IPO審査の「事業計画の合理性」とは?グロース市場の2つの基準と予算統制の実務を解説

東証の上場審査では、プライム市場とスタンダード市場に「企業の継続性及び収益性」という基準が置かれています。ところが、グロース市場にはこの基準がありません。代わりに置かれているのが「事業計画の合理性」です。

赤字のまま上場できるのがグロース市場の特徴ですが、それは「計画を問わない」という意味ではありません。むしろ、利益の実績で示せない分だけ、計画の作り方と、その計画を実行できる裏づけが正面から審査されます。

この記事では、有価証券上場規程第219条第1項第4号の「事業計画の合理性」が何を求めているのかを2つの基準に分けて整理したうえで、3市場に共通して審査される予算統制・予実管理の実務までを解説します。

事業計画の合理性を示せるか事業計画の作り方を確かめる計画の前提を資料で説明できないか根拠となる資料を用意するはいいいえ予算と実績の差異を分析していないか予算統制の仕組みを作るはいいいえ計画の達成度が低い状態が続くか前提の見直しと説明を用意するはいいいえ計画の作成と検証の手続を整える

図 事業計画の合理性の確認

「事業計画の合理性」はグロース市場だけに置かれた基準

東証の上場審査(実質審査基準)は、市場ごとに5つの適格要件で構成されています。プライム市場は有価証券上場規程第213条第1項、スタンダード市場は同第207条第1項、グロース市場は同第219条第1項がそれぞれの根拠です。

5項目という数は3市場とも同じですが、中身は同一ではありません。プライム市場とスタンダード市場の1号は「企業の継続性及び収益性」で、継続的に事業を営み、安定的な収益基盤を有していることが問われます。一方、グロース市場の1号は「企業内容、リスク情報等の開示の適切性」であり、収益性を問う基準はどこにもありません。その代わり、4号に「事業計画の合理性」が置かれています。

実質審査基準の5項目:プライム・スタンダードとグロースの違い プライム・スタンダード グロース 1 企業の継続性及び収益性 2 企業経営の健全性 3 ガバナンス・内部管理体制の有効性 4 企業内容等の開示の適正性 5 その他公益又は投資者保護 1 企業内容、リスク情報等の開示の適切性 2 企業経営の健全性 3 ガバナンス・内部管理体制の有効性 4 事業計画の合理性 5 その他公益又は投資者保護 グロースには「企業の継続性及び収益性」がなく、代わりに「事業計画の合理性」が置かれています

図1 3市場の実質審査基準の並び。項目数は同じでも、1号と4号の中身が入れ替わっています。

この違いは、市場のコンセプトの違いをそのまま反映したものです。プライム市場・スタンダード市場は実績としての収益基盤を見るのに対し、グロース市場は「高い成長可能性を実現するための事業計画」を持つ企業を受け入れる市場だからです。どの市場を選ぶかによって審査で問われる中身が変わる点は、市場区分とは?東証プライム・スタンダード・グロースの違いとIPOでの選び方もあわせてご確認ください。

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「事業計画の合理性」を構成する2つの基準

規程第219条第1項第4号の内容は、東証が「相応に合理的な事業計画を策定しており、当該事業計画を遂行するために必要な事業基盤を整備していること又は整備する合理的な見込みのあること」と整理しています。上場審査等に関するガイドラインでは、これを2つの基準に分けています。

基準 内容 審査で確認される主なポイント
基準①
事業計画の策定
事業計画が、そのビジネスモデル、事業環境、リスク要因等を踏まえて、適切に策定されていると認められること 自社の強み・弱み、業界環境や競合の状況、市場の規模と成長度合い、需要動向、主要な取引先、法的規制などが計画に反映されているか。各計画どうしが整合しているか。
基準②
事業基盤の整備
事業計画を遂行するために必要な事業基盤が整備されていると認められること、又は整備される合理的な見込みがあると認められること 営業・研究開発などの人的資源、事業拠点や設備などの物的資源、投資資金などの金銭資源が、審査時点の状況又は上場後の見込みから確保できるか。

ここで押さえておきたいのは、東証が求めているのが「精緻な計画」ではなく「相応に合理的な計画」だという点です。将来の数字が結果として当たるかどうかを審査しているのではなく、その数字がどのような前提と手続から導かれたのかを見ています。

基準① 事業計画は「何を踏まえて」作るのか

考慮すべき諸要素を計画に織り込む

東証は、申請会社が事業展開に際して考慮すべき様々な要素を事業計画に適切に反映させているかを中心に確認するとしています。具体的には、次のような要素が挙げられています。

  • 自社のビジネスモデルの特徴(強みと弱みの両方)
  • 業界環境の現状と展望、競合他社の動き
  • 対象市場の規模や成長度合い
  • 製商品・サービスの需要動向
  • 原材料市場等の動向
  • 主要な取引先の状況
  • 法的規制の状況

実務でつまずきやすいのは「弱み」の扱いです。上場申請資料は投資家に向けた説明資料でもあるため、どうしても強みを並べたくなります。しかし、弱みや制約条件が計画に織り込まれていない事業計画は、前提が甘いと評価されます。成長戦略と具体的な施策を、そのコストと効果を含めて計画に落とし込めているかが分かれ目になります。

各計画が整合していること

もう一つの確認点が、計画どうしの整合性です。利益計画、販売計画、仕入・生産計画、設備投資計画、人員計画、資金計画といった各計画が互いに矛盾していないか、そして全体として高い成長を実現するための計画になっているかが確認されます。

事業計画は各計画が整合していることが求められる 成長戦略と具体的な施策(コスト・効果を含む) 販売計画 市場・競合・需要 仕入・生産計画 原材料市場の動向 設備投資計画 拠点・設備の増強 人員計画 採用と定着 資金計画 調達と資金繰り 利益計画(各計画と整合していること) 審査は短期的な計画の達成・進捗状況を確認する趣旨ではありません

図2 販売・仕入・設備投資・人員・資金の各計画が、成長戦略と利益計画の間で整合しているかが確認されます。

売上だけが急拡大し、それを支える人員計画や設備投資計画、そして資金計画が伴っていない事業計画は、審査で必ず論点になります。売上を2倍にする計画なのに採用計画が横ばい、という組み合わせは、どちらかの前提が誤っていることを示しています。

基準② 事業基盤は「今なくてもよい」が説明は必要

基準②では、事業計画を遂行するために当面必要となる経営資源が確保できているかが確認されます。営業人員や研究・開発人員などの人的資源、事業拠点や設備などの物的資源、投資資金などの金銭資源が対象です。

重要なのは、審査時点で整備が十分でなくても直ちに不適格とはならない点です。東証は「整備される合理的な見込み」があるかどうかも判断対象としています。ただし、その見込みの説明のしかたには線引きがあります。

区分 取扱い
合理的な見込みがあると扱われる例 今後の事業拡大に合わせて上場時の調達資金を用いて設備投資を行う具体的な計画があるとき。合理的な人員確保の計画があるとき。
合理的な見込みが認められない場合 将来における整備の見込みに極端に依存する場合。審査時点において事業基盤が整備されていない理由を合理的に説明できない場合。

言い換えると、「上場して資金が入れば何とかなる」という説明は通りません。調達資金の使途と投資回収計画をセットで示し、いつ・どの資源を・どの規模で整備するのかを具体的に説明できる状態にしておく必要があります。事業基盤の整備は上場申請の直前に始めても間に合わないため、IPO準備の全体像とは?上場までのスケジュール(N-3期〜N期)と各期にやるべきことを徹底解説で示したN-2期あたりから計画的に進めることになります。

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上場時点で赤字を計上する計画の場合

グロース市場では短期的な黒字化の実現は求められていません。ただし、上場時点で赤字を計上する計画である場合には、東証は事業計画の合理性について追加的な観点からも確認を行うとしています。新規上場ガイドブック(グロース市場編)では、次のような観点が示されています。

計画 確認される観点
販売計画(売上) 販売実績に乏しい場合、販売先の確保の見通しがあるか。市場規模・シェア・競合状況と自社の製商品等の特徴から販売計画を合理的に説明できるか。今後の販売拡大が過去実績を大きく上回る計画であれば、その要因を説明できるか。販売パートナーとの契約締結や許認可の取得など、計画の前提となる事象が整っている(又はその見込みがある)ことを説明できるか。
投資計画(費用) 人件費や広告宣伝費など損益計算書に計上される投資も含め、投資によって見込まれる効果を計画に織り込んでいる場合、その効果は合理的に見積もられているか。投資の期間について、投資方針の変更や投資継続の判断に係る考え方を踏まえて説明できるか。投資を急激に縮小・変更する予定がある場合、その影響を説明できるか。
資金計画 上場時の調達資金の比重が大きい場合、調達額が想定を下回った際のバックアッププランや、事業計画の変更・縮小について、その影響を含めて十分な検討が行われているか。

赤字計画で目立つのは、投資効果の見積りが「投資すれば伸びる」という水準にとどまっているケースです。広告宣伝費をいくら投じると顧客が何件増え、そのうち何件が継続するのか。この単位で説明できるかどうかが、計画の合理性の実質的な分かれ目になります。

予算統制・予実管理は3市場すべてで審査される

「事業計画の合理性」はグロース市場固有の基準ですが、予算統制と予実管理は市場を問わず審査されます。根拠となるのは実質審査基準の3号「企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性」(プライム市場は規程第213条第1項第3号、スタンダード市場は同第207条第1項第3号、グロース市場は同第219条第1項第3号)です。

東証はこの基準に基づく審査の重要項目として、経営管理組織・社内諸規則の整備、経理事務、予算統制、内部監査等の内部統制の運用状況を挙げています。予算統制はガバナンス審査の柱の一つに位置づけられている、ということです。社内規程や職務分掌との関係については別稿で扱いますが、規程で定めた予算編成プロセスが実際に回っているかまでが確認対象になります。

東証が予算統制で見る4つのポイント

予算統制で東証が確認する4つのポイント 1 予算の編成 組織的かつ合理的な 策定プロセスか 2 予算の単位 年次・四半期・月次 セグメント・部門別 3 予実差異の分析 差異の把握と分析が 適切に行われているか 4 経営と開示への反映 将来予測情報の修正 次期の事業活動と予算 予算と実績の大幅な乖離が恒常化している場合、策定プロセスが詳細に確認されます 予算が実質的な営業目標になっていないかが問われます

図3 予算の編成から予実差異の分析、経営判断と開示への反映までが一連の流れとして確認されます。

予算の作成単位と質

東証はまず、各種の予算が企業グループの事業実態に応じて適切な期間・単位で作成されているかを確認します。期間は年次・半期・四半期・月次の別、単位は事業の種類別セグメント、事業部門、取扱製商品ごとといった区分が例示されています。全社の年次予算しかない状態では、実態に応じた作成とは評価されにくいということです。

あわせて、その予算が上場後において投資者に公表するに足る情報として質的にも有効なレベルのものとなっているかも検討されます。社内向けの目標値と、投資家に示す業績見通しは、同じ土台の上に乗っていなければなりません。

予実差異の分析と、その後への反映

予算の管理状況については、予算と実績の差異に関する分析およびその手続が適切に行われ、適時開示に支障が生じないような体制となっているかが確認されます。さらに、その分析が経営判断の有効な材料となっているか、その後の事業活動や次の予算作成に反映されているかまでが検討対象です。

差異分析表は作っているが取締役会では報告のみで議論されていない、翌期の予算にも反映されていない、という運用は珍しくありません。この状態は「分析はしているが統制になっていない」と評価されます。月次決算の早期化と、取締役会での差異要因の議論、そして次期予算への織り込みまでを一つのサイクルとして設計しておくことが必要です。

予算と実績の乖離が恒常化している場合

新規上場ガイドブックでは、過去数年にわたって期初予算と実績が大幅に乖離する状況が恒常化しているケースについて、東証の考え方が示されています。この場合、策定のプロセスに何らかの問題がある可能性が高いと考えられることから、損益予算や設備計画等の予算体系間の整合性、外部環境の分析状況、各部門との調整状況といった策定プロセスが詳細に確認されます。そして、策定プロセスに問題が生じているなど予算統制が組織的かつ合理的に行われていない場合には、上場審査上の判断は慎重なものとなるとされています。

恒常的に実績が予算を下回るケースについては、予算の統制過程でその実現可能性が十分に検討されず、予算がいわゆる営業目標的なものとなっている例が挙げられています。「達成すべき目標」と「合理的に見込まれる着地」を分けて管理していない会社は、この指摘を受けやすくなります。

申請期の月次業績が計画とずれているとき

上場申請期に入ってから、月次業績の進捗が当初計画と乖離してしまうことがあります。この点について、東証は「事業計画の合理性」の審査が短期的な計画の達成・進捗状況を確認する趣旨ではないことを明確にしています。したがって、足元の月次業績が当初計画と乖離しているという状況だけで「事業計画の合理性」が問題視されることはありません。

ただし、論点が消えるわけではありません。このような状況では、「企業内容の開示の適切性」および「内部管理体制の有効性」の観点から、適時・適切に業績予想などの将来予測情報の修正を行うため、経営環境や月次業績および予実差異について適切に把握・分析できるかが確認されます。乖離そのものより、乖離を把握して開示に反映できる体制があるかが問われる、という構造です。

もっとも、月次業績の進捗が高い成長可能性の前提や事業基盤・事業計画の前提に影響を来たすような場合は別です。東証は、売上比率の大部分を占める取引先との取引関係の解消や、会員積上型ビジネスにおける会員数の大幅減少といった例を挙げ、この場合には「事業計画の合理性」の観点から必要な検討を行うことがあるとしています。

グロース市場では上場後も事業計画の開示が続く

事業計画の合理性が問われるのは審査の場面だけではありません。グロース市場の上場会社は、「事業計画及び成長可能性に関する事項」について、新規上場日に開示することに加え、少なくとも1事業年度に対して1回以上の頻度(うち、事業年度経過後3か月以内に1回以上)で、進捗状況を反映した最新の内容によって開示することが義務づけられています(有価証券上場規程第408条の2、同施行規則第408条)。

つまり、上場審査で説明した事業計画は、上場後も継続的に更新して投資家に示し続けることになります。上場申請の準備段階で作った計画が、社内で使われていない「審査用の資料」になっていると、上場後の定期開示で早々に行き詰まります。上場後に何が求められるかの全体像は、上場後のフォローアップと継続義務とは?適時開示・継続開示・上場維持基準の全体像を解説で整理しています。

なお、東証はグロース市場の上場維持基準のうち時価総額について、現行の「40億円以上(上場10年経過後から適用)」を、2030年3月1日より「100億円以上(上場5年経過後から適用)」に見直すことを公表しています。「事業計画及び成長可能性に関する事項」の作成上の留意事項(2025年12月8日改訂版)でも、上場維持基準への適合を意識した成長戦略の記載が求められる旨が示されています。上場後の計画は、この基準も見据えて設計する必要があります。

準備段階で整えておきたいこと

審査で問われる内容を裏返すと、準備段階で整えるべきことは次のように整理できます。東証はグロース市場の事前チェックリストにおいて、事業計画を策定するための社内体制の状況(担当部署および人員、事務手続の流れ、規程類の整備状況等)を説明するよう求めており、計画そのものだけでなく「計画を作る仕組み」が見られる点に注意が必要です。

  • 事業計画の基礎となるビジネスモデルについて、経済的合理性の観点から十分な検討を行っている
  • 強み・弱み、業界の現状と展望、競合、市場規模、需要動向、法的規制などを踏まえて計画を策定している
  • 事業計画を達成するうえでのリスク要因を合理的に説明できる
  • 計画の遂行に必要な人的・物的・金銭資源が整備されている、又は整備される合理的な見込みを示せる
  • 事業計画の策定を所管する部門と役割分担が定まり、社内規程等で手続が定められている
  • 予算が事業実態に応じた期間・単位で作成され、月次で予実差異を把握・分析できる
  • 差異分析の結果が取締役会に報告され、その後の事業活動と次期予算に反映されている
  • 業績見通しなどの将来予測情報を、修正が必要になった場合に適時・適切に修正できる

これらは経営者個人の頭の中にある見通しではなく、組織として回っている必要があります。東証も、経営者その他個人による観測や思惑のみに依拠することなく組織的に事業計画を策定できる体制を整えているかを、内部管理体制の審査項目として挙げています。しかも、その確認は計画策定時に実際に用いた帳票類に基づいて行われます。会議体の記録や部門からの積み上げ資料が残っていない状態では、体制があることを示せません。

よくある質問

Q. プライム市場・スタンダード市場を目指す場合、事業計画は審査されないのですか。

「事業計画の合理性」という独立した基準はありませんが、「企業の継続性及び収益性」の審査で今後の利益計画が確認されるほか、内部管理体制の有効性の審査で予算統制・予実管理が正面から確認されます。事業計画と予算が問われない市場はありません。

Q. 事業計画は何年分作る必要がありますか。

年数を一律に定めた基準はありません。東証はヒアリングで中長期の事業計画の内容(経営方針、将来の事業展開、今後の成長計画としての具体的な予算数値と策定根拠)を説明するよう求めています。実務上は、上場時の調達資金の使途と投資回収計画を説明できる期間をカバーする形で作成することが一般的です。

Q. 計画未達が続くと上場できないのでしょうか。

未達それ自体で直ちに不適格となるわけではありません。ただし、大幅な乖離が恒常化している場合は予算の策定プロセスが詳細に確認され、予算統制が組織的かつ合理的に行われていないと判断されれば、審査上の判断は慎重なものとなります。乖離の要因を説明でき、次の予算に反映できているかが重要です。

Q. 事業基盤が整っていない状態で申請してもよいのですか。

上場時の調達資金を用いた具体的な設備投資計画や、合理的な人員確保の計画があれば、上場後に整備される合理的な見込みがあるものとして取り扱われます。一方、将来の整備見込みに極端に依存する場合や、現時点で整備されていない理由を合理的に説明できない場合は、認められないことがあります。

Q. 予算はどの単位まで細かく作るべきですか。

会社の事業実態によります。東証は、年次・半期・四半期・月次といった期間の別と、事業の種類別セグメント、事業部門、取扱製商品ごとといった単位を例示しています。自社の管理単位と開示単位が対応するように設計しておくと、上場後の業績開示にもそのまま使えます。

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公認会計士・税理士 鈴木佑也

この記事を書いた人鈴木 佑也(公認会計士・税理士)

公認会計士としての実務歴は13年以上、独立後は20社を超える支援に関与しています。上場申請書類(Ⅰの部・Ⅱの部)の作成支援と内部統制の整備支援を行っています。優成監査法人(現・太陽有限責任監査法人)で上場企業および上場準備企業の監査に従事し、太陽グラントソントン・アドバイザーズで財務デューデリジェンスと企業価値評価に携わりました。プロフィールを見る

まとめ

グロース市場の「事業計画の合理性」は、相応に合理的な事業計画を策定していること(基準①)と、その計画を遂行するために必要な事業基盤を整備していること又は整備する合理的な見込みがあること(基準②)の2つで構成されています。計画の数字が当たるかどうかではなく、前提と手続の合理性が問われる基準です。

そして、予算統制と予実管理は市場を問わず内部管理体制の有効性の審査項目です。予算を組織的に編成し、事業実態に合った単位で管理し、差異を分析して経営判断と開示に反映する。この一連の流れが回っていることが、事業計画を語る前提になります。準備を始める段階から、計画そのものと、計画を作って回す仕組みの両方を整えていくことをおすすめします。

参考:東京証券取引所上場審査基準概要(グロース市場)、上場審査基準概要(プライム市場)、新規上場ガイドブック(グロース市場編)、上場維持基準(グロース市場)、事業計画及び成長可能性に関する事項の開示、有価証券上場規程。本記事は2026年9月時点の公開情報に基づく一般的な解説であり、個別の上場審査における判断を保証するものではありません。

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