※本記事は2026年10月6日時点の公表資料に基づきます。
2026年6月29日、北海道名寄市に本社を置く小売業の株式会社西條(SAIJO Co.,LTD.)が、東京証券取引所のTOKYO PRO Market(以下「TPM」)に上場しました。上場に際して特定投資家向け取得勧誘等(一般市場の公募・売出しに当たる勧誘)は行わず、「発行者情報」を公表しての上場でした。本記事では、JPXの新規上場会社情報に掲載された同社の発行者情報を読み、上場準備の実務で参考になる点を公認会計士の視点で整理します。
結論からいえば、西條のケースは「売上高144億円・創業から約80年の地域小売チェーンが、直前1期の監査と担当J-Adviserの調査を経て、資金調達を伴わずにTPMへ上場した例」です。創業家中心で株主41名の株主構成、生前贈与と役員持株会の解散による上場前の株式移動、社外取締役を置かず社外監査役2名で牽制する機関設計、内部監査担当者2名によるクロス監査、代表者による銀行借入の債務保証、店舗資産の減損の見積りなど、歴史のある非上場会社がTPMを使うときに論点になりやすい項目が具体的に記載されています。
この記事の見出し
西條はどんな会社で、いつTPMに上場したのか
西條は1947年10月に北海道内で創業し、1957年11月に前身の株式会社西條呉服店を設立しました。呉服店として始まり、1973年7月に百貨店法に基づく登録を行って百貨店事業へ転換、1970年代半ば以降は道北エリアにスーパーマーケットやスーパーセンターを展開してきました。現在の法人は、2001年9月に休眠会社であった丸伸株式会社を存続会社とし、旧西條と西厚商事を消滅会社とする吸収合併を行い、商号を株式会社西條に変更したものです。決算期は8月で、上場時点の直前事業年度は第68期(2025年8月期)です。
上場の手続面では、2026年6月1日に新規上場の申請が受け付けられ(同日に発行者情報を公表)、6月15日に上場承認、6月29日に上場しました。担当J-Adviserは宝印刷株式会社です。申請受付から上場承認までは10営業日で、TPMで「原則として上場申請から10営業日後に上場を承認」とされている流れどおりの日程です。申請に先立つ2026年3月17日には臨時株主総会を開き、1単元を100株とする単元株制度の採用と役員の選任を行っています。
図1 発行者情報の記載とJPXの新規上場会社情報(申請受付日・上場承認日・上場日)をもとに作成
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社西條(SAIJO Co.,LTD.)、証券コード591A |
| 市場 | 東京証券取引所 TOKYO PRO Market |
| 上場日 | 2026年6月29日 |
| 上場承認日 | 2026年6月15日 |
| 申請受付日 | 2026年6月1日(発行者情報の公表日) |
| 担当J-Adviser | 宝印刷株式会社 |
| 上場時の開示書類 | 発行者情報(特例110条3項。特定投資家向け取得勧誘等なし) |
| 本店 | 北海道名寄市 |
| 創業・設立 | 1947年10月創業、1957年11月 前身の西條呉服店を設立 |
| 決算期 | 8月(第68期=2025年8月期) |
| 事業 | 小売事業の単一セグメント(総合スーパー、小型スーパー、ホームセンター、スーパーセンター、テナントモール) |
| 従業員 | 116名(臨時486名)、平均年齢41.9歳、平均勤続年数18.4年(2026年2月28日現在) |
| 監査 | 瑞輝監査法人(第68期の財務諸表の監査、第69期中間の期中レビュー) |
従業員は116名で、臨時従業員は1日8時間換算で486名と、正社員の4倍を超える臨時従業員が店舗運営を支える構成です。子会社・関連会社はなく、財務諸表は単体のみです。
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なぜTOKYO PRO Marketを選んだのか
西條の発行者情報には、「上場目的」や「TPMを選んだ理由」を説明する記載はありません。対処すべき課題として、店舗開発、仕入の安定化、ローコストオペレーション、人材確保、コーポレート・ガバナンスの強化の5項目が挙げられていますが、これらを上場と結びつけた説明はなく、本記事では同社の選択理由を推測することは控えます。
一般論として、TPMには一般市場と異なる特徴があります。株主数・流通株式・利益の額などの形式基準(数値基準)がなく、上場時に資金調達を行わない上場も可能です。東証は2026年4月から、新規上場時に「なぜTPMに上場するのか・どう活用するのか」という上場目的を検討・開示するよう要請しています(規程上の義務ではなく「お願い」です)。東証が公表した2026年6月15日時点の集計では、上場目的の上位は社内体制強化・営業力強化・採用力強化で、「増資」を挙げた会社は1割程度にとどまります。
これからTPMを検討する会社は、「何のために上場するのか」を社内で言語化し、上場後に実現状況を評価できる形にしておくことが求められる流れにあります。上場準備の全体像はIPO準備の全体像(N-3期〜N期)も参考にしてください。
TPMの上場の仕組みは一般市場とどう違うのか
TPMは、2008年の金融商品取引法改正で導入された「プロ向け市場制度」に基づく市場で、法令上は「特定取引所金融商品市場」に当たります。株式を買い付けられるのは特定投資家(適格機関投資家など)や一定の要件を満たして特定投資家に移行した個人等で、一般投資家は取引所で買付けができません(保有株式の売却は可能です)。西條の発行者情報の冒頭にも、TPMは特定投資家等を対象とした市場であり、上場会社は高い投資リスクを含んでいる場合がある、という注意事項が置かれています。
上場審査の中心になるのが担当J-Adviserです。TPMには数値の形式基準がない代わりに、担当J-Adviserが「企業としての相応性」「事業の公正・忠実な遂行」「ガバナンス・内部管理体制」「適正な開示を行える体制」「反社会的勢力との関係がないこと等」の5つの上場適格性要件を調査・確認し、「上場適格性に係る宣誓書」を作成します。東証も意向表明の後に面談を行うため、「審査がない市場」ではありません。
図2 JPX「2025 上場ガイドブック TOKYO PRO Market編」等をもとに一般的な流れを整理したもの。形式基準(数値基準)はなく、担当J-Adviserが上場適格性を調査・確認する
西條の発行者情報には、上場適格性要件の「企業としての相応性」に関わる記載として、「上場予定日(2026年6月29日)から12か月間の当社の運転資本は、自己資本により十分に確保されております」という一文があります。上場時に資金調達をしない会社でも、上場後1年間の資金繰りに問題がないことを説明できるようにしておく必要がある、ということです。
開示書類の名称にも注意が必要です。上場に際して特定投資家向け取得勧誘等を行う会社は「特定証券情報」を公表しますが、西條は勧誘を行わないため、特例110条3項により「発行者情報に相当する情報」を公表しています。表紙の書類名が「発行者情報」になっているのはこのためです。上場後は、年次と中間の発行者情報を各期末後3か月以内に公表します。これらは一般市場の有価証券報告書・半期報告書とは別の書類です。
図3 金融商品取引法27条の31と、発行者情報表紙の「取引所金融商品市場等に関する事項」の記載をもとに作成
監査についても一般市場と違いがあります。TPMの新規上場で求められる監査期間は「最近1年間」です。西條は第68期(2025年8月期)の財務諸表について瑞輝監査法人の監査を受け、第69期の中間財務諸表について期中レビューを受けています。主要な経営指標の注記では「第66期及び第67期の財務諸表については、当該監査を受けておりません」と明記しています。一般市場の新規上場では直前2期の監査が求められるため、監査法人と契約する時期の考え方が変わります(監査法人はいつまでに決めるか)。
一般市場(グロース・スタンダード)との比較
| 項目 | TOKYO PRO Market | 一般市場(グロース・スタンダード) |
|---|---|---|
| 買付けができる投資家 | 特定投資家等(一般投資家は買付け不可、売却は可能) | 一般投資家を含む |
| 形式基準 | なし(数値基準がない) | 株主数・流通株式等の形式基準あり |
| 上場適格性の調査 | 担当J-Adviserが調査・確認、東証が面談 | 東証の上場審査 |
| 申請から承認まで | 原則として申請から10営業日後に承認 | 一般市場の審査日程による |
| 新規上場時の監査期間 | 最近1年間 | 直前2期 |
| 開示書類 | 特定証券情報・発行者情報 | 有価証券届出書・有価証券報告書等 |
| 四半期開示 | 任意 | 四半期決算短信(取引所規則) |
| 内部統制報告書 | 任意 | 提出が必要 |
| 会計基準 | 日本基準・米国基準・IFRS等 | 日本基準・米国基準・IFRS等 |
| 上場維持の前提 | 担当J-Adviserとの契約の維持 | J-Adviser制度なし |
表のTPM欄は、JPXのTPM概要ページと上場ガイドブック(TPM編)の記載に基づいています。一般市場の会社を前提にしたルール(実質審査基準など)を、そのままTPMの会社に当てはめて考えないよう注意が必要です。一般市場の審査の考え方はIPOの実質審査基準とはで整理しています。
事業内容と収益モデル:道北の5つのブランド
西條は、北海道名寄市を拠点に道北地域で衣料品、住文化関連、食料品等の生活関連用品を販売する小売業です。発行者情報では「地元の生活インフラとしての買い物の場を守ること」を使命と位置づけ、ショッピングセンターとしての実績を礎に「チェーンストア志向の企業として飛躍を目指して」いくと述べています。不動産事業等も営んでいますが、財務情報として区分する重要性の観点から、セグメントは小売事業の単一セグメントです。
事業系統図では、仕入先から商品を仕入れて各店舗でお客様に販売する小売事業と、「西條」「BESTOM」の一部と「ALTIMALL」のテナント運営や賃貸物件の運営という2つの流れが示されています。損益計算書でも、売上高(商品販売)とは別に、不動産賃貸収入とその他の営業収入を「営業収入」として表示し、売上総利益に営業収入を加えた「営業総利益」を表示する形式を採っています。
図4 発行者情報「事業の内容」の事業系統図・業態の説明をもとに作成。セグメントは小売事業の単一セグメント
| ブランド | 業態 | 店舗(2026年2月28日現在) | 特徴(会社の説明の要約) |
|---|---|---|---|
| 西條 | 総合スーパー | 名寄・稚内・士別・枝幸の4店 | 食料品から衣料品までフルライン。店舗の一部を専門店・飲食店にテナント貸し |
| Qマート | 小型食品スーパー | 下川・風連・名寄駅前・中川・猿払・幌延・問寒別・西興部の8店 | 人口数千人規模の小商圏で運営できるコンビニ規模の食品スーパー |
| ベストホーム | ディスカウントホームセンター | 名寄・稚内の2店 | DIY・園芸・ペット・カーレジャー用品を軸に食料品等も扱う |
| BESTOM | スーパーセンター | 東神楽・中富良野の2店 | 食料品から家電・住関連品までワンフロアに集約し広域から集客 |
| ALTIMALL | テナントモール | 東神楽の1施設 | 専門店・飲食店を集積。子どもの遊び場やイベントスペースも備える |
業態別に売場面積を合計すると、総合スーパー「西條」4店で32,646㎡、スーパーセンター「BESTOM」2店で25,102㎡と大型店が中心である一方、「Qマート」は8店で合計約2,580㎡と、1店あたり100〜400㎡程度の小型店です。事業等のリスクでは、「西條士別店」でQマート向けの生鮮食品の一括仕入・加工・パッケージを集中して行い、各店舗に供給していることが記載されています。
図5 発行者情報「事業の内容」の店舗一覧の売場面積を業態別に本記事で合算(Qマートは小数点以下を四捨五入)
第68期の販売実績を区分別に見ると、食料品が10,997,596千円で売上高の76.1%を占め、衣料住関連品が3,015,987千円(20.9%)、その他が428,545千円(3.0%)です(構成比は本記事の計算)。食料品は価格上昇により販売単価が前期比4.8%上昇したことなどから前期比101.1%となった一方、衣料住関連品は暖冬・雪不足による冬物衣料や除雪用具の不振、熊の出没が多発したことによるアウトドアレジャー需要の減退などで前期比95.4%となりました。会社はシーズン主力商品の不振について「急速な環境変化に対する品揃えの対応不足が主たる要因」と記載し、重要な課題と認識しているとしています。
図6 発行者情報「生産、受注及び販売の状況」より。構成比は本記事の計算。前期比は会社の記載
沿革と上場までの道のり
沿革を見ると、呉服店から百貨店、スーパーマーケット、そしてスーパーセンターやテナントモールへと、時代に合わせて業態を広げてきたことが分かります。1980〜90年代には西條の各店舗の新築移転とベストホームの出店、2003年・2004年にはスーパーセンター「BESTOM」、2006年以降は小型スーパー「Qマート」を道北の町村に順次出店し、2015年にはテナント型ショッピングモール「ALTIMALL東神楽店」を開業しています。
資本面では、2018年8月に資本金を433,500千円減少して50,000千円とし、その他資本剰余金に振り替えています(会社法447条1項、減資割合89.66%)。会社は目的を「資本政策の機動性及び柔軟性を図るため」と説明しています。上場直前の動きとしては、2026年3月17日の臨時株主総会での単元株制度の採用と役員選任、2026年4月の役員持株会の解散に伴う株式の分配が記載されています。
図7 発行者情報「沿革」より主要な出来事を抜粋
業績はどう推移しているか
| 項目(千円) | 第66期 2023年8月期 | 第67期 2024年8月期 | 第68期 2025年8月期 | 第69期中間 2026年2月 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 14,522,736 | 14,450,040 | 14,442,129 | 7,173,003 |
| 経常利益 | 10,029 | 191,919 | 171,424 | 121,711 |
| 当期(中間)純利益 | △1,101,227 | 128,569 | 27,100 | 77,261 |
| 純資産額 | 4,950,653 | 5,059,562 | 5,066,950 | 5,124,964 |
| 総資産額 | 10,460,238 | 10,603,074 | 10,603,904 | 10,572,397 |
| 自己資本比率 | 47.3% | 47.7% | 47.8% | 48.5% |
| 営業活動によるCF | - | 460,083 | 317,623 | 19,600 |
| 1株当たり配当額 | 3.50円 | 3.50円 | 3.50円 | - |
| 従業員数(臨時) | 132(464) | 130(481) | 121(481) | 116(486) |
売上高は3期とも144億〜145億円台でほぼ横ばいです。経常利益は第66期の10,029千円から第67期に191,919千円、第68期に171,424千円となりました。当期純利益は第66期が1,101,227千円の純損失で、第67期は128,569千円、第68期は27,100千円です。第66期の純損失の内訳は発行者情報には記載されていません。自己資本比率は47%台後半から48.5%で推移し、毎期1株3円50銭の配当を続けています。
図8 発行者情報「主要な経営指標等の推移」より(単位:百万円、百万円未満切捨て)。第66期・第67期は監査を受けていない
第68期の損益の流れを見ると、売上総利益3,165,599千円に営業収入560,762千円を加えた営業総利益は3,726,362千円で、販売費及び一般管理費3,643,306千円を差し引いた営業利益は83,056千円(前期比25.9%減)です。会社は、最低賃金の上昇やベースアップによる人件費の2.9%増、店舗リニューアルに伴う減価償却費の11.2%増を減益の要因として挙げています。営業外では仕入割引や太陽光売電収入などの収益があり、支払利息は借入金の増加と金利上昇で前期比65.1%増の36,073千円となりました。
特別損益では、「BESTOM中富良野店」のリニューアルに係る補助金収入20,000千円を特別利益に、同店舗のリニューアルに係る資産購入分に対する減損損失140,485千円と固定資産圧縮損20,000千円を特別損失に計上しています。この結果、税引前当期純利益は31,019千円、法人税等合計3,919千円を差し引いた当期純利益は27,100千円でした。
図9 発行者情報 損益計算書より(単位:千円)。営業外収益・費用の差引は1千円の端数差がある
財政状態と借入の構造
第68期末の総資産は10,603,904千円で、うち建物3,198,911千円、土地3,408,054千円と店舗の不動産が大きな比重を占めます。負債側は短期借入金900,000千円、1年内返済予定の長期借入金493,715千円、長期借入金2,184,944千円で、借入金の合計は3,578,659千円です。取引銀行8行と当座貸越契約・貸出コミットメント契約(極度額2,000,000千円)を結び、建物・土地5,718,262千円を担保に供しています。長期借入金の返済期限は2047年までと記載されています。
一方、純資産5,066,950千円のうち別途積立金が4,100,000千円を占め、長年の利益の蓄積が自己資本比率47.8%の基盤になっています。第69期中間は、仕入債務と未払金の減少により営業キャッシュ・フローが19,600千円にとどまり、短期借入金を200,000千円増やしています。中間期末と事業年度末では運転資本の残高が異なり得るため、上場後に中間の発行者情報を公表する際には、こうした増減の理由を説明できるようにしておくことが大切です。
資本政策と株主構成:創業家中心の41名の株主
西條の発行済株式は普通株式5,630,000株のみで、種類株式、新株予約権(ストック・オプション)、自己株式はいずれもありません。資本金は50,000千円で、第66期以降、発行済株式総数に変動はありません。上場前の第三者割当等も「該当事項はありません」とされ、上場時の公募・売出しも行っていないため、上場の前後で株式数は変わっていません。
株主の状況を見ると、代表取締役社長の西條敬弘氏が903,000株(16.04%)、役員等により議決権の過半数が所有されている会社である有限会社祥北信興が857,000株(15.22%)、取締役の西條勝則氏が770,000株(13.68%)を保有し、役員の配偶者・血族を含む創業家の株主が上位に並びます。従業員持株会が246,000株(4.37%)、株式会社北洋銀行が160,000株(2.84%)を保有し、上位10名の合計は4,155,200株(約73.8%、本記事の計算)です。株主数は計41名です。
図10 発行者情報 第四部「株主の状況」より。発行済株式5,630,000株に対する割合。上位10名の合計は4,155,200株、約73.8%(本記事の計算)
TPMには株主数や流通株式比率の形式基準がないため、このように少人数の株主構成のまま上場することができます。一方、一般市場では株主数や流通株式に関する形式基準があり、役員や主要株主が保有する株式は流通株式から除かれます。将来一般市場を視野に入れる会社は、株主構成をどう広げるかを別途検討する必要があります(流通株式比率の計算式と調べ方)。
上場前の株式移動は何を示しているか
第四部「特別利害関係者等の株式等の移動状況」には、2023年12月から2026年4月までの株式移動が記載されています。大きく分けると2種類です。1つは創業家の親族間の生前贈与で、2023年12月25日、2024年12月25日、2025年12月25日、2026年4月23日に計9件、合計247,100株が移動しています(本記事の計算)。もう1つは役員持株会の解散によるもので、2026年4月27日に北洋銀行・北海道銀行・北星信用金庫の金融機関3社へ計40,000株、4月30日に取締役5名と個人2名へ計60,000株が分配されています。価格欄はいずれも「―」と記載されています。
TPMでも、特例115条・同施行規則106条により、直前事業年度末の2年前の日(西條の場合は2023年9月1日)から上場日の前日までに特別利害関係者等が株式を譲り受け・譲り渡した場合には、その状況の記録を上場日から5年間保存することとされ、発行者情報に開示されます。上場準備期間中の贈与や持株会の整理は開示対象になることを前提に、日付・株数・理由を正確に記録しておく必要があります(上場前に株式を動かすとどうなるか(継続所有の確約))。
図11 発行者情報 第四部「特別利害関係者等の株式等の移動状況」より。価格はいずれも「―」と記載
配当政策としては、期末配当による年1回の剰余金の配当を基本方針とし、定款上は中間配当も可能としています。2025年8月期は1株3円50銭(総額19,705千円)で、配当性向は72.7%でした。また、株主に対する特典として、保有株式数に応じて当社運営店舗(テナントを除く)で使える値引券を進呈していることが株式事務の概要に記載されています。
読みながら、自社の場合はどうなるかが気になっていませんか
いまの状況と、判断に迷っている点をお送りいただければ、公認会計士がどこから手をつけるべきかを整理してお返しします。営業のご連絡を重ねて差し上げることはありません。
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コーポレート・ガバナンス:社外取締役を置かない理由の説明
| 役職 | 氏名 | 主な経歴・担当 | 所有株式数 |
|---|---|---|---|
| 代表取締役社長 | 西條 敬弘 | 北海道拓殖銀行等を経て1999年入社、2011年から代表取締役社長 | 903,000株 |
| 常務取締役 | 木曽 輝範 | 経営企画室長兼業務開発室長兼営業本部長 | 34,500株 |
| 取締役 | 道塚 進 | BESTOM東神楽店長 | 6,000株 |
| 取締役 | 安井 則彦 | 営業本部商品部長 | 7,000株 |
| 取締役 | 鶴巻 朋光 | 西條名寄店長 | 2,000株 |
| 取締役 | 沖 ともえ | 管理本部長(財務経理部長等を経て2024年11月取締役) | 4,500株 |
| 取締役(非常勤) | 西條 勝則 | 2018年9月から非常勤取締役 | 770,000株 |
| 監査役(社外) | 野呂 聡史 | 2025年6月就任。株式会社ノース・リープ代表取締役 | - |
| 監査役(社外) | 遠藤 光晴 | 2025年11月就任。金融機関・事業会社の経理部長等を経験 | - |
機関設計は、取締役会と監査役(2名)を置き、瑞輝監査法人と監査契約を結ぶ形です。取締役会は取締役7名で構成し、原則として1か月に1回開催し、緊急の場合は臨時取締役会を開催するとされています。役員は男性8名・女性1名(女性比率11.1%)で、取締役の任期は1年、監査役の任期は4年と記載されています。
監査役2名はいずれも社外監査役で、2025年6月と11月に就任しています。監査役は監査役監査基準に基づき取締役の業務執行状況を監査し、取締役会に出席して意見を述べるとされています。一方、社外取締役は選任していません。会社は「社外取締役の重要性については認識しておりますが、当社の経営規模・体制を総合的に勘案すると、ガバナンスは適正に構築、運営されていることを踏まえ、社外取締役を設置しておりません」と説明し、今後必要性があると判断する場合には具体的な検討を行うとしています。
図12 発行者情報「コーポレート・ガバナンスの状況」の体制図をもとに作成
TPMには一般市場のような機関設計の形式要件はなく、「企業の規模や成熟度等に応じて」ガバナンスと内部管理体制が整備・運用されていることが上場適格性要件として求められます。西條のように、社外取締役を置かない理由と今後の検討方針を開示している点は、TPMで柔軟な設計を選ぶ場合の説明の仕方として参考になります。一般市場を目指す場合の考え方はIPO審査の「機関設計」とはや社外取締役は何人必要かで整理しています。
役員報酬と定款の定め
2025年8月期の役員報酬の総額は26,980千円で、取締役(社外取締役を除く)が26,440千円(固定報酬26,400千円、退職慰労金40千円、対象3名)、社外役員が540千円(対象1名)です。業績連動報酬はありません。報酬の決定方針や決定手続の記載は発行者情報にはありません。
発行者情報には「支配株主との取引を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針」として、支配株主との取引は一般の取引と同様の適切な条件で行い、取引の理由・必要性、条件の妥当性を取締役会で十分審議したうえで意思決定する方針を記載しています。
代表者による債務保証は関連当事者取引として開示
関連当事者情報では、代表取締役であり主要株主でもある西條敬弘氏(議決権の被所有割合 直接16.0%)から、銀行借入と仕入債務に対して債務保証を受けていることが開示されています。保証を受けている債務の期末残高は、第67期末が銀行借入1,425,714千円・仕入債務2,164千円、第68期末が銀行借入1,278,266千円・仕入債務1,302千円で、保証料の支払いは行っていません。発行者情報には、この保証の解消に関する記載はありません。
図13 発行者情報 財務諸表注記「関連当事者情報」より。取引金額は保証を受けている債務の期末残高
代表者による金融機関借入の個人保証は、非上場の中小企業では一般的に見られる取引です。上場準備では、関連当事者取引として網羅的に把握・開示するとともに、取引の必要性や条件の合理性、今後の方針を説明できるよう整理しておくことが求められます(社長個人と会社の取引はどう解消するか、関連当事者との取引の注記の記載例)。
内部監査と内部統制:担当者2名のクロス監査
西條の内部監査は、独立した内部監査室ではなく、管理本部と営業本部ごとに社長から直接任命された内部監査担当者2名が実施しています。2名はそれぞれ異なる部門に所属し、互いの部門を監査する「クロス監査」としています。内部監査規程に基づき、経営の合理化、諸能率、不正・過誤の防止等について定期的に監査し、結果を代表取締役社長に報告するとともに、必要に応じて被監査部門に改善指示を行い、改善状況をモニタリングしています。
ガバナンス体制図では、内部監査担当、監査役、監査法人の3者が互いに連携する関係が示され、弁護士等の外部専門家から助言・指導を受ける体制も描かれています。内部統制システムの整備状況としては、職務権限規程の遵守により業務を合理的に分担し、特定の組織や担当者に業務や権限が集中しないようにして内部牽制を働かせる、と説明されています。
図14 発行者情報「コーポレート・ガバナンスの状況」(内部監査・監査役・監査法人)の記載をもとに作成
専任の内部監査部門を置く余裕がない会社では、他部門の担当者が兼務で内部監査を行うことが多く、その場合に問題になるのが「自分の所属部門を自分で監査する」自己監査です。西條のクロス監査は、2名の所属部門を分けて互いに監査することでこれを避ける形です。少人数で内部監査を始める会社は、担当者の選び方、監査計画、報告ルートを規程に落とし込み、運用記録を残すことが重要です(内部監査の担当者と兼務(自己監査の回避)、監査役監査・内部監査・会計監査(三様監査))。
会計・開示の論点:店舗の減損と収益認識
西條が「重要な会計上の見積り」として記載しているのは、店舗に係る減損の兆候の判定と割引前将来キャッシュ・フローの見積りです。キャッシュ・フローを生み出す最小単位として店舗を基本単位にグルーピングし、遊休資産は物件単位としています。本社費等を配賦した後の店舗の営業損益が継続してマイナス(又はその見込み)である場合や、店舗の固定資産の時価が著しく下落した場合などに減損の兆候があると判断し、割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比べて減損損失の認識を判定します。
回収可能価額は、不動産鑑定評価額等に基づく正味売却価額と使用価値のいずれか高い金額で測定し、本社費等配賦後の割引前将来キャッシュ・フローがマイナスの場合は回収可能価額をゼロとします。割引前将来キャッシュ・フローの見積期間は、主要な資産が土地の場合は20年、それ以外は主要な資産の経済的残存使用年数とし、各店舗の過去実績と取締役会で承認された事業計画をもとに仮定を置いています。第68期は1店舗について140,485千円(建物37,064千円、工具器具備品103,421千円)の減損損失を計上しました。
図15 発行者情報 注記「重要な会計上の見積り」をもとに作成。金額は第68期
多店舗展開する小売業では、店舗ごとの損益管理と本社費の配賦ルールが減損判定の前提になります。上場準備の段階で、店舗別損益を毎月把握できる管理会計の仕組みと、事業計画との整合性を説明できる資料を整えておくことが、監査対応の負担を左右します。補助金で取得した資産については、補助金相当額20,000千円の固定資産圧縮損を計上しており、補助金収入と圧縮損が同額で計上されています。
商品券・電子マネーの収益認識
収益認識の会計方針では、商品の販売は顧客に商品を引き渡した時点で収益を認識し、代理人に該当すると判断した取引は仕入先への支払額を差し引いた純額で収益を認識するとしています。発行した商品券は履行義務として識別し、使用された時点で収益を認識します。電子マネーは入金時に履行義務として識別し、商品を引き渡した時点で収益を認識します。商品券・電子マネーの未使用分は、顧客が権利を行使する可能性が極めて低くなった時に収益を認識するとされています。
収益認識関係の注記では、ポイント・商品券・電子マネーのうち履行義務を充足していない残高を契約負債として流動負債の「その他」に計上しており、第68期末の残高は97,898千円です。不動産賃貸収入134,096千円は「顧客との契約から生じる収益」とは区別して「その他の収益」として表示されています。小売業の上場準備では、ポイント・商品券・電子マネー、消化仕入などの代理人取引の判定が、収益認識の主な論点になります(上場審査で問われる収益認識)。
図16 発行者情報 注記「重要な会計方針」「収益認識関係」より。金額は第68期(千円)
このほか、棚卸資産は売価還元法による低価法(生鮮品は最終仕入原価法)で評価し、第68期の棚卸資産評価損は21,123千円です。税効果会計では、繰延税金資産の小計570,021千円に対して評価性引当額373,951千円を控除し、純額187,171千円を計上しています。未適用の会計基準として新しいリース会計基準を挙げ、2028年8月期の期首から適用予定で、影響額は評価中としています。
会計監査人の状況として、業務を執行した公認会計士は2名(継続監査年数はいずれも1年)、補助者は公認会計士5名です。監査証明業務に基づく報酬は12,000千円で、非監査業務の報酬はありません。
事業等のリスクとJ-Adviser契約
事業等のリスクは、事業内容(商品の調達、店舗出店、人口減少、人材の確保)、事業戦略(西條士別店への集中、特定人物への依存)、経営環境(自然災害、感染症、風評、競合店)、法令・会計基準等(食品表示法などの法的規制、訴訟、税制改定、労務管理、コンプライアンス、情報セキュリティ、個人情報、減損会計)、その他(配当政策、担当J-Adviserとの契約)に分けて記載されています。各リスクには会社の対応策が併記されていますが、発生可能性や影響度の記載はありません。
TPM特有のリスクとして詳しく書かれているのが、担当J-Adviserとの契約です。TPM上場会社は特例102条によりJ-Adviser契約を締結する義務があり、西條は宝印刷株式会社と契約しています。契約上の義務(上場適格性要件の継続的な充足、適時適切な開示、上場会社の義務の履行)に違反した場合は、相当の期間(特段の事情のない限り1か月)を定めた書面催告を経て解除され得ること、書面合意又は1か月以上前の書面通知でいつでも解約できること、代わりの担当J-Adviserを確保できない場合は上場廃止につながる可能性があることが記載されています。さらに、債務超過、発行者情報等の提出遅延、虚偽記載、反社会的勢力の関与など、催告なしで解除できる事由が19項目にわたって列挙されています(このほか④として、破産手続等に該当しても所定の再建計画を開示した場合には原則として解除しない旨が定められています)。
図17 発行者情報「事業等のリスク(担当J-Adviserとの契約)」をもとに作成
J-Adviser契約は上場維持の前提であり、J-Adviserは一般市場の「主幹事証券」とは別の役割を担います。適時開示の体制づくりはIPOの適時開示体制も参考にしてください。
一般市場へのステップアップを考える会社への示唆
西條の発行者情報には、将来の一般市場への上場や市場変更に関する記載はありません。そのため、ここでは同社の方針には触れず、TPMから一般市場を目指す場合の一般的な留意点を整理します。
まず、TPMから一般市場への移行は「市場区分の変更」ではなく、TPMを申請により上場廃止し、一般市場に新規上場する手続として扱われます。実例として、AlbaLinkは2025年12月14日にTPMを上場廃止し、翌15日にグロース市場に新規上場しています。東証は2025年11月の資料で、TPMから一般市場への上場審査は非上場企業と同様に一から確認が行われていると現状を整理し、2026年4月の資料では「26年秋めど」にTPM実績を勘案した一般市場上場審査の効率化と開示様式の共通化・簡素化を予定していると公表しています(本記事執筆時点で実施済みかどうかは確認できていません)。
一般市場を視野に入れる会社にとっては、TPMで求められない項目、たとえば直前2期の監査、株主数・流通株式の形式基準、内部統制報告書などへの対応を別途計画する必要があります。準備の全体像はグロース市場事前チェックリストで確認できます。
上場準備会社が西條の事例から学べること
1. 資金調達をしない上場という選択肢:西條は特定投資家向け取得勧誘等を行わず、発行者情報で上場しました。
2. 直前1期の監査と未監査期の明示:監査は第68期のみで、中間は期中レビューです。
3. 同族会社の株式移動の記録:生前贈与や持株会の解散も特別利害関係者等の株式移動として開示されます。
4. 柔軟な機関設計とその説明:社外取締役を置かない理由と今後の方針を開示しています。
5. 少人数の内部監査の工夫:担当者2名のクロス監査で自己監査を避けています。
6. 代表者保証の開示:銀行借入の債務保証を関連当事者取引として開示しています。
7. 店舗の減損の見積り:店舗単位のグルーピング、本社費配賦、見積期間など判断の前提を具体的に開示しています。
図18 本記事で取り上げた論点のまとめ
- 上場目的(なぜTPMか、上場をどう活用するか)を社内で言語化している
- 直前事業年度の監査を受ける監査法人と、担当J-Adviserの候補が決まっている
- 上場後12か月の運転資本の十分性を説明できる資金計画がある
- 直前事業年度末の2年前の日以降の特別利害関係者等の株式移動(贈与・持株会の整理を含む)を記録している
- 機関設計と内部監査の体制(兼務の場合の自己監査の回避を含む)を規程と記録で説明できる
- 代表者保証などの関連当事者取引を一覧化し、開示と今後の方針を整理している
よくある質問
上場に際して特定投資家向け取得勧誘又は特定投資家向け売付け勧誘等を実施しないため、特例110条3項の規定により「発行者情報に相当する情報」を公表して上場したためです。
新規上場時に求められる監査期間は最近1年間です。西條は第68期(2025年8月期)の財務諸表について瑞輝監査法人の監査を受け、第69期中間は期中レビューを受けています。第66期・第67期は監査を受けていないことを明記しています。
TPMには一般市場のような機関設計の形式要件はなく、企業の規模や成熟度等に応じたガバナンス体制が求められます。西條は社外取締役を置かず、社外監査役2名を選任し、社外取締役を設置しない理由と今後の検討方針を発行者情報で説明しています。
J-Adviser契約は上場維持の前提です。西條の発行者情報では、契約が解除され代わりの担当J-Adviserを確保できない場合は上場廃止につながる可能性があると記載され、催告なしで解除できる事由も具体的に列挙されています。
最初の一歩は「直前1期」と「株式の記録」の逆算から
TPMを検討する会社が最初に取り組みたいのは、上場目的を言語化したうえで、監査を受ける事業年度と担当J-Adviserの調査期間から上場時期を逆算することです。自社の現状を把握するには、まずショートレビューで課題を洗い出すのが近道です。
まとめ
西條は、2026年6月29日にTOKYO PRO Marketへ上場しました。特定投資家向け取得勧誘等を行わず、直前1期の監査を受けた発行者情報で上場しており、申請受付(6月1日)から上場承認(6月15日)までは10営業日、担当J-Adviserは宝印刷株式会社です。
発行者情報からは、創業家中心で41名の株主構成と上場前の株式移動、社外取締役を置かずに社外監査役2名で牽制する機関設計とその説明、担当者2名のクロス監査、代表者による債務保証、店舗資産の減損の見積りと商品券・電子マネーの収益認識など、歴史のある地域企業がTPMを使う際の論点を具体的に読み取ることができます。TPMを検討する会社にとっては、形式基準がないからこそ「自社の体制を、どの水準で、どう説明できるか」を整えておくことが大切だといえます。
ショートレビュー、資本政策、機関設計、内部監査・内部統制、会計方針と開示、Ⅰの部の作成、審査対応まで、上場準備の実務を公認会計士が支援します。
公認会計士としての実務歴は13年以上、独立後は20社を超える支援に関与しています。労働者派遣事業と有料職業紹介事業の許可申請にかかる監査証明と合意された手続業務に対応しています。優成監査法人(現・太陽有限責任監査法人)で上場企業および上場準備企業の監査に従事し、太陽グラントソントン・アドバイザーズで財務デューデリジェンスと企業価値評価に携わりました。プロフィールを見る
本記事の根拠
- 東京証券取引所 TOKYO PRO Market 新規上場会社情報「西條 発行者情報」(2026年6月1日公表)
- 日本取引所グループ「新規上場会社情報(TOKYO PRO Market)」
- 日本取引所グループ「TOKYO PRO Market 概要」
- 日本取引所グループ「特定投資家制度の概要」
- 日本取引所グループ「J-Adviser制度」
- 日本取引所グループ「TOKYO PRO Market 上場基準」
- 日本取引所グループ「2025 上場ガイドブック TOKYO PRO Market編」
- 東京証券取引所「TOKYO PRO Marketの今後の方向性」(2026年4月3日)
- 東京証券取引所「上場目的の開示状況」(2026年6月15日時点)
- 東京証券取引所「プロマーケットの今後の方向性について」(2025年11月13日)
- 日本取引所グループ「上場廃止の決定:(株)AlbaLink」(2025年11月11日)
免責:本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別案件に対する法務、会計、税務その他の専門的助言を構成するものではありません。実際の対応は、最新の法令・取引所規則・公表資料を確認し、必要に応じて専門家へご相談ください。
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