上の親会社の整理、議決権30.0%を持つ事業会社の資本参加と非独立の社外取締役、財務制限条項の抵触と上場前のリファイナンス、総資産の51.3%を占めるのれん・無形資産の減損テスト、有償・業績条件付のストック・オプションといった論点を具体的に読み取ることができます。

上場準備会社にとっては、株主構成、借入契約、のれんの3点が、資本政策・ガバナンス・会計の各論点を横断して影響することを確認できるケースです。自社の状況に置き換えて、どの論点がいつまでに整理されている必要があるかを逆算してみてください。

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公認会計士・税理士 鈴木佑也

この記事を書いた人鈴木 佑也(公認会計士・税理士)

公認会計士としての実務歴は13年以上、独立後は20社を超える支援に関与しています。労働者派遣事業と有料職業紹介事業の許可申請にかかる監査証明と合意された手続業務に対応しています。優成監査法人(現・太陽有限責任監査法人)で上場企業および上場準備企業の監査に従事し、太陽グラントソントン・アドバイザーズで財務デューデリジェンスと企業価値評価に携わりました。プロフィールを見る

本記事の根拠

免責:本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別案件に対する法務、会計、税務その他の専門的助言を構成するものではありません。実際の対応は、最新の法令・取引所規則・公表資料を確認し、必要に応じて専門家へご相談ください。

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