※本記事は2026年10月6日時点の公表資料に基づきます。
キューデンホールディングス株式会社(証券コード642A)は、九州電力株式会社が単独株式移転によって設立した持株会社です。2026年9月1日に東京証券取引所から上場承認を受け、2026年10月1日に東証プライム市場(あわせて福岡証券取引所)に上場しました。九州電力の株式は2026年9月29日に上場廃止となり、同じ株主がそのまま新しい持株会社の株主になる、いわゆる「テクニカル上場」です。本記事では、東京証券取引所に提出された「新規上場のための有価証券報告書(Ⅰの部)」(2026年9月1日提出)を読み、持株会社化とテクニカル上場の実務を、上場準備会社や組織再編を検討する会社の経営者・CFO・管理部門の方向けに整理します。
結論からいえば、キューデンホールディングスのⅠの部は「上場会社が持株会社に移るとき、何を決め、何を引き継ぎ、どう開示するか」を一冊で確認できる教材です。株式移転比率を1対1とし第三者算定を行わなかった理由、取締役会決議から株主総会、上場廃止、設立登記・上場までの日程、資本金と準備金の定め方、B種優先株式や株式報酬の信託契約の承継、そして「九州電力と同水準若しくはそれ以上」のガバナンスを新会社でどう構築するかが、具体的な数字と日付で書かれています。通常のIPOのような公募・売出しや資本政策の物語はありませんが、組織再編と上場手続を組み合わせる際の論点がそろっています。
この記事の見出し
キューデンホールディングスはどんな会社で、いつ、どの市場に上場したのか
まず基本情報を確認します。キューデンホールディングス(英文名 KYUDEN Holdings Inc.)は、九州電力を株式移転完全子会社とする単独株式移転により、2026年10月1日を効力発生日として設立された会社です。本店は福岡県福岡市中央区渡辺通二丁目1番82号で、九州電力の本店と同じ場所です。代表者は代表取締役 社長執行役員の西山勝氏で、Ⅰの部の提出時点では九州電力の代表取締役社長執行役員を務めています。決算期は3月で、最初の事業年度は設立の日から2027年3月31日までと定款付則に定められています。
事業内容は「グループ会社の経営管理 等」です。自らは事業を営まず、子会社の株式を保有して、その事業活動を支援・管理することを目的とする、いわゆる純粋持株会社です。定款の目的には、電気事業、熱供給事業、電気通信事業、ガス供給事業、介護サービス事業、都市開発事業など19号にわたる事業が並び、「次の事業を営む会社の株式を保有することにより、当該会社の事業活動を支援、管理することを目的とする」という書き方になっています。
Ⅰの部の構成も通常のIPO会社とは異なります。表紙には上場申請会社としてキューデンホールディングス、提出会社として九州電力の2社が並び、「第一部 組織再編成に関する情報」が冒頭に置かれています。また、本報告書の提出日である2026年9月1日には当社はまだ設立されておらず、設立予定日である2026年10月1日現在の状況を説明する事前提出書類であるため、特に必要のある場合を除き、予定・見込みである旨の表現はしていないと注記されています。Ⅰの部の一般的な位置づけについては、Ⅰの部とⅡの部は何が違うかもあわせてご覧ください。
| 項目 | 内容(Ⅰの部の記載) |
|---|---|
| 正式社名 | キューデンホールディングス株式会社(KYUDEN Holdings Inc.) |
| 証券コード | 642A |
| 市場 | 東京証券取引所プライム市場(ほかに福岡証券取引所) |
| 上場承認日/上場日 | 2026年9月1日/2026年10月1日 |
| 上場の形態 | テクニカル上場(九州電力の単独株式移転による持株会社の設立) |
| 設立日(効力発生日) | 2026年10月1日 |
| 本店所在地 | 福岡県福岡市中央区渡辺通二丁目1番82号 |
| 代表者 | 代表取締役 社長執行役員 西山 勝 |
| 事業内容 | グループ会社の経営管理 等 |
| 資本金 | 2,373億486万3,699円 |
| 決算期 | 3月31日(最初の事業年度は2027年3月31日まで) |
| 機関設計 | 監査等委員会設置会社(取締役10名、うち監査等委員4名) |
| 会計監査人 | 有限責任監査法人トーマツ(設立時会計監査人) |
| 完全子会社 | 九州電力株式会社(議決権100.0%、特定子会社に該当予定) |
上場の形態を図にすると、次のようになります。移行前は九州電力が上場会社で、その下に子会社82社・関連会社55社(2026年3月31日現在)が連なっていました。移行後は、新設のキューデンホールディングスが上場会社となり、九州電力はその100%子会社になります。株主は九州電力株式1株と引換えに当社株式1株の割当てを受けるため、株主構成は移行の前後で変わりません。
図1 九州電力を株式移転完全子会社とする単独株式移転により、新設のキューデンホールディングスが上場会社となる。株主構成は移行の前後で変わらない。Ⅰの部をもとに作成
プライム市場の会社ですから、コーポレートガバナンス・コードの全原則(2026年7月の改訂で補充原則は廃止されています)が適用され、プライム市場向けの原則(独立社外取締役の割合など)も対象になります。テクニカル上場であっても、上場後に求められる開示やガバナンスの水準はほかのプライム市場上場会社と同じです。Ⅰの部のコーポレート・ガバナンスの項目の冒頭で、新会社が九州電力と「同水準若しくはそれ以上」のガバナンスを構築する予定と書かれているのは、この点を踏まえたものと読めます。
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なぜ持株会社体制に移行するのか
Ⅰの部の「組織再編成の目的等」では、持株会社体制へ移行する背景と目的が説明されています。九州電力グループは、総合エネルギーサービス事業に加え、再生可能エネルギー・海外・ICTサービス・都市開発等の成長事業に取り組んできました。一方で、国際情勢の不安定化、電力需要の増加、デジタル技術の飛躍的な進展など、経営環境は大きな転換期を迎えているとしています。
そのうえで、原子力安全を大前提に、総合エネルギーサービス事業の更なる成長と成長事業の一層の発展を促し、経営ビジョンの達成につなげるため、新たなグループ体制を検討した結果、持株会社体制への移行が最適と判断したと記載されています。移行の目的は、原子力安全の継続的な向上を大前提に、『全体最適視点でのグループ経営』と『自律的かつ迅速な事業運営』を実現できる体制を構築することです。
具体的には、事業を持たない持株会社がグループ経営の舵取りと監督を行い、各事業会社に対してグループ全体を俯瞰した最適な経営資源配分を行います。①全体最適視点でのグループ経営では、経営資源配分とグループガバナンスの高度化を図り、②自律的かつ迅速な事業運営では、事業会社の責任・権限の下で、それぞれの事業環境・特性に応じた事業活動を行い、競争力の強化につなげるとしています。
移行は2段階で進む
持株会社体制への移行は2段階です。ステップ1は、2026年10月1日を効力発生日とする株式移転による当社の設立で、九州電力は当社の完全子会社になります。ステップ2は、2027年4月1日に、九州電力が保有する九州電力送配電株式会社、九電みらいエナジー株式会社、株式会社キューデン・インターナショナル、株式会社QTnet、そして今後設立を予定している九電都市開発株式会社の株式を当社に移管し、主要な事業会社を当社が直接保有する子会社として再編するものです。
つまり、株式移転の直後は「持株会社 → 九州電力 → 主要子会社」という縦の構造が残り、約半年後に主要子会社が持株会社の直下に並ぶ形になります。株式移転で上場会社の地位を新会社に移す手続と、グループ内の子会社の資本関係を組み替える手続を分けている点が実務上のポイントです。
図2 ステップ1で九州電力が当社の完全子会社となり、ステップ2で九州電力が保有する主要な事業会社の株式を当社へ移管して、当社が直接保有する体制に再編する予定。Ⅰの部をもとに作成
上場準備会社にとっても、持株会社化は無関係ではありません。上場前に持株会社を設けるか、上場後に移行するかで、審査で説明すべき内容や必要な手続が変わります。上場後の移行であれば、本件のように株主総会の特別決議、上場廃止と新会社の上場、子会社株式の移管という手順を踏むことになります。上場前に複数の会社をまとめる場合は、グループの資本関係や親会社との関係が審査で確認されますので、IPO審査の「親会社等からの独立性」の論点もあわせて整理しておくとよいでしょう。
事業内容とグループの構成
当社自体は新設会社のため、事業の実績はありません。Ⅰの部では、完全子会社となる九州電力のグループの事業内容が記載されています。九州電力グループは、九州電力、子会社82社及び関連会社55社(2026年3月31日現在)で構成され、国内電気事業(発電・販売事業及び送配電事業)を中心とする事業を行っています。
報告セグメントは、「発電・販売事業」「送配電事業」「海外事業」「その他エネルギーサービス事業」「ICTサービス事業」「都市開発事業」の6つです。発電・販売事業は国内の発電・小売電気事業、送配電事業は九州域内の一般送配電事業、海外事業は海外の発電・送配電事業、その他エネルギーサービス事業は電気設備の建設・保守、ガス・LNG販売、石炭販売、再生可能エネルギー事業、ICTサービス事業はデータ通信、光ブロードバンド、電気通信工事・保守、情報システム開発、データセンター、都市開発事業は不動産開発・運営、官民連携事業を主な内容としています。九州電力自身は主に「発電・販売事業」を営んでいます。
| セグメント | 連結従業員数(人) | 主な事業 |
|---|---|---|
| 発電・販売事業 | 5,539 | 国内の発電・小売電気事業 |
| 送配電事業 | 3,776 | 九州域内の一般送配電事業 |
| 海外事業 | 96 | 海外の発電・送配電事業 |
| その他エネルギーサービス事業 | 7,719 | 電気設備の建設・保守、ガス・LNG販売、再エネ等 |
| ICTサービス事業 | 2,883 | データ通信、光ブロードバンド、データセンター等 |
| 都市開発事業 | 682 | 不動産開発・運営、官民連携事業 |
| その他 | 494 | ― |
| 合計 | 21,189 | (2026年3月31日現在、就業人員数) |
従業員は、九州電力の連結で21,189人、九州電力単体で4,383人(平均年齢42.1歳、平均勤続年数20.8年、平均年間給与8,420,008円)です。当社自身の従業員数は「新設会社であるため、未定である」とされています。持株会社の人員は事業会社からの出向や兼務で構成されることが多く、Ⅰの部でも当社の取締役は九州電力を含むグループ各社の取締役及び監査役を兼任する予定と記載されています。
主な関係会社としては、一般送配電事業の九州電力送配電(資本金20,075百万円)、海外事業の有価証券を保有するキューデン・インターナショナル(同64,486百万円)、電気通信回線を提供するQTnet(同22,020百万円)、再生可能エネルギー事業の九電みらいエナジー(同16,405百万円)などが並びます。キューデン・インターナショナルと九州電力送配電は特定子会社です。九州電力送配電は売上高の連結売上高に占める割合が10%を超えていますが、セグメント売上高に占める割合が90%を超えるため、主要な損益情報等の記載を省略していると注記されています。
株式移転の手続はどう進んだのか
ここからが本記事の中心である、持株会社化とテクニカル上場の手続です。Ⅰの部の「組織再編成に係る契約等」「組織再編成に関する手続」には、株式移転計画の内容と日程が詳しく記載されています。
出発点は、2026年3月26日の九州電力の取締役会です。九州電力は、定時株主総会等による承認を前提として、2026年10月1日(予定)をもって、当社を株式移転設立完全親会社、九州電力を株式移転完全子会社とする株式移転計画を承認しました。株式移転計画書には、持株会社の目的・商号・本店所在地・発行可能株式総数(10億株。うち普通株式10億株、B種優先株式2,000株)、設立時取締役と設立時会計監査人、株式の割当て、資本金及び準備金の額、成立の日、承認株主総会、上場する金融商品取引所、株主名簿管理人(三井住友信託銀行)、自己株式の消却、計画の効力と変更・中止などが定められ、別紙として新会社の定款全文が添付されています。
図3 Ⅰの部「組織再編成に関する手続」「その他の参考情報」等の日付を時系列に並べた。上場承認日は東京証券取引所の新規上場会社情報による
日程を整理すると、2026年3月26日に取締役会で株式移転計画を承認し、3月31日の定時株主総会の基準日を経て、6月10日から会社法の事前備置書類を本店に備え置き、6月25日の定時株主総会で承認を得ています。同日には、普通株主による種類株主総会も開催されています。その後、9月1日にⅠの部を提出し、9月29日に九州電力株式が上場廃止、10月1日に当社の設立登記(効力発生日)と上場という流れです。なお、当社は有価証券届出書(組織再編成・上場)を2026年6月10日に福岡財務支局長に提出し、7月3日と8月3日に訂正届出書を提出しています。
| 日付 | 手続(Ⅰの部の記載) |
|---|---|
| 2026年3月26日(木) | 株式移転計画承認取締役会 |
| 2026年3月31日(火) | 定時株主総会基準日 |
| 2026年6月10日 | 事前備置書類の備置開始、有価証券届出書(組織再編成・上場)を提出 |
| 2026年6月25日(木) | 株式移転計画承認株主総会(定時株主総会・普通株主の種類株主総会) |
| 2026年7月3日・8月3日 | 訂正届出書を提出 |
| 2026年9月1日 | Ⅰの部を提出 |
| 2026年9月29日(火) | 九州電力株式上場廃止日(予定) |
| 2026年10月1日(木) | 当社設立登記日(効力発生日)・当社株式上場日(予定) |
| 2027年4月1日 | 主要子会社株式を当社に移管(予定) |
株主総会の特別決議と種類株主総会
株式移転は、完全子会社となる会社の株主総会の特別決議による承認が必要な組織再編です。九州電力は、6月の定時株主総会に株式移転計画の承認議案を付議しました。九州電力はB種優先株式を発行している種類株式発行会社であるため、普通株主による種類株主総会もあわせて開催しています。株主の議決権行使の方法(当日出席、代理人、郵送、インターネット、議決権の不統一行使)もⅠの部に記載されています。
株式移転計画には、株主総会または種類株主総会で承認が得られなかった場合、成立日までに必要な関係官庁の許認可等が得られなかった場合、計画を中止する場合には計画が効力を失うという定めがあります。また、天災地変その他の事由で財産・経営状態に重大な変動が生じた場合などには、取締役会決議で条件を変更し、または中止できるとされています。上場会社の組織再編では、こうした失効・変更条項を計画に置いておくことが一般的です。
事前備置と反対株主の株式買取請求
九州電力は、会社法第803条第1項及び会社法施行規則第206条に基づき、①株式移転計画、②株式移転比率とその算定根拠、資本金及び準備金の額に関する事項が相当であることを説明した書類、③最終事業年度の末日後に生じた重要な財産の処分、重大な債務の負担その他会社財産の状況に重要な影響を与える事象を記載した書面を、2026年6月10日から本店に備え置いています。
反対株主は、会社法第806条に基づく株式買取請求権を行使できます。そのためには、定時株主総会等に先立って株式移転に反対する旨を九州電力に通知し、かつ総会で反対したうえで、決議の日(2026年6月25日)から2週間以内に行う通知に代わる公告(社債、株式等の振替に関する法律第161条第2項)の日から20日以内に、株式の種類と数を明らかにして請求する必要があります。九州電力は新株予約権を発行していないため、新株予約権の買取請求は該当がありません。
上場廃止と新会社の上場の関係
テクニカル上場の要は、旧会社の上場廃止と新会社の上場の間をどうつなぐかです。本件では、九州電力の株式が2026年9月29日に上場廃止となり、10月1日に株式移転の効力が生じて当社が設立され、同日に当社株式が東証プライム市場と福岡証券取引所に上場する日程です。株主は、基準時(当社が九州電力の発行済株式の全部を取得する時点の直前時)の株主名簿に基づき、九州電力株式1株につき当社株式1株の割当てを受け、自己の振替口座に当社株式が記録されることで受け取ります。
図4 九州電力株式の上場廃止と当社株式の上場の間に、株式移転の効力発生がある。九州電力の株主は振替口座に当社株式が記録されることで当社株式を受け取る。Ⅰの部をもとに作成
テクニカル上場は、上場会社が株式移転や合併などで上場廃止となる場合に、その株主に交付される新会社の株式を引き続き上場させるための取扱いです。通常の新規上場とは審査の取扱いが異なる部分があり、具体的な要件は東京証券取引所の規程やガイドブックで確認する必要があります。どの場合でも、新会社のⅠの部(本件では組織再編成に関する情報を中心とした書類)を提出し、上場承認を得る流れは共通です。上場スケジュールの組み方そのものについては、上場スケジュールはどこで遅れるかで一般的な遅延要因を整理しています。
株式移転比率・株式・資本金はどう決めたのか
株式移転比率は、普通株式・B種優先株式ともに1対1です。九州電力の普通株式1株に対して当社の普通株式1株、B種優先株式1株に対して当社のB種優先株式1株を割り当てます。当社が発行する新株式数(予定)は、2026年3月31日時点の九州電力の発行済株式総数に基づき、普通株式474,183,951株、B種優先株式2,000株です。
算定根拠についてⅠの部は、本株式移転は九州電力単独による株式移転によって完全親会社1社を設立するものであり、株式移転時の九州電力の株主構成と当社の株主構成に変化がないことから、株主に不利益や混乱を与えないことを第一義として1対1とした、と説明しています。そのうえで、単独株式移転のため第三者機関による算定は行わないと明記しています。複数の会社が共同で株式移転を行う場合は比率の公正性が論点になりますが、単独株式移転では株主の持分割合が変わらないため、この説明で足りるという整理です。
図5 普通株式・B種優先株式とも1株につき1株を割り当てる。株式数は2026年3月31日時点の九州電力の発行済株式総数に基づく予定数。Ⅰの部をもとに作成
九州電力が保有する自己株式については、実務上消却可能な範囲の株式(反対株主の株式買取請求により取得する自己株式を含む)を、株式移転の効力発生の直前時までに消却する予定とされています。完全子会社が自己株式を持ったまま株式移転を行うと、その自己株式にも親会社株式が割り当てられ、子会社が親会社株式を保有する状態が生じます。消却によってこれを避ける設計で、当社が交付する新株式数は消却相当数だけ少なくなります。当社は2026年10月1日時点で自己株式を保有していないと記載されています。
また、1単元(100株)未満の当社普通株式の割当てを受ける株主は、その単元未満株式を取引所で売却することはできません。会社法第192条第1項に基づく買取請求、または同法第194条第1項と定款に基づく買増請求で対応することになります。
| 項目 | 2026年10月1日時点の予定 |
|---|---|
| 発行可能株式総数 | 1,000,000,000株(普通株式1,000,000,000株、B種優先株式2,000株) |
| 発行済株式(普通株式) | 474,183,951株(東証プライム・福証、単元株式数100株) |
| 発行済株式(B種優先株式) | 2,000株(非上場、単元株式数1株) |
| 発行済株式総数 | 474,185,951株(474,186千株) |
| 資本金 | 237,304百万円(2,373億486万3,699円) |
| 資本準備金 | 59,326百万円(593億2,621万5,925円) |
| 新株予約権等 | ストックオプション制度・ライツプラン・その他の新株予約権等はいずれも該当なし |
| 自己株式 | 保有しない |
発行可能種類株式総数の合計は1,000,002,000株で、定款の発行可能株式総数1,000,000,000株とは一致しませんが、Ⅰの部では、両者の一致は会社法上要求されておらず、実際に発行できる株式の総数は発行可能株式総数の範囲内であると注記しています。種類株式発行会社で発行可能株式総数を記載する際の論点として参考になります。
資本金と準備金の額
株式移転計画書第5条では、当社の設立時の資本金を2,373億486万3,699円、資本準備金を593億2,621万5,925円、利益準備金を0円と定めています。百万円単位では、九州電力の資本金(2026年3月31日現在237,304百万円)と同じ額です。上場申請会社の概要では、純資産(連結)と総資産(連結)は「未定」と記載されています。
図6 株式移転計画書第5条に定める額。百万円単位では、九州電力の資本金(2026年3月31日現在237,304百万円)と同額になっている。Ⅰの部をもとに作成
業績の推移:統合財務情報をどう読むか
当社は新設会社であるため、Ⅰの部に当社自身の財務情報はありません。「第四部 上場申請会社の特別情報」の最近の財務諸表も、決算期を迎えていないため該当事項はないとされています。その代わりに「第2 統合財務情報」として、組織再編成対象会社である九州電力の主要な連結経営指標等が5期分掲載されています。これらは当社の連結経営指標等に反映されるものと考えられる、という位置づけです。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高(営業収益) | 1,743,310 | 2,221,300 | 2,139,447 | 2,356,833 | 2,247,214 |
| 経常利益 | 32,384 | △86,634 | 238,161 | 194,669 | 207,059 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6,873 | △56,429 | 166,444 | 128,766 | 154,535 |
| 純資産額 | 676,337 | 617,230 | 921,043 | 1,031,280 | 1,225,877 |
| 総資産額 | 5,342,350 | 5,603,678 | 5,727,240 | 5,774,025 | 5,983,340 |
| 自己資本比率(%) | 12.1 | 10.4 | 15.5 | 17.3 | 19.9 |
| 自己資本利益率(%) | 1.1 | △9.2 | 22.6 | 13.6 | 14.1 |
| 営業活動によるCF | 257,811 | 30,504 | 586,084 | 431,880 | 438,745 |
| 投資活動によるCF | △320,879 | △328,874 | △344,320 | △358,869 | △383,738 |
| 従業員数(人) | 21,226 | 21,096 | 21,092 | 21,173 | 21,189 |
表の金額は百万円単位です(九州電力の第98期〜第102期)。売上高(営業収益)は2022年3月期の1兆7,433億円から、2025年3月期には2兆3,568億円に増え、2026年3月期は2兆2,472億円でした。純資産額は2023年3月期の6,172億円から2026年3月期の1兆2,258億円へと約2倍になっています。
図7 Ⅰの部「統合財務情報」に掲載された九州電力の連結経営指標等。当社は新設会社のため自社の財務情報はなく、九州電力の数値が当社の連結経営指標等に反映されるものと考えられると記載されている
利益面では、2023年3月期に経常損失86,634百万円、親会社株主に帰属する当期純損失56,429百万円を計上しています。2024年3月期は経常利益238,161百万円、2025年3月期は194,669百万円、2026年3月期は207,059百万円と、直近3期は黒字です。自己資本比率は2023年3月期の10.4%から2026年3月期の19.9%へ上昇しました。営業活動によるキャッシュ・フローは5期とも収入で、投資活動によるキャッシュ・フローは毎期3,000億円台の支出が続いています。潜在株式は存在しないため、潜在株式調整後1株当たり当期純利益は記載されていません。
図8 2023年3月期は経常損失・当期純損失、2024年3月期以降は黒字。Ⅰの部「統合財務情報」より
プライム市場の実質審査基準には「企業の継続性及び収益性」が含まれますが、テクニカル上場の場合、新会社の継続性・収益性は、実質的には旧会社の実績で説明されることになります。本件でも、当社の実績ではなく九州電力の連結経営指標等が掲載されているのはそのためです。通常のIPOでの考え方はIPO審査の「企業の継続性及び収益性」で解説しています。なお、Ⅰの部では、経営方針・経営環境、MD&A、設備の状況、研究開発活動などについて「当社は新設会社であるため、該当事項はない」としたうえで、九州電力の有価証券報告書(2026年6月24日提出)を参照する書き方をとっています。上場会社の再編では、既存の開示書類を参照先として示すことで、重複を避けつつ情報の所在を明らかにしているわけです。
読みながら、自社の場合はどうなるかが気になっていませんか
いまの状況と、判断に迷っている点をお送りいただければ、公認会計士がどこから手をつけるべきかを整理してお返しします。営業のご連絡を重ねて差し上げることはありません。
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株主構成と株式の引継ぎ:テクニカル上場の「資本政策」
通常のIPO記事であれば、この章では第三者割当、ストックオプション、株式移動、公募・売出しを追いかけます。しかし本件はテクニカル上場で、株主構成は九州電力のものがそのまま当社に移ります。Ⅰの部でも、ストックオプション制度、ライツプラン、その他の新株予約権等はいずれも「該当事項はない」とされています。そのため、ここでは株主構成の見え方と、種類株式・株式報酬・自己株式の引継ぎに焦点を当てます。
大株主の状況は「予想」として記載される
当社は新設会社であるため、Ⅰの部の提出日には株主がいません。そこで大株主の状況は、九州電力の2026年3月31日現在の株主データに基づき、2026年10月1日時点で予想される大株主として記載されています。第1位は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)で65,052千株(13.73%)、第2位は日本カストディ銀行(信託口)で28,045千株(5.92%)、第3位は明治安田生命保険相互会社で20,594千株(4.35%)です。第4位の九栄会(9,511千株、2.01%)は九州電力の従業員持株会と注記されています。上位10名の合計は169,834千株(35.84%)です。
図9 九州電力の2026年3月31日現在の株主データに基づき、当社設立時点で予想される大株主を記載したもの。割合は発行済株式(自己株式を除く)の総数に対する比率。Ⅰの部をもとに作成
所有者別状況も、当社には所有者がいないため、九州電力の2026年3月31日現在の状況が掲載されています。普通株式の株主数は125,355人で、所有株式数の割合は、金融機関38.45%、個人その他28.74%、外国法人等(個人以外)24.71%、その他の法人4.57%、金融商品取引業者2.59%、政府及び地方公共団体0.89%、外国法人等(個人)0.05%です。自己株式は株主名簿上304,961株(実保有残高304,761株)で、株式給付信託(BBT)に係る信託口が保有する7,982単元は「金融機関」に含まれています。
図10 当社は新設会社のため所有者はおらず、Ⅰの部には完全子会社となる九州電力の所有者別状況が掲載されている。株主数の合計は125,355人。割合は所有株式数(単元)ベース
単独株式移転では株主構成が変わらないため、株主の分布は旧会社と同じ姿で新会社に移ります。上場準備会社の場合は、上場時点の流通株式比率を自ら設計する必要があり、役員や主要株主、自己株式などを除いた株式数で計算します。考え方は流通株式比率の計算式と調べ方で整理しています。
B種優先株式も同じ内容で引き継ぐ
九州電力は、カーボンニュートラルへの取組みや成長事業の拡大に向けた早期の資金確保と財務基盤の強化を目的に、会社法第108条第1項第3号に定める議決権のないB種優先株式を発行しています。2026年3月31日現在、B種優先株式2,000株は金融機関3人が保有しています。株式移転では、このB種優先株式1株に対して当社のB種優先株式1株を割り当て、当社定款に「第2章の2 B種優先株式」として同じ内容を定めています。
当社定款によると、B種優先株式の優先配当金は1株につき2,900,000円で、不足額は年率2.9%で1年ごとの複利計算により累積します。残余財産の分配は1株あたり100,000,000円に未払配当金を加えた額で、それを超える分配は行いません。株主総会での議決権はなく、会社法第322条第1項各号の行為について種類株主総会の決議を要しない旨も定めています。さらに、B種優先株主がいつでも金銭を対価として取得を請求できる取得請求権と、取締役会が別に定める日に会社が金銭を対価として取得できる取得条項が付いています。単元株式数は普通株式100株に対してB種優先株式は1株とされ、B種優先株式は上場しません。
図11 九州電力がカーボンニュートラルへの取組みや成長事業の拡大に向けた早期の資金確保と財務基盤の強化を目的に発行したB種優先株式を、同じ内容で当社に引き継ぐ。Ⅰの部をもとに作成
上場準備会社が発行している種類株式は、上場前に普通株式へ転換して消却するのが一般的です(種類株式は上場前に普通株式へ戻すのか)。本件は、上場会社がすでに発行している非上場の優先株式を、持株会社化に伴って新会社に移すケースで、普通株式だけが上場し、優先株式は非上場のまま残る構造になっています。
株式報酬の信託契約と配当政策
九州電力は、取締役を対象とする業績連動型株式報酬制度(株式給付信託(BBT))を導入しており、2018年8月22日付でみずほ信託銀行株式会社等と株式給付信託契約を締結しています。当社は、2026年10月1日付でこの契約上の地位並びに権利及び義務を承継し、九州電力が2026年9月30日までに拠出した金銭と、当社が必要に応じて10月1日以降に拠出する金銭を原資として、当社株式を信託を通じて取得し、取締役に給付する仕組みとしています。2026年3月31日現在、この信託口は九州電力株式798,200株(議決権7,982個)を保有しており、この株式は自己株式等には含まれていません。
配当政策は、安定配当の維持を基本として、当該事業年度の業績に加え、中長期的な収支・財務状況等を総合的に勘案して判断する方針とする予定です。配当は中間配当と期末配当の年2回を基本とし、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会が決定機関となる予定です。基準日は期末配当が3月31日、中間配当が9月30日です。
コーポレート・ガバナンス:新会社でどの水準を構築するか
Ⅰの部のコーポレート・ガバナンスの状況等は、「当社は、いわゆるテクニカル上場により2026年10月1日より東京証券取引所プライム市場及び福岡証券取引所に上場する予定であり、これに伴い、同日までに本株式移転により当社の完全子会社となる九州電力と同水準若しくはそれ以上のコーポレート・ガバナンスを構築していく予定である」という一文から始まります。そのうえで、九州電力のガバナンスの状況が記載されています。
機関設計は監査等委員会設置会社
当社の定款では、株主総会及び取締役のほか、取締役会、監査等委員会、会計監査人を置くと定めています。九州電力も監査等委員会設置会社で、その理由を、急速に変化する経営環境に柔軟かつ迅速に対応するには、ガバナンス強化と意思決定の迅速化の両立が重要と考えたためと説明しています。取締役会から取締役への権限委任による意思決定の迅速化と、監査等委員が取締役会で議決権を持つことによる監督機能の強化を図る、という整理です。
当社の定款でも、会社法第399条の13第6項に基づき、取締役会決議によって重要な業務執行の決定の全部または一部を取締役に委任できる旨を定めています。取締役の員数は13名以内(うち監査等委員である取締役は5名以内)で、九州電力の定款(19名以内)より少ない上限としています。取締役の選任決議は議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その過半数で行い、累積投票によらないこと、任期は監査等委員以外が1年、監査等委員が2年であることも定められています。執行役員制度も定款に置かれ、社長1名のほか副社長、常務などを置くことができます。
図12 定款で取締役会・監査等委員会・会計監査人を置く。設立時取締役は10名(うち監査等委員4名)、設立時会計監査人は有限責任監査法人トーマツ。Ⅰの部をもとに作成
監査役会設置会社と監査等委員会設置会社のどちらを選ぶかは、上場準備会社でもよく議論になります。比較の視点は監査役会設置会社と監査等委員会設置会社はどちらを選ぶ?をご覧ください。
取締役会の構成と社外取締役
2026年10月1日付で就任予定の取締役は10名(男性7名、女性3名、女性比率30%)です。監査等委員以外の取締役は6名で、代表取締役会長の池辺和弘氏、代表取締役 社長執行役員の西山勝氏、代表取締役 副社長執行役員の橋本上氏と早田敦氏、社外取締役の平子裕志氏と渡辺啓子氏です。監査等委員である取締役は4名で、内村芳郎氏(監査等委員会の委員長の予定)と、社外取締役の杉原知佳氏、重富由香氏、小野澤康夫氏です。社外取締役は5名で、取締役の半数を占めます。
このうち渡辺氏と小野澤氏は新任で、ほかの8名は九州電力の現任の取締役です。社外取締役5名についてはいずれも「人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はない」と記載されています。社外取締役に期待する役割の説明には、「基幹会社の経営状況やグループ戦略の遂行状況を監督・モニタリング」するという表現が繰り返し登場します。持株会社の取締役会が、事業会社の経営を監督する立場にあることを意識した書き方です。
図13 淡青は社外取締役。社外取締役の平子氏・杉原氏・重富氏と社内の4名・内村氏は九州電力の現任、渡辺氏・小野澤氏は新任。Ⅰの部をもとに作成
| 氏名 | 役職(予定) | 主な経歴・期待される役割(Ⅰの部より) |
|---|---|---|
| 池辺 和弘 | 代表取締役会長 | 1981年九州電力入社、2018年代表取締役社長執行役員、2025年代表取締役会長 |
| 西山 勝 | 代表取締役 社長執行役員 | 1986年入社、コーポレート戦略部門長等を経て2025年代表取締役社長執行役員 |
| 橋本 上 | 代表取締役 副社長執行役員 | 1984年入社、都市開発事業本部長等を経て2023年代表取締役副社長執行役員 |
| 早田 敦 | 代表取締役 副社長執行役員 | 1985年入社、電気事業連合会出向等を経て2023年代表取締役副社長執行役員 |
| 平子 裕志 | 社外取締役 | 全日本空輸の代表取締役社長等。企業経営と財務・IRの知見 |
| 渡辺 啓子 | 社外取締役(新任) | グローバル企業での経験。内部統制・リスクマネジメント、人材・サプライチェーン |
| 内村 芳郎 | 取締役(監査等委員) | 1985年入社、常務執行役員を経て2024年九州電力の取締役監査等委員 |
| 杉原 知佳 | 社外取締役(監査等委員) | 弁護士。法務全般とグループのガバナンス・リスク管理の監査・監督 |
| 重富 由香 | 社外取締役(監査等委員) | 公認会計士(日本・米国・香港)。財務・会計、グローバルリスク管理 |
| 小野澤 康夫 | 社外取締役(監査等委員、新任) | 三井不動産の代表取締役副社長執行役員等。都市開発関連事業の知見 |
独立性については、九州電力が東京証券取引所及び福岡証券取引所の独立性基準に加えて独自の基準を定めており、当社も同様の考え方で基準を定める予定です。Ⅰの部に記載された基準では、直近3事業年度のいずれかで取引額が相手方または当社の年間連結売上高の2%以上となる取引先、資金調達で代替性がない程度に依存している金融機関等、会計監査人の社員・パートナー、役員報酬以外に過去3年平均で年間1,000万円以上の報酬を得ているコンサルタント等、総議決権の10%以上を保有する主要株主などを独立性がない者として掲げています。該当する場合でも、十分な独立性があると考える者は理由を説明することを条件に独立社外役員とすることができる、としている点も特徴です。ただし、東京証券取引所は2026年7月の上場規則改正(7月10日施行)で独立性基準を広げ、上場会社の主要株主(議決権10%以上)やその業務執行者(最近において該当していた者を含む)等は、2026年12月1日以後に終了する事業年度に係る定時株主総会から独立役員の要件を満たさないこととなりました。主要株主に該当する者は、理由を説明しても取引所の独立役員としては届け出られなくなる点に注意が必要です。社外取締役の人数の考え方は社外取締役は何人必要かで解説しています。
任意の諮問委員会と取締役会の運営(九州電力の例)
九州電力では、取締役会の諮問機関として、社外取締役を委員長とし構成員の過半数が社外取締役である人事諮問委員会と報酬諮問委員会を設置しています。構成は委員長の橘・フクシマ・咲江氏、委員の平子裕志氏、杉原知佳氏、西山勝氏で、2025年度は人事諮問委員会が3回、報酬諮問委員会が5回開催されました。監査等委員がオブザーバーとして参加し、審議の適切性を確認しているほか、監査等委員である取締役候補者については監査等委員会から事前に同意を得ることとしています。
取締役会は原則として毎月1回開催され、2025年度は15回でした。経営会議は原則として毎週1回で2025年度は28回、監査等委員会は原則として毎月1回で2025年度は16回です。取締役会の意思決定・監督機能の有効性について、取締役会構成メンバーによる評価も行っています。
| 氏名(2025年度の地位) | 取締役会 | 人事諮問委員会 | 報酬諮問委員会 |
|---|---|---|---|
| 池辺 和弘(代表取締役会長) | 15回/15回 | ― | 1回/1回 |
| 西山 勝(代表取締役社長執行役員) | 15回/15回 | 3回/3回 | 4回/4回 |
| 橘・フクシマ・咲江(社外) | 15回/15回 | 3回/3回 | 5回/5回 |
| 平子 裕志(社外) | 15回/15回 | 3回/3回 | 5回/5回 |
| 杉原 知佳(社外・監査等委員) | 15回/15回 | 3回/3回 | 5回/5回 |
| 内村 芳郎(監査等委員) | 15回/15回 | ― | ― |
役員報酬:設立直後の報酬枠を旧会社の総会で決める
新設会社の役員報酬は、誰がどの段階で決めるのかという実務的な問題があります。本件では、当社の設立の日から最初の定時株主総会終結の時までの報酬等を、株式移転計画の別紙である定款の付則に定め、2026年6月25日の九州電力の定時株主総会で承認を得ています。監査等委員以外の取締役の基本報酬(固定報酬)は年額350百万円以内(うち社外取締役分の月例報酬のみ4千万円以内)、監査等委員である取締役の報酬等は年額80百万円以内です。これとは別枠で、業績連動型株式報酬(BBT)の算定方法も付則に定めています。付則は最初の定時株主総会終結の時に削除されます。
株式報酬では、取締役に各事業年度の役職位に応じたポイントと、対象期間の業績目標の達成度に応じたポイントが付与され、対象期間当たりの合計は27万ポイントが上限です。1ポイントは当社普通株式1株に換算され、原則として退任後に給付されます。在任中の非違行為などがあった場合は給付を受ける権利を取得できないことがあるとされています。報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針は「今後策定する予定」です。
図14 当社の設立日から最初の定時株主総会終結までの報酬等は、九州電力の定時株主総会で承認された株式移転計画(定款付則)で定めた。決定方針は今後策定する予定。Ⅰの部をもとに作成
内部監査・内部統制:グループをどう見るか
当社の内部監査、監査等委員会監査、会計監査の状況は、いずれも「当社は新設会社であるため、該当事項はない」とされ、九州電力の状況が記載されています。ただし、社外取締役による監督と内部監査等との相互連携の項目では、当社の監査等委員会が内部監査組織(経営監査室)及び会計監査人と定期的な打合せや随時の情報交換を行い、必要に応じて内部統制を担当する部門等から報告を受け、相互に連携しながら監査・監督を行う予定と書かれています。特に経営監査室との日常的な連携を重視し、適宜互いの監査内容を報告するなど積極的な連携に努めるとしています。
経営監査室19名とデュアルレポーティング(九州電力の例)
九州電力は、業務運営の適正性と経営効率の向上等を図るため、業務執行に対し中立性を持った内部監査組織として経営監査室(人員19名)を設置しています。各部門・事業所における法令等の遵守や保安活動に係る品質保証体制、業務執行の状況等を監査し、2024年には第三者機関による外部評価を受けています。
内部監査の実効性を確保するため、監査結果を取締役会と監査等委員会へ直接報告する仕組み(デュアルレポーティング)を設けています。2025年度は、内部監査計画を取締役会・監査等委員会とも4月に、内部監査結果を取締役会に10月と3月、監査等委員会に10月・2月・3月に、財務報告に係る内部統制の評価状況を取締役会に6月、監査等委員会に5月に報告しました。監査等委員には、これらの会議体以外にも事業所等への内部監査結果を定期的に報告しています。原子力事業については、原子力に特化した内部監査組織として原子力監査室(人員10名)を設置しています。
図15 経営監査室(19名)は内部監査結果を取締役会と監査等委員会の双方に直接報告する。表は2025年度の報告時期。原子力事業は原子力監査室(10名)が監査する。Ⅰの部をもとに作成
上場準備会社では、内部監査担当が社長直轄で1〜2名という体制から始まることが多く、報告先が社長だけでよいかという論点がよく出ます。本件のように、取締役会と監査等委員会の双方に直接報告する仕組みは、内部監査の独立性を担保する方法の一つです。詳しくは内部監査の報告先は社長だけでよいのかと内部監査の人数と体制をご覧ください。
監査等委員会の監査と三様監査
九州電力の監査等委員会は、社外取締役3名を含む4名で構成され、うち1名(公認会計士)が財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。2025年度は16回開催され、4名とも16回すべてに出席しました。各監査等委員は取締役会などの重要な会議への出席、各統括本部等へのヒアリング、事業所実査、経営層との意見交換を通じて監査を行い、常勤の監査等委員は経営会議等への出席や内部監査部門・会計監査人との緊密な連携に加え、連結子会社各社の監査役を対象にした連絡会を開催しています。
監査の基本的な視点は、法令・定款等の遵守、内部統制システムの適正な整備・運用、経営層の意思決定の合理性とリスクへの迅速・的確な対処の3つで、2025年度は「安全、法令遵守に加え、技術・ノウハウの継承と変革の視点に立った取組み状況」を重点的に監査したと記載されています。監査等委員会の職務を補助するため、監査等特命役員と専任組織の監査等委員会室(合計12名)を置き、その人事は監査等委員会と事前に協議することで、業務執行部門からの独立性を確保しています。内部監査組織、監査等委員会、会計監査人の三者は、監査計画の立案や監査結果の報告などで緊密に連携しているとされています。
図16 当社の監査等委員会は、内部監査組織(経営監査室)・会計監査人と定期的な打合せや随時の情報交換を行い、特に経営監査室との日常的な連携を重視する予定。Ⅰの部をもとに作成
三様監査の連携は、上場審査でも運用実績を確認されるポイントです。会議体の頻度や報告内容を記録として残しておくことが大切です。監査役監査・内部監査・会計監査(三様監査)もあわせてご覧ください。
内部統制の基本方針とグループ管理
九州電力は「会社業務の適正を確保するための体制の整備について(内部統制の基本方針)」(2024年3月28日最終改定)を定めています。取締役の職務執行の法令等への適合、情報の保存・管理、リスク管理、職務執行の効率性、従業員の職務執行の法令等への適合、企業グループにおける業務の適正、監査等委員会の職務執行の実効性の7項目です。
運用面では、社長執行役員を委員長とし社外の有識者等を含めた「コンプライアンス委員会」を置き、各本部等に「コンプライアンス責任者」を設置しています。「コンプライアンス小委員会」では、2025年度に行為規制特別会議を2回、独占禁止法関連を1回開催し、行為規制及び独占禁止法に係る事業活動全般の適切性の評価や改善策の提言を行っています。社内・社外の「コンプライアンス相談窓口」に加え、一般送配電事業の中立性確保(行為規制)に関する「行為規制担当窓口」も設けています。財務報告の信頼性確保については、社長執行役員を委員長とし経営幹部で構成する「財務報告開示委員会」を設置しています。
グループ管理では、グループ会社にリスク等への対応策を織り込んだ事業計画の策定や実績の報告を求め、経営に重大な影響を及ぼすおそれのある事項はグループ会社と事前協議を行います。「九電グループ社長会」をはじめとする会議体で情報連携を図り、内部監査組織がグループ会社の監査を行っています。持株会社体制に移行した後は、こうしたグループ管理の仕組みを当社が担うことになります。内部通報制度の整備状況は上場審査でも確認されるため、内部通報体制は上場審査でどこまで見られるかも参考にしてください。
会計・開示の論点
Ⅰの部の「第5 経理の状況」は、「当社は新設会社であるため、該当事項はない」とされ、九州電力の有価証券報告書を参照する形になっています。したがって、当社の会計方針や注記はⅠの部からは読み取れません。そのうえで、持株会社化に伴う会計の論点を一般論として整理しておきます。
単独株式移転は、企業結合に関する会計基準上、共通支配下の取引等として扱われるのが一般的です。株式移転設立完全親会社の連結財務諸表は、完全子会社の連結財務諸表を実質的に引き継ぐ形となり、資産・負債の時価評価やのれんの計上は生じません。親会社の個別財務諸表では、子会社株式の取得原価を、株式移転日の前日における完全子会社の適正な帳簿価額による株主資本の額に基づいて算定します。そのうえで、増加する資本のうち資本金と資本準備金は株式移転計画で定めた額となります。本件の株式移転計画で資本金・資本準備金・利益準備金の額が具体的に定められているのは、この点と対応しています。
図17 企業結合に関する会計基準・同適用指針に基づく一般的な考え方を整理したもの。当社のⅠの部には新設会社のため会計方針の記載はなく、具体的な処理は当社の今後の開示で確認する必要がある
開示面では、当社は株式移転計画に係る取締役会決議日(2026年3月26日)から本報告書提出日までの間に、有価証券届出書(組織再編成・上場)と訂正届出書を提出しています。九州電力は、第102期の有価証券報告書を2026年6月24日に、株主総会の決議結果に関する臨時報告書を2026年6月29日に提出しています。会計監査人については、新設会社のため監査報酬等は該当事項はないとされ、有限責任監査法人トーマツを当社の会計監査人として選定する予定と記載されています。トーマツは株式移転計画で設立時会計監査人として定められています。
| 提出者 | 書類 | 提出日・提出先 |
|---|---|---|
| 当社 | 有価証券届出書(組織再編成・上場) | 2026年6月10日 福岡財務支局長 |
| 当社 | 訂正届出書 | 2026年7月3日・8月3日 福岡財務支局長 |
| 九州電力 | 有価証券報告書(第102期) | 2026年6月24日 関東財務局長 |
| 九州電力 | 臨時報告書(株主総会の決議結果) | 2026年6月29日 関東財務局長 |
| 当社 | 新規上場のための有価証券報告書(Ⅰの部) | 2026年9月1日 東京証券取引所 |
政策保有株式についても、九州電力の保有方針が記載されています。上場している政策保有株式は、事業戦略や地域共生などの関係を総合的に勘案することに加え、資本コスト等を踏まえた収益性や将来の見通しも検証したうえで、保有意義を取締役会で毎年確認し、保有意義が十分でないものは売却し、保有意義が認められたものも可能な限り売却を進めるとしています。2026年3月31日現在、非上場株式は128銘柄・65,347百万円、非上場株式以外の株式は2銘柄・194百万円です。上場後の開示体制の整備についてはIPOの適時開示体制もご覧ください。
事業等のリスクと審査で問われやすい点
事業等のリスクは、当社の設立後は九州電力の事業等のリスクが当社グループの事業等のリスクとなり得ることが想定されるとして、九州電力の判断に基づくリスクが記載されています。冒頭でリスクマネジメント体制とプロセスを説明し、九州電力のリスク管理に関する規程に基づき毎年リスクの抽出・分類・評価を行い、重要なリスクへの対応策を事業計画に織り込み、業務執行に対して中立性を持った内部監査部門が各部門やグループ会社のリスクマネジメントの実施状況を監査しているとしています。
主なリスクは、(1)競争環境等の変化、(2)原子力発電を取り巻く環境、(3)市場価格の変動、(4)電気事業関係の制度変更等、(5)気候変動に関する取組み、(6)設備事故・故障、システム障害など、(7)オペレーショナルリスクの7分類で、2026年2月に発生した中東危機の影響は「(参考)地政学リスクの高まり」に再掲されています。
図18 当社の設立後は、九州電力の事業等のリスクが当社グループのリスクとなり得ることが想定されるとして、九州電力の判断に基づくリスクを記載している。Ⅰの部をもとに作成
数値が示されているものとしては、原子燃料サイクル事業の実施主体である日本原燃株式会社に対する2026年3月末時点の保証債務779億円、2026年3月末時点の有利子負債残高3兆6,970億円(総資産の62%に相当)があります。有利子負債残高の97%を占める社債や長期借入金の大部分を固定金利で調達していることで、金利変動の影響を限定化していると説明しています。中東危機については、九州電力は同地域から燃料を調達しておらず影響は限定的であること、アラブ首長国連邦に派遣している従業員と帯同家族全員の国外退避を含む対応を実施したことが記載されています。
法令違反等のリスクでは、九州電力と九電みらいエナジーが2023年3月に公正取引委員会から独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)違反として排除措置命令及び課徴金納付命令(九電みらいエナジーは排除措置命令のみ)を受け、同年7月に経済産業大臣から電気事業法に基づく業務改善命令を受けたこと、公正取引委員会の命令については同年9月29日に取消訴訟を提起し係争中であることが記載されています。また、九州電力送配電と九州電力での行為規制に係る情報漏洩及び不正閲覧による2023年4月の業務改善命令と同年6月の個人情報保護委員会の指導等、2026年5月の九州電力送配電での外部記憶媒体の所在不明事案も記載されています。
上場審査では、過去の行政処分や係争案件について、事実関係、再発防止策、その運用状況を説明できるかが問われます。本件でも、業務改善計画に基づく再発防止の取組みや、コンプライアンス小委員会での行為規制・独占禁止法に係る評価が併せて記載されています。プライム市場の実質審査基準の全体像はIPOの実質審査基準とはで整理しています。
上場準備会社が学べること
キューデンホールディングスのⅠの部は、通常のIPOとは目的も構成も異なりますが、上場準備会社や将来の持株会社化を検討する会社にとって、次のような示唆があります。
| 論点 | このケースの記載 | 実務上の示唆 |
|---|---|---|
| 手続の順序 | 取締役会決議→総会・種類株主総会→上場廃止→設立登記・上場 | 組織再編と上場の日程は、総会の基準日から逆算して組む |
| 比率の説明 | 株主構成が変わらないため1対1、第三者算定なし | 算定を行わない場合も、その理由を株主目線で説明する |
| 自己株式 | 効力発生の直前時までに消却 | 子会社が親会社株式を持つ状態を事前に避ける |
| 種類株式 | B種優先株式を同じ内容で新会社に引き継ぐ | 普通株式以外の株式の扱いを定款・計画で明確にする |
| 報酬と契約 | 報酬枠を旧会社の総会で承認、信託契約の地位を承継 | 新設会社の「空白期間」を作らない |
| ガバナンス | 九州電力と同水準以上を構築、新任社外取締役2名 | 持株会社の取締役会は事業会社の監督に軸足を置く |
| 内部監査 | 経営監査室19名、デュアルレポーティング、外部評価 | 報告ラインと連携の記録を整える |
| 開示 | 新設会社の項目は九州電力の有報を参照 | 既存の開示との関係を明示して重複を避ける |
1つ目は、組織再編と上場手続の日程設計です。取締役会決議、基準日、事前備置、株主総会、上場廃止、効力発生日、上場日が一続きの日程として示されており、どれか一つがずれると全体に影響することが分かります。2つ目は、比率の説明の仕方です。単独株式移転で第三者算定を行わない理由を、株主に不利益や混乱を与えないことを第一義としたと説明しています。3つ目は、自己株式の消却や単元未満株式の扱いなど、株主に関わる細かな手当てを計画段階で定めていることです。
4つ目は、種類株式・株式報酬・信託契約など、旧会社が結んでいる契約や発行している株式を新会社にどう移すかを、株式移転計画と定款付則で一つずつ手当てしている点です。5つ目は、新設会社であっても、役員報酬の枠、会計監査人、株主名簿管理人を設立時点で決めておく必要があることです。6つ目は、新会社のガバナンス水準を「旧会社と同水準若しくはそれ以上」と位置づけ、新任の社外取締役を加えている点です。7つ目は、内部監査のデュアルレポーティングや外部評価といった運用面の工夫で、規模にかかわらず参考にできます。
- 組織再編を伴う場合、取締役会決議から効力発生日・上場日までの日程を基準日から逆算して作成しているか
- 株式の割当比率やその算定方法について、株主に説明できる根拠を整理しているか
- 自己株式・種類株式・新株予約権など、普通株式以外の権利の扱いを計画と定款で明確にしているか
- 役員報酬の枠や株式報酬の制度、信託契約などを新しい会社でどう引き継ぐか決めているか
- 取締役会・監査等委員会(監査役会)・内部監査・会計監査人の連携の仕組みと記録を整えているか
- 過去の行政処分や係争案件について、事実関係と再発防止策を説明できる状態にしているか
よくある質問
通常のIPOは未上場会社が公募・売出しを伴って上場するのに対し、テクニカル上場は上場会社が株式移転などで上場廃止となる際に、株主に交付される新会社の株式を引き続き上場させるものです。キューデンホールディングスのⅠの部も、冒頭に「組織再編成に関する情報」が置かれ、財務情報は完全子会社となる九州電力の連結経営指標等で示されています。
Ⅰの部では、九州電力単独による株式移転で株主構成に変化がないことから、株主に不利益や混乱を与えないことを第一義として1対1とし、第三者機関による算定は行わないと説明しています。株主の持分割合が変わらないため、比率の公正性が問題になりにくいという整理です。
一般に、単独株式移転は共通支配下の取引等として会計処理され、連結財務諸表は完全子会社の連結財務諸表を実質的に引き継ぐ形になるため、のれんは生じません。なお、キューデンホールディングスのⅠの部には新設会社のため会計方針の記載はなく、具体的な処理は今後の開示で確認する必要があります。
上場前の持株会社化では、グループの資本関係や親会社との関係、内部監査や子会社管理の体制が審査で確認されます。どの会社を上場申請会社とするか、子会社の管理規程や報告ルールをどう整えるかを、主幹事証券や監査法人と早めに相談することをおすすめします。
最初の一歩は、組織再編と上場の日程表を1枚にすることです
持株会社化や組織再編を上場準備と並行して進める場合、まず取締役会決議、株主総会の基準日、事前備置、総会、効力発生日、上場日を1枚の日程表に並べてみてください。本件のⅠの部に記載された日程は、その良い見本になります。日程を並べると、どの書類をいつまでに準備し、誰の承認が必要かが見えてきます。上場準備全体の流れはIPO準備の全体像(N-3期〜N期)も参考になります。
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キューデンホールディングスのⅠの部と比べる 上場準備ギャップ診断シート(Excel)
キューデンホールディングスの機関設計・内部監査・会計・資本政策の24論点を、自社の状況と並べて点検できます。申請期の期末日を入れると上場までの逆算表も作れます。
まとめ
キューデンホールディングスは、九州電力の単独株式移転により2026年10月1日に設立され、同日に東証プライム市場と福岡証券取引所に上場した持株会社です。Ⅰの部からは、全体最適視点でのグループ経営と自律的かつ迅速な事業運営を目的とした持株会社化の考え方、2026年3月の取締役会決議から6月の株主総会、9月の上場廃止、10月の設立・上場、2027年4月の子会社株式移管までの2段階の手順、1対1の株式移転比率と第三者算定を行わない理由、資本金・準備金の定め方、B種優先株式や株式報酬の信託契約の承継を具体的に読み取ることができます。
ガバナンス面では、監査等委員会設置会社の機関設計を引き継ぎ、社外取締役5名を含む10名の取締役会で、九州電力と同水準以上のガバナンスを構築する方針が示されています。内部監査のデュアルレポーティングや三様監査の連携、内部統制の基本方針に基づくグループ管理など、上場準備会社にとっても参考になる仕組みが多く記載されています。組織再編を検討している方は、本記事のチェックリストを使って、自社の手続と体制を確認してみてください。
ショートレビュー、資本政策、機関設計、内部監査・内部統制、会計方針と開示、Ⅰの部の作成、審査対応まで、上場準備の実務を公認会計士が支援します。
公認会計士としての実務歴は13年以上、独立後は20社を超える支援に関与しています。労働者派遣事業と有料職業紹介事業の許可申請にかかる監査証明と合意された手続業務に対応しています。優成監査法人(現・太陽有限責任監査法人)で上場企業および上場準備企業の監査に従事し、太陽グラントソントン・アドバイザーズで財務デューデリジェンスと企業価値評価に携わりました。プロフィールを見る
本記事の根拠
免責:本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別案件に対する法務、会計、税務その他の専門的助言を構成するものではありません。実際の対応は、最新の法令・取引所規則・公表資料を確認し、必要に応じて専門家へご相談ください。
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