現物出資が適格になるかどうか。法人税法第2条第12号の14が、合併と同じイロハの3類型で定めています。
ただし、ロの支配関係型の要件が3つあります。主要な資産及び負債が被現物出資法人に移転していること、従業者のおおむね百分の八十以上が業務に従事することが見込まれていること、そして現物出資事業が引き続き行われることが見込まれていることです。
合併のロが2つなのに対し、主要な資産及び負債の移転が加わります。ここが現物出資の特徴です。
- 適格現物出資の3類型と要件
- 支配関係型の要件が3つあること
- 外国法人への移転が原則として除かれること
- 恒久的施設を通じる場合の例外
- 現物出資と現物分配の号番号の違い
- 適格現物分配が完全支配関係に限られること
📌 結論 支配関係型の要件は3つ
合併と同じイロハの構造です。ただし、ロの要件は3つ。合併のロが2つなのに対し、主要な資産及び負債の移転が加わります。
柱書は、株式または出資以外の資産が交付されないものを求めています。金銭等不交付要件です。
イが完全支配関係型で、追加の要件はありません。ロが支配関係型で3つ、ハが共同事業型で政令の要件です。
ロの(1)は、主要な資産及び負債が当該被現物出資法人に移転していること。これは合併にはない要件です。合併では会社が丸ごと移るので、当然に満たされるからです。
現物出資では、何を出資するかを選べます。だからこそ、主要な資産及び負債が移っているかが問われます。
🧭 外国法人への移転は原則として非適格
外国法人へ国内資産を移す現物出資は、原則として適格になりません。恒久的施設を通じて行う事業に係るものとなるなら例外です。
柱書の括弧書きが長く、外国法人への移転を除いています。国内不動産等、国内資産等、無形資産等の3つです。
国内不動産等は、国内にある不動産その他の政令で定める資産。国内資産等は、国内事業所等を通じて行う事業に係る資産または負債。無形資産等は、内国法人の工業所有権、著作権その他の政令で定める資産です。
ただし、これらの全部が当該移転により当該被現物出資法人である外国法人の恒久的施設を通じて行う事業に係る資産または負債となるものとして政令で定めるものは、除外から外れます。日本に恒久的施設が残るなら適格になり得る、という構造です。
さらに外国法人株式については、発行済株式等の総数または総額の百分の二十五以上の株式を除く旨の括弧書きがあります。
何を出資するか、主要な資産及び負債が移転しているといえるか、従業者の引継ぎをどう説明するか。現物出資は自由度が高いぶん、判定が難しくなります。事業の切り出しの範囲の設計、適格要件の当てはめ、そして時価評価が必要になる場合の影響額の試算まで通してお受けします。実行前の段階からご相談ください。公認会計士・税理士が直接お受けします。初回のご相談は無料です。
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🧾 現物出資と現物分配は別のもの
適格現物分配は完全支配関係がある内国法人のみに限られます。現物出資には支配関係型も共同事業型もあります。
現物出資は、資産を出して株式を受け取る取引です。現物分配は、法人がその株主等に金銭以外の資産を交付する取引です。方向が逆です。
号番号も別です。現物出資法人が第2条第12号の4、被現物出資法人が第12号の5。現物分配法人が第12号の5の2、被現物分配法人が第12号の5の3です。
そして適格現物分配は第12号の15で、資産の移転を受ける者がその現物分配の直前において当該内国法人との間に完全支配関係がある内国法人のみであるもの、とされています。支配関係型や共同事業型はありません。
📅 何を出資するか
現物出資は、事業ではなく資産だけを移すこともできます。その場合、ロの主要な資産及び負債の移転をどう判定するかが論点になります。
現物出資の実務では、まず移転先が国内法人かどうかを確認します。外国法人なら柱書の除外を確認します。
次に関係の強さです。完全支配関係があればイで、追加の要件はありません。
支配関係型なら、主要な資産及び負債が移転しているかを判定します。事業に必要な資産を全部移すのか、一部を残すのか。ここの設計が適格性を左右します。
繰越欠損金の取扱いは欠損金の繰越控除とはもあわせてご覧ください。
❓ よくある質問
A. 法人税法第2条第12号の14です。
A. 3つです。主要な資産及び負債の移転、従業者のおおむね80パーセント、事業継続の見込みです。
A. 合併のロは2つです。現物出資には主要な資産及び負債の移転が加わります。
A. 柱書が国内不動産等、国内資産等、無形資産等の移転を除いています。恒久的施設を通じる場合の例外があります。
A. 方向が逆です。現物出資は資産を出して株式を受け取り、現物分配は株主等に資産を交付します。
A. 完全支配関係がある内国法人のみが資産の移転を受ける場合に限られます(第12号の15)。
A. 完全支配関係があればイに当たります。支配関係型なら主要な資産及び負債の移転が問われます。
A. 人員配置の計画、事業計画、取締役会の決議です。実行前に日付の入った文書で残してください。
📄 まとめ
適格現物出資は第2条第12号の14。イロハの3類型で、ロの要件は3つです。
合併にはない、主要な資産及び負債の移転が加わります。何を出資するかの設計が効きます。
外国法人への移転は原則として除かれます。恒久的施設を通じる場合の例外があります。
出資する資産の範囲を先に決めてください。あとから足りないと分かっても、やり直せません。
📚 参考(公的な一次情報)
- 法人税法(e-Gov法令検索) 第2条第12号の4、第12号の5、第12号の5の2、第12号の5の3、第12号の14、第12号の15
- 法人税法施行令(e-Gov法令検索) 第4条の3
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