※本記事は2026年10月7日時点の公表資料に基づきます。
大阪市福島区に本店を置く不動産会社、株式会社H.K.Kインベストメント(H.K.K Investment Co., Ltd.)が、2026年10月2日に東京証券取引所から上場承認を受け、10月19日にTOKYO PRO Market(以下「TPM」)へ上場する予定です。上場に際して特定投資家向け取得勧誘・売付け勧誘等(一般市場の公募・売出しに当たる勧誘)は行わず、「発行者情報」を公表しての上場です。本記事では、JPXの新規上場会社情報に掲載された同社の発行者情報を読み、上場準備の実務で参考になる点を公認会計士の視点で整理します。
結論からいえば、H.K.Kインベストメントのケースは「売上高約14.8億円・従業員30名規模の不動産会社が、代表者1名が全株式を持つ株主構成のまま、直前1期の監査と担当J-Adviserの調査を経てTPMへ上場する例」です。上場前の1対100の株式分割と単元株制度の導入、代表者による借入保証の解除、代表者が全株式を持つ不動産仲介会社の吸収合併、取締役4名(社外1名)と監査役1名の機関設計、販売用不動産の評価と借入に支えられた資金構造など、オーナー企業がTPMを使うときに論点になりやすい項目が具体的に記載されています。
この記事の見出し
- H.K.Kインベストメントはどんな会社で、いつTPMに上場するのか
- なぜTOKYO PRO Marketを選んだのか
- TPMの上場の仕組みは一般市場とどう違うのか
- 事業内容と収益モデル:3つのブランドとワンストップサービス
- 沿革と上場までの道のり
- 業績はどう推移しているか
- 資本政策と株主構成:代表者1名が全株式を持つ上場
- コーポレート・ガバナンス:取締役4名と監査役1名の体制
- 内部監査と内部統制:小規模組織での牽制の仕組み
- 会計・開示の論点:収益認識と販売用不動産の評価
- 事業等のリスクとJ-Adviser契約
- 一般市場へのステップアップを考える会社への示唆
- 上場準備会社がH.K.Kインベストメントの事例から学べること
- よくある質問
- まとめ
- 本記事の根拠
H.K.Kインベストメントはどんな会社で、いつTPMに上場するのか
H.K.Kインベストメントは、代表取締役社長の工藤秀一氏が2006年6月に大阪市平野区で設立した不動産会社です。2007年に宅地建物取引業の免許を取得し、同年11月に本店を大阪市福島区へ移しました。現在は、不動産の取得・企画・開発・建築・再生・販売・賃貸・管理を「不動産関連事業」として営んでおり、セグメントは単一です。子会社・関連会社はなく、財務諸表は単体のみです。決算期は2月末で、上場時点の直前事業年度は第20期(2026年2月期)です。
上場の手続面では、2026年9月15日に新規上場の申請が受け付けられ(同日に発行者情報を公表)、10月2日に上場承認を受けました。上場予定日は10月19日、担当J-Adviserはフィリップ・キャピタル証券株式会社です。申請受付から上場承認までは、9月21日〜23日の祝休日を除いて数えると10営業日で、TPMで「原則として上場申請から10営業日後に上場を承認」とされている流れに沿った日程です。
図1 発行者情報の記載とJPXの新規上場会社情報(申請受付日・上場承認日・上場予定日)をもとに作成
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社H.K.Kインベストメント(H.K.K Investment Co., Ltd.)、証券コード649A |
| 市場 | 東京証券取引所 TOKYO PRO Market |
| 上場予定日 | 2026年10月19日 |
| 上場承認日 | 2026年10月2日 |
| 申請受付日 | 2026年9月15日(発行者情報の公表日) |
| 担当J-Adviser | フィリップ・キャピタル証券株式会社 |
| 本店 | 大阪市福島区 |
| 設立 | 2006年6月 |
| 決算期 | 2月末(直前事業年度は第20期:2025年3月1日〜2026年2月28日) |
| 事業 | 不動産関連事業(単一セグメント):ガレージオフィス、都市型三階建ビル、分譲 |
| 従業員数 | 32名(臨時1名)、2026年8月31日現在 |
| 上場時の勧誘 | 特定投資家向け取得勧誘・売付け勧誘等は実施しない |
| 監査 | 第20期のみ、あやめ監査法人(第18期・第19期は監査を受けていない) |
なぜTOKYO PRO Marketを選んだのか
H.K.Kインベストメントの発行者情報には、「上場目的」や「TPMを選んだ理由」を説明する項目・記載はありません。対処すべき課題として、財務基盤の強化と資金調達体制の構築、施工体制と品質管理、組織的経営体制と人材、多拠点化に伴うコンプライアンス・内部統制、仕入・在庫と収益性の管理、3ブランドの競争力強化の6項目が挙げられていますが、それらを上場と結びつけた説明はないため、本記事では同社がTPMを選んだ理由を推測することは控えます。
一般論として、TPMには一般市場と異なる特徴があります。株主数・流通株式・利益の額などの形式基準(数値基準)がなく、上場時に資金調達を行わない上場も可能です。東証は2026年4月から、新規上場時に「なぜTPMに上場するのか・どう活用するのか」という上場目的を検討・開示するよう要請しています。これは規程上の義務ではなく「お願い」という位置づけです。東証が公表した2026年6月15日時点の集計では、上場目的の上位は社内体制強化・営業力強化・採用力強化で、「増資」を挙げた会社は1割程度にとどまっています。
TPMの上場の仕組みは一般市場とどう違うのか
TPMは、2008年の金融商品取引法改正で導入された「プロ向け市場制度」に基づく市場で、法令上は「特定取引所金融商品市場」に当たります。取引所で株式を買い付けられるのは特定投資家(適格機関投資家など)や、一定の要件を満たして特定投資家に移行した個人等です。一般投資家は取引所での買付けができませんが、保有株式の売却は可能です。H.K.Kインベストメントの発行者情報の冒頭にも、TPMは特定投資家等を対象とした市場であり、上場会社は高い投資リスクを含んでいる場合がある、という注意事項が置かれています。
上場の可否を調べる中心になるのが担当J-Adviserです。TPMには数値の形式基準がない代わりに、担当J-Adviserが「企業としての相応性」「事業の公正・忠実な遂行」「ガバナンス・内部管理体制」「適正な開示を行える体制」「反社会的勢力との関係がないこと等」の5つの上場適格性要件を調査・確認し、「上場適格性に係る宣誓書」を作成します。東証も意向表明の後に面談を行うため、TPMは「審査がない市場」ではありません。
図2 JPX「2025 上場ガイドブック TOKYO PRO Market編」等をもとに一般的な流れを整理したもの。形式基準(数値基準)はなく、担当J-Adviserが上場適格性を調査・確認する
H.K.Kインベストメントの発行者情報には、上場適格性要件の「企業としての相応性」に関わる記載として、上場予定日(2026年10月19日)から12か月間の運転資本は、現状の自己資金と金融機関からの借入による資金調達が可能であることから十分である、という説明があります。上場時に資金調達をしない会社でも、上場後1年間の資金繰りに問題がないことを、根拠とともに説明できるようにしておく必要があるということです。借入への依存度が高い不動産会社では、この説明の裏付けとして資金繰り計画と借入枠の状況が重要になります。
開示書類の名称にも注意が必要です。上場に際して特定投資家向け取得勧誘等を行う会社は「特定証券情報」を公表しますが、H.K.Kインベストメントは勧誘を行わないため、特例110条3項の規定により「発行者情報に相当する情報」を公表しています。表紙の書類名が「発行者情報」になっているのはこのためです。上場後は、年次と中間の発行者情報を各期末後3か月以内に公表します。これらは一般市場の有価証券報告書・半期報告書とは別の書類です。
図3 金融商品取引法27条の31と、発行者情報表紙の「取引所金融商品市場等に関する事項」の記載をもとに作成
監査期間にも一般市場との違いがあります。TPMの新規上場で求められる監査期間は「最近1年間」です。H.K.Kインベストメントは、特例110条5項の規定に基づき第20期(2025年3月1日〜2026年2月28日)の財務諸表についてあやめ監査法人の監査を受けています。主要な経営指標等の推移の注記では、第18期と第19期の財務諸表は当該監査を受けていないと明記しています。一般市場の新規上場では直前2期の監査が求められるため、監査法人と契約する時期の考え方が変わります(監査法人はいつまでに決めるか)。
一般市場(グロース・スタンダード)との比較
| 項目 | TOKYO PRO Market | 一般市場(グロース・スタンダード) |
|---|---|---|
| 買付けができる投資家 | 特定投資家等(一般投資家は買付け不可、売却は可能) | 一般投資家を含む |
| 形式基準 | なし(数値基準がない) | 株主数・流通株式等の形式基準あり |
| 上場適格性の調査 | 担当J-Adviserが調査・確認し、東証が面談 | 東証の上場審査 |
| 申請から承認まで | 原則として申請から10営業日後に承認 | 一般市場の審査日程による |
| 新規上場時の監査期間 | 最近1年間 | 直前2期 |
| 開示書類 | 特定証券情報・発行者情報 | 有価証券届出書・有価証券報告書等 |
| 四半期開示 | 任意 | 四半期決算短信(取引所規則) |
| 内部統制報告書 | 任意 | 提出が必要 |
| 上場維持の前提 | 担当J-Adviserとの契約の維持 | J-Adviser制度なし |
事業内容と収益モデル:3つのブランドとワンストップサービス
H.K.Kインベストメントは、「すべての未来には、始まりの『場所』がある ~場所の個性が未来をつくる~」をコーポレートメッセージに掲げ、不動産の企画・開発を通じて土地・建物の価値を引き出すことを目指すとしています。事業の特徴として強調されているのが「ワンストップサービス」です。用地や既存建物の情報収集・仕入れから、商品企画、設計、建築又は改修、リーシング、販売・賃貸、販売又は賃貸後の管理業務までを一体的に行い、物件ごとの立地特性、土地形状、周辺環境、賃貸需要・販売需要を踏まえて商品化する、と説明されています。
図4 発行者情報「事業の内容」の業務の流れ・収益モデルの説明をもとに作成。管理業務は一部の物件のみ受託
事業領域は3つのブランドで構成されています。1つ目の「Acht HIK(アハトハイク)」は、倉庫機能・オフィス機能・駐車機能を組み合わせたガレージオフィスで、主な利用者は建設関連業者、内装業者、設備業者、サービス業の事業者、車両を使用する事業者などです。展開方法は2つあり、土地所有者に住宅以外の土地活用としてガレージオフィスの開発を提案する「土地活用提案型」(建築請負、企画・設計、リーシング、管理等で収益を得る)と、当社が自ら土地を仕入れて開発し、投資用不動産として販売又は一部を保有・賃貸する「自社開発型」です。
2つ目の「Acht HIK BLD.(アハトハイクビルディング)」は、都市部や駅周辺の限られた敷地に、各階を独立した区画として使える三階建てのビルを企画・開発し、完成後に投資用不動産として販売するブランドです。新築に加え、既存の収益不動産を取得して改修・用途改善・賃貸条件の見直しを行い、収益性を高めてから再販売する「中古収益リノベーション」にも取り組んでいます。3つ目の「mirus sincere(ミルスシンシア)」は居住用の分譲事業で、土地の仕入れから商品企画、建築、販売までを一体的に行い、主に自己居住目的の個人に販売しています。
図5 発行者情報「事業の内容」をもとに作成。いずれも不動産関連事業の単一セグメントの中の事業領域
| ブランド | 事業領域 | 主な収益 | 主な販売先・顧客 |
|---|---|---|---|
| Acht HIK | ガレージオフィス | 土地活用提案(建築請負・企画・リーシング・管理)、自社開発物件の販売・賃貸 | 不動産投資家、資産管理会社、事業法人、個人富裕層等。利用者は中小事業者 |
| Acht HIK BLD. | 都市型三階建ビル(新築・中古収益リノベーション) | 投資用不動産としての販売、保有期間中の賃料、販売後の管理 | 不動産投資家、資産管理会社、事業法人、個人富裕層等 |
| mirus sincere | 分譲 | 分譲住宅等の販売 | 自己居住を目的とする個人 |
売上高の内訳を見ると、第20期の売上高1,484,694千円のうち、顧客との契約から生じる収益が1,428,969千円、リース会計基準に基づく賃貸収入(「その他の収益」)が55,724千円です。主要な顧客としては、第20期に㈱SEキャピタル(271,394千円)、日本リアルエステート㈱(265,710千円)、㈲アセッツコーポレーション(201,724千円)の3社が記載されており、3社合計で売上高の約5割(本記事の計算で約49.8%)になります。前期(第19期)に記載された主要顧客は㈱大豊物流システムと㈱ネクサステージで、顔ぶれが入れ替わっています。
沿革と上場までの道のり
沿革を見ると、同社は中古マンションのリノベーションから始まり、分譲、建設業許可の取得によるワンストップ化、ガレージオフィス、都市型三階建ビルへと事業領域を広げてきました。2007年8月に宅地建物取引業者免許(大阪府知事)を取得して中古マンションリノベーション事業を開始し、2009年3月に狭小間口・狭小地・連棟物件の再活用を目的とした分譲事業を始めています。2010年4月にはワンストップサービスの確立を目的として一般建設業許可を取得しました。
上場に近い時期の動きとしては、2025年6月に代表者が全株式を持つ八光不動産㈱(旧㈱Hana.home八光)を吸収合併し、2025年10月に東京オフィスを開設、2026年5月に東京オフィスの機能強化を目的として宅地建物取引業者免許を国土交通大臣免許として取得しています。2026年5月22日の定時株主総会と取締役会で、発行可能株式総数の変更、株式分割、単元株制度の導入に関する決議が行われ、6月10日に1株を100株とする株式分割を実施しました。
図6 発行者情報「沿革」等をもとに作成
許認可は、宅地建物取引業免許(国土交通大臣(1)第11159号、有効期限2031年5月12日)と一般建設業許可(大阪府知事許可、有効期限2030年4月22日)が記載され、発行者情報の公表日現在、取消事由や更新欠格事由に該当する事実はなく、過去に取消処分を受けた事実もないとされています。許認可を前提に事業を営む会社では、期限管理と取消事由の確認が上場準備のチェック項目になります(IPOで許認可はどこまで見られるか)。
業績はどう推移しているか
| 項目(千円) | 第18期(2024年2月期) | 第19期(2025年2月期) | 第20期(2026年2月期) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,315,342 | 1,306,228 | 1,484,694 |
| 経常利益 | 21,232 | 34,971 | 60,822 |
| 当期純利益 | 15,085 | 22,827 | 41,677 |
| 純資産額 | 586,874 | 609,701 | 725,293 |
| 総資産額 | 2,162,140 | 2,463,937 | 3,273,001 |
| 自己資本比率(%) | 27.1 | 24.7 | 22.2 |
| 自己資本利益率(%) | 2.6 | 3.8 | 6.2 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | △659,182 | △63,507 | △674,782 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 217,179 | 233,593 | 693,909 |
| 従業員数(人) | 21 | 21 | 28 |
3期の推移では、売上高は13億円台から第20期に14億8,469万円へ増加し、経常利益は21,232千円、34,971千円、60,822千円と2期連続で増えています(第18期・第19期は未監査)。第20期は売上高が前期比13.7%増、営業利益が100,630千円(同58.0%増)、経常利益が同73.9%増、当期純利益が41,677千円(同82.6%増)でした。発行者情報では、ガレージオフィス・木造テナントビルの開発を中心に投資用不動産の供給拡大に取り組み、関東エリアへの進出も進めたと説明されています。なお、第18期と第19期の数値は監査を受けていない財務諸表に基づくものです。
図7 発行者情報「主要な経営指標等の推移」より(単位:百万円、百万円未満切捨て)。第18期・第19期は監査を受けていない
第20期の損益計算書を細かく見ると、売上総利益468,476千円から販売費及び一般管理費367,846千円を差し引いた営業利益100,630千円に対し、支払利息が39,572千円(前期23,818千円)かかっています。営業利益の約4割に当たる利息負担があり、経常利益は60,822千円です。特別損益として固定資産売却益382千円と固定資産除却損4,072千円を計上し、法人税等15,454千円を差し引いた当期純利益は41,677千円でした。
図8 発行者情報 損益計算書より(単位:千円)。経常利益から税引前当期純利益までは1千円の端数差がある
営業キャッシュ・フローがマイナスになる理由
営業活動によるキャッシュ・フローは、3期とも支出超過です(第18期△659,182千円、第19期△63,507千円、第20期△674,782千円)。第20期の主な要因は棚卸資産の増加額700,172千円で、販売用不動産が1,226,756千円から1,909,424千円へ682,668千円増えています。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは693,909千円の収入で、長期借入れによる収入1,261,900千円、短期借入金の純増額251,100千円、長期借入金の返済による支出808,042千円が内訳として挙げられています。仕入れた土地や開発中の物件は販売されるまで棚卸資産として残るため、事業を拡大する局面では利益が出ていても営業キャッシュ・フローがマイナスになりやすく、その資金を借入で補う構造になっています。
図9 発行者情報 キャッシュ・フロー計算書より(単位:千円)。合併は八光不動産の吸収合併に伴う現金及び現金同等物の増加額
貸借対照表では、第20期末の総資産3,273,001千円に対して、短期借入金979,600千円、1年内返済予定の長期借入金68,150千円、長期借入金1,353,975千円で、借入金等明細表の借入金合計は2,401,726千円です。平均利率は短期借入金2.4%、長期借入金(1年以内返済予定を除く)2.2%で、長期借入金の返済期限は2027年3月1日〜2056年8月31日と記載されています。担保に供している資産は販売用不動産1,780,715千円を含む計1,986,887千円、担保付債務は計2,050,134千円です。取引銀行1行と当座貸越契約(限度額996,000千円、借入実行残高517,400千円)も結んでいます。自己資本比率は27.1%から22.2%へ下がっており、対処すべき課題の1番目に「財務基盤の強化と機動的な資金調達体制の構築」が挙げられているのは、この構造と対応しています。
資本政策と株主構成:代表者1名が全株式を持つ上場
H.K.Kインベストメントの株主構成は非常にシンプルです。発行者情報の「株主の状況」に記載された株主は代表取締役社長の工藤秀一氏1名のみで、所有株式数193,200株、持株比率100.00%です。所有者別状況(2026年8月31日現在)でも株主数は個人1名となっています。新株予約権(ストック・オプションを含む)、自己株式、種類株式はいずれも該当がなく、第四部「株式公開情報」の特別利害関係者等の株式等の移動状況、第三者割当等による株式等の発行の内容も「該当事項はありません」とされています。
TPMには株主数や流通株式の形式基準がないため、こうした株主構成でも上場の手続を進めることができます。上場に際して特定投資家向け取得勧誘・売付け勧誘等も実施しないため、発行者情報の記載上、上場に向けて株主構成を変える取引は示されていません。なお、上場後の株主構成は上場後の取引によって変わり得るため、本記事では発行者情報の記載時点の状況として扱います。
図10 発行者情報「株式等の状況」「株主の状況」「第四部 株式公開情報」をもとに作成
上場前の株式に関する手続として重要なのが、株式分割と単元株制度の導入です。2026年5月22日の定時株主総会で定款を変更し、発行可能株式総数を5,700株増やして7,700株としました。同日の取締役会で株式分割を決議し、2026年6月10日を効力発生日として普通株式1株を100株に分割しています。これにより発行済株式総数は1,932株から193,200株に、発行可能株式総数は770,000株になりました。あわせて100株を1単元とする単元株制度を導入しており、議決権の数は1,932個です。発行者情報では、株式分割と単元株制度導入の目的を「投資単位当たりの金額を引き下げることにより、当社株式の流動性向上と投資単位の適正化を図ること」と説明しています。
配当については、創業以来実施しておらず、内部留保を用地取得、開発投資、東京オフィス開設に伴う首都圏への事業展開等に充てる方針です。将来の配当の可能性と時期は未定としつつ、剰余金の配当は中間配当と期末配当の年2回を基本方針とし、中間配当は取締役会の決議で行える旨を定款に定めています。資本政策の基本的な考え方は上場準備の資本政策で解説しています。
読みながら、自社の場合はどうなるかが気になっていませんか
いまの状況と、判断に迷っている点をお送りいただければ、公認会計士がどこから手をつけるべきかを整理してお返しします。営業のご連絡を重ねて差し上げることはありません。
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コーポレート・ガバナンス:取締役4名と監査役1名の体制
機関設計は、株主総会、取締役会、監査役を置く形です。取締役会は取締役4名(うち社外取締役1名)で構成され、原則として毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催するとされています。監査役は社外監査役1名で、監査役会は置いていません。発行者情報では、事業規模、組織体制、経営の機動性を踏まえ、取締役会が重要な業務執行の決定と取締役の職務執行の監督を行い、監査役が独立した立場から監査する現行の体制が、経営の健全性と効率性の確保に適していると判断した、と体制を採用する理由を説明しています。
| 役名 | 氏名 | 主な経歴(発行者情報の略歴より) |
|---|---|---|
| 代表取締役社長 | 工藤 秀一 | 1999年東急リバブル㈱入社、2007年6月当社代表取締役社長。八光不動産㈱等の代表取締役も歴任。所有株式193,200株 |
| 取締役 建築事業部長 | 髙橋 吉正 | 建設会社等を経て2010年3月当社入社、取締役建築事業部長 |
| 取締役 管理部長 | 岩根 宏征 | 奥村組土木興業㈱で監査室長を経て2025年4月当社入社、2026年5月取締役管理部長 |
| 取締役(社外) | 堺 義高 | 東急不動産㈱入社、東急リバブル㈱関西支社の部長職等を経て2025年5月当社取締役 |
| 監査役(社外) | 塚本 純久 | 公認会計士。監査法人勤務、会計事務所代表、監査法人代表社員、複数社の監査役を経て2025年5月当社監査役 |
図11 発行者情報「コーポレート・ガバナンスの状況等」をもとに作成。監査役会は置かず、監査役1名(社外)の体制
社外役員の選任方針として、会社経営、法務、会計、労務、コンプライアンスその他の専門的知見と経験を持ち、客観的かつ中立的な立場から監督又は監査を行える者を選ぶとしています。一方で、社外役員の独立性に関する特段の基準又は方針は定めておらず、選任に際しては人的関係、資本的関係、取引関係その他の利害関係を総合的に勘案している、と記載されています。
業務執行の側では、代表取締役、取締役、各部門責任者などで構成される経営会議が、事業計画の進捗、予算実績、重要案件、リスク・コンプライアンス上の課題、内部管理体制の整備状況を報告・協議しています。経営会議は協議・報告の機関で、取締役会で決議すべき事項は取締役会に上程すると明記されている点は、会議体の役割分担を整理するうえで参考になります。法令遵守、不正行為、ハラスメント、反社会的勢力への対応、情報管理、内部通報などを協議するコンプライアンス委員会も設置されています。
役員報酬と定款の定め
最近事業年度(第20期)の役員報酬は、取締役(社外取締役を除く)3名に33,120千円、社外役員2名に4,000千円で、いずれも基本報酬のみです(期中に退任した取締役1名を含む)。役員報酬の決定方針は、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、各役員の職務、責任、業績への貢献度、会社の業績と経営環境を総合的に勘案して決めるとされ、取締役の個別報酬は取締役会の決議で、監査役の報酬は監査役の協議で決定しています。
代表者による債務保証と関係会社の合併
関連当事者との取引では、オーナー企業に典型的な2つの取引が記載されています。1つ目は、工藤社長による銀行借入への債務保証です。第19期末の保証残高は237,214千円、第20期末は469,018千円で、保証料の支払いは行っていません。発行者情報には、当該債務保証契約が2026年8月31日時点においてすべて解除されたと注記されています。
2つ目は、工藤社長が議決権の100%を所有する八光不動産㈱との取引です。第19期には同社に仲介手数料30,312千円を支払っており(取引価格は市場価格を勘案して双方協議の上決定)、第20期の2025年6月1日に同社を無対価で吸収合併しました。合併の目的は経営資源の集約と業務効率の向上と説明されています。
図12 発行者情報「関連当事者情報」「企業結合等関係」をもとに作成(金額は千円)
上場準備では、代表者による債務保証や、代表者の個人会社との取引の扱いが必ず論点になります。保証の解除には金融機関との交渉が必要で、時間がかかることもあります。同社は上場申請前に保証契約の解除を終え、仲介取引の相手だった会社は合併で取り込むという形で整理しています。また、支配株主との取引については、現時点で取引はないとしたうえで、今後行う場合は必要性・合理性と取引条件の妥当性を十分に検討し、取締役会で審議する方針を示しています。社長個人や個人会社との取引の整理の仕方は社長個人と会社の取引はどう解消するか、注記の書き方は関連当事者との取引の注記の記載例で解説しています。
内部監査と内部統制:小規模組織での牽制の仕組み
内部監査は「内部監査担当」が、内部監査規程と毎期の内部監査計画に基づいて行っています。監査対象は、各部門の業務運営、法令・社内規程の遵守状況、職務権限と業務分掌の運用状況、会計処理と資産管理の状況、内部統制の整備・運用状況などです。監査結果は代表取締役と監査役に報告され、改善を要する事項は被監査部門に改善指示を出し、その後の改善状況を継続的に確認するとしています。発行者情報には内部監査担当の人数や所属部署、兼務の有無についての記載はありません。
内部監査担当は監査役・監査法人と適宜情報を共有・意見交換し、監査役も代表取締役、内部監査担当、監査法人と定期的に情報交換を行うとされており、いわゆる三様監査の連携が記載されています。内部監査の報告先を代表取締役だけでなく監査役にも置いている点は、オーナー経営の会社で牽制を効かせるうえでのポイントです(内部監査の報告先は社長だけでよいのか)。
図13 発行者情報「コーポレート・ガバナンスの状況等」の記載をもとに作成。内部監査の結果は代表取締役及び監査役に報告される
内部統制については、取締役会規程、業務分掌規程、職務権限規程、稟議規程、経理規程などの社内規程を整備し、案件の内容・金額・重要性に応じて担当部門、担当取締役、代表取締役又は取締役会の承認を要する体制としています。稟議・承認手続や一定の社内申請にはワークフローシステムを使い、申請内容、承認経路、承認者、承認日、関連資料を記録・保存して、承認プロセスの可視化と証跡管理を行っていると説明されています。
リスク管理では、各部門が日常的にリスクを把握し、重要なリスクは管理部門が関係部門と連携して情報を集約し、代表取締役、経営会議、コンプライアンス委員会又は取締役会に報告する体制です。法務、労務、税務、会計、許認可などは弁護士、社会保険労務士、会計事務所などの外部専門家の助言を受けています。事業等のリスクでも、比較的小規模な組織であるため一定の業務が特定の役職員に依存する可能性があることや、代表取締役への依存が挙げられており、課題として認識していることが分かります。
会計・開示の論点:収益認識と販売用不動産の評価
財務諸表は「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」に基づいて作成され、特例110条6項で認められた会計基準のうち日本の会計基準に準拠しています。
収益認識の方針は、取引の種類ごとに書き分けられています。不動産販売は、顧客との売買契約に基づき物件を引き渡すことを履行義務として識別し、引渡時点で収益を認識します。請負工事は、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もれる案件では、発生原価が予測工事原価に占める割合に基づいて一定の期間にわたり収益を認識し、契約の初期段階で進捗度を合理的に見積もれないが発生費用の回収が見込まれる場合は原価回収基準、契約期間がごく短い工事は完全に履行義務を充足した時点で認識しています。不動産賃貸の収益は「リース取引に関する会計基準」(企業会計基準第13号)に従っています。
図14 発行者情報「重要な会計方針 4.収益及び費用の計上基準」「収益認識関係」をもとに作成
引渡基準が中心の会社では、物件の引渡時期が期末をまたぐかどうかで、期間の業績が大きく変わります。同社も事業等のリスクで、一案件の売上高や利益が期間損益に相応の影響を与えるものが含まれるため、引渡時期が事業年度又は四半期をまたいで変動した場合に期間損益に偏りが生じる可能性がある、と説明しています。上場後は年次・中間の発行者情報や決算情報の適時開示で業績を説明していくことになるため、案件ごとの進捗・契約・引渡予定を管理し、経営会議等で共有する仕組みが重要になります。収益認識の審査上の論点は上場審査で問われる収益認識で解説しています。
重要な会計上の見積り:販売用不動産等の評価
重要な会計上の見積りとして識別されているのは、販売用不動産等の評価です。第20期末の販売用不動産は1,909,424千円、不動産事業支出金(仕掛販売用不動産)は179,358千円で、総資産の約6割を占めます。評価は個別法による原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)で、正味売却価額(販売見込額から見込販売経費を控除した額)が帳簿価額を下回る場合は正味売却価額まで減額し、評価損を売上原価に計上します。主要な仮定は、事業計画又は実績等に基づく販売見込額で、第19期・第20期ともに簿価の切下げは行っていません。
図15 発行者情報「重要な会計上の見積り」をもとに作成
合併の会計処理とその他の注記
八光不動産の吸収合併は、代表者が全株式を持つ会社同士の合併のため、「企業結合に関する会計基準」と同適用指針に基づく共通支配下の取引として処理されています。承継した資産は74,902千円(うち現金預金72,984千円)、負債は987千円で、株主資本等変動計算書では合併による増加として、その他資本剰余金29,000千円、繰越利益剰余金44,914千円が計上されています。合併は無対価で行われました。
図16 発行者情報「株主資本等変動計算書」「キャッシュ・フロー計算書関係」「企業結合等関係」をもとに作成(単位:千円)
会計監査については、あやめ監査法人の代表社員と社員の2名が業務を執行し、補助者は公認会計士4名とその他1名です。最近事業年度の監査報酬は、監査証明業務に基づく報酬12,000千円、非監査業務に基づく報酬4,000千円で、非監査業務の内容は「短期調査及び財務調査業務」と記載されています。監査報酬は監査日数や事業の規模・特性を勘案した監査法人の見積りに基づいて協議し、監査役の同意を得て決めるとしています。上場準備にかかる費用の考え方はIPOにかかる費用はいくらかも参考にしてください。
事業等のリスクとJ-Adviser契約
事業等のリスクは、事業環境(不動産市況、収益計上時期、用地・物件の仕入、建築資材価格と外注、特定の外注先・仕入先への依存、在庫評価、競合、営業地域の集中)、財政状態(資金調達、有利子負債)、法的規制(許認可、契約不適合責任、近隣トラブル、訴訟、個人情報)、事業運営体制(内部管理体制、人材、代表者への依存)、その他(ブランド、災害、知的財産、配当政策、J-Adviser契約)に分けて記載されています。
図17 発行者情報「事業等のリスク」をもとに作成。J-Adviser契約の解除条項の詳細は発行者情報に記載
TPMに特有のリスクとして記載されているのが、担当J-Adviserとの契約です。同社はフィリップ・キャピタル証券を担当J-Adviserとする契約を結んでおり、この契約はTPMでの新規上場と上場維持の前提で、契約を解除し、かつ他の担当J-Adviserを確保できない場合は上場廃止となる、と説明しています。発行者情報には、債務超過、銀行取引の停止、破産手続等、事業活動の停止、発行者情報等の提出遅延、虚偽記載又は不適正意見等、反社会的勢力の関与など、J-Adviserが即日無催告で解除できる事由が列挙されています。発行者情報の開示日現在、解除条項に該当する事象は生じていないとされています。
一般市場へのステップアップを考える会社への示唆
H.K.Kインベストメントの発行者情報には、将来の一般市場への上場や市場変更に関する記載はありません。そのため、ここでは同社の方針には触れず、TPMから一般市場を目指す場合の一般的な留意点を整理します。
TPMから一般市場への移行は「市場区分の変更」ではなく、TPMを申請により上場廃止し、一般市場に新規上場する手続として扱われます。実例として、AlbaLinkは2025年12月14日にTPMを上場廃止し、翌15日にグロース市場に新規上場しています。東証は2025年11月の資料で、TPMから一般市場への上場審査は非上場企業と同様に一から確認が行われていると現状を整理し、2026年4月の資料では「26年秋めど」にTPM実績を勘案した一般市場上場審査の効率化と開示様式の共通化・簡素化を予定していると公表しています(本記事執筆時点で実施済みかどうかは確認できていません)。
一般市場を視野に入れる会社は、TPMでは求められない項目、たとえば直前2期の監査、株主数・流通株式の形式基準、内部統制報告書などへの対応を別途計画する必要があります。全株式をオーナー1名が持つ会社であれば、株主構成をどう変えるかという資本政策の検討も欠かせません。準備の全体像はグロース市場事前チェックリストで確認できます。
上場準備会社がH.K.Kインベストメントの事例から学べること
1. 勧誘を行わない上場という選択肢:同社は特定投資家向け取得勧誘・売付け勧誘等を行わず、特例110条3項により発行者情報に相当する情報を公表して上場します。上場=資金調達ではないことを示す例です。
2. 直前1期の監査と未監査期の明示:監査は第20期のみで、第18期・第19期は監査を受けていないことを主要な経営指標の注記で明記しています。監査法人との契約時期は、TPMか一般市場かで逆算の起点が変わります。
3. 株主1名でも株式の器を整える:1対100の株式分割、単元株制度の導入、発行可能株式総数の変更を上場前に済ませ、投資単位の適正化を図っています。
4. 代表者との取引を上場前に整理する:代表者の借入保証は2026年8月31日までにすべて解除し、仲介取引があった代表者の個人会社は吸収合併で取り込んでいます。
5. 在庫と借入の構造を数字で説明する:営業キャッシュ・フローのマイナスと借入の増加は、販売用不動産の積み上げによるものです。運転資本が12か月十分である根拠を示せることが前提になります。
6. 小さな組織の牽制を設計する:取締役4名(社外1名)、公認会計士の社外監査役1名、内部監査担当の報告先を代表取締役と監査役の両方にする体制、ワークフローシステムによる承認の証跡管理などで、規模に応じた牽制を説明しています。
図18 本記事で取り上げた論点のまとめ
- 上場の目的と、TPMか一般市場かの選択理由を社内で言葉にしているか
- 監査を受ける期と監査法人の契約時期を、目標とする市場から逆算しているか
- 株式分割・単元株・発行可能株式総数など、上場会社としての株式の器を整えたか
- 代表者による債務保証や代表者の関係会社との取引を、解消・整理する計画があるか
- 在庫・借入・資金繰りの関係を、上場後12か月の運転資本の説明として示せるか
- 内部監査の報告先と三様監査の連携を、規模に応じて設計しているか
よくある質問
TPMには株主数・流通株式などの形式基準(数値基準)がなく、担当J-Adviserが上場適格性要件を調査・確認する仕組みです。H.K.Kインベストメントの発行者情報でも、株主は代表取締役社長1名(100%)と記載されたうえで上場承認を受けています。一般市場では形式基準を満たす必要があるため、同じ考え方は当てはまりません。
発行者情報の表紙には、上場に際して特定投資家向け取得勧誘又は特定投資家向け売付け勧誘等を実施しないと記載されています。そのため特例110条3項により発行者情報に相当する情報を公表しており、上場に伴う株式の発行による資金調達は予定されていません。
TPMの新規上場で求められる監査期間は最近1年間です。同社は第20期(2026年2月期)の財務諸表についてあやめ監査法人の監査を受けており、第18期・第19期は監査を受けていないと明記しています。一般市場の新規上場では直前2期の監査が必要です。
関連当事者情報によると、代表取締役社長による銀行借入への債務保証は第20期末で469,018千円(保証料の支払いなし)でしたが、当該債務保証契約は2026年8月31日時点においてすべて解除されたと注記されています。
最初の一歩は「監査の起点」と「代表者との取引の棚卸し」から
TPMを検討するオーナー企業が最初に取り組みたいのは、監査を受ける事業年度を決めて監査法人と話を始めることと、代表者による保証や代表者の関係会社との取引を一覧にして、上場までにどう整理するかを決めることです。H.K.Kインベストメントのように、直前1期の監査、株式分割、保証の解除、関係会社の合併は、それぞれ時間のかかる手続です。上場予定日から逆算してスケジュールを引くことで、どこで遅れが生じやすいかが見えてきます。監査法人による事前調査の位置づけはショートレビューとはで解説しています。
まとめ
H.K.Kインベストメントは、ガレージオフィス、都市型三階建ビル、分譲の3つのブランドをワンストップサービスで展開する大阪の不動産会社で、2026年10月2日に上場承認を受け、10月19日にTOKYO PRO Marketへ上場する予定です。上場に際して特定投資家向け取得勧誘等は行わず、発行者情報を公表しての上場で、株主は代表取締役社長1名(100%)です。
発行者情報からは、直前1期の監査、上場前の株式分割と単元株制度の導入、代表者保証の解除と代表者の個人会社の吸収合併、取締役4名・監査役1名の機関設計と三様監査の連携、販売用不動産の評価と借入に支えられた資金構造など、オーナー企業がTPMに上場する際の論点を具体的に読み取ることができます。形式基準がないTPMだからこそ、自社の体制を、どの水準で、どう説明できるかを整えておくことが大切だといえます。
ショートレビュー、資本政策、機関設計、内部監査・内部統制、会計方針と開示、Ⅰの部の作成、審査対応まで、上場準備の実務を公認会計士が支援します。
公認会計士としての実務歴は13年以上、独立後は20社を超える支援に関与しています。労働者派遣事業と有料職業紹介事業の許可申請にかかる監査証明と合意された手続業務に対応しています。優成監査法人(現・太陽有限責任監査法人)で上場企業および上場準備企業の監査に従事し、太陽グラントソントン・アドバイザーズで財務デューデリジェンスと企業価値評価に携わりました。プロフィールを見る
本記事の根拠
- 東京証券取引所 TOKYO PRO Market 新規上場会社情報「H.K.Kインベストメント 発行者情報」
- 日本取引所グループ「新規上場会社情報(TOKYO PRO Market)」
- 日本取引所グループ「TOKYO PRO Market 概要」
- 日本取引所グループ「特定投資家制度の概要」
- 日本取引所グループ「J-Adviser制度」
- 日本取引所グループ「TOKYO PRO Market 上場基準」
- 日本取引所グループ「2025 上場ガイドブック TOKYO PRO Market編」
- 東京証券取引所「TOKYO PRO Marketの今後の方向性」(2026年4月3日)
- 東京証券取引所「上場目的の開示状況」(2026年6月15日時点)
- 東京証券取引所「プロマーケットの今後の方向性について」(2025年11月13日)
- 日本取引所グループ「上場廃止の決定:(株)AlbaLink」(2025年11月11日)
- 金融商品取引法 第27条の31(e-Gov)
免責:本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別案件に対する法務、会計、税務その他の専門的助言を構成するものではありません。実際の対応は、最新の法令・取引所規則・公表資料を確認し、必要に応じて専門家へご相談ください。
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