DESで債務消滅益が出るかどうか。答えは、増加する資本金等の額と、消滅する債務の帳簿価額の差で決まります。
法人税法施行令第8条第1項第1号は、株式の発行をした場合に払い込まれた金銭の額及び給付を受けた金銭以外の資産の価額その他の対価の額に相当する金額から、増加した資本金の額を減算した金額、としています。
金銭債権の価額が消滅する債務の帳簿価額を下回れば、その差額が益金になります。
- 資本金等の額がどう計算されるか
- 適格現物出資との違い
- 券面額説・評価額説が公的用語ではないこと
- 検査役調査が免除される条件
- 期限切れ欠損金が使える場面
- 実行前に確認すること
📌 結論 給付を受けた資産の価額で決まる
第9号は、非適格合併等に該当する現物出資に限られます。金銭債権だけを出資する通常のDESはここに当たらず、第1号が適用される構造です。
法人税法第2条第16号が、資本金等の額を、法人が株主等から出資を受けた金額として政令で定める金額、と定義しています。その政令が施行令第8条です。
第1項第1号が原則です。給付を受けた金銭以外の資産の価額、という文言があります。
第8号は適格現物出資の場合で、移転を受けた資産と併せて移転を受けた負債の純資産価額によります。現物出資法人の直前の帳簿価額がベースです。
第9号は非適格の現物出資ですが、括弧書きで、法第六十二条の八第一項に規定する非適格合併等に該当するものに限る、とされています。金銭債権だけを出資する通常のDESはここに当たりません。第1号が適用される構造です。
🧭 券面額説と評価額説という呼び方
券面額説・評価額説という呼び方を条文や通達で探しても見つかりません。記事や説明では、実務上の呼称であることを明示してください。
券面額説と評価額説という用語は広く使われています。ただ、国税庁の法令解釈通達、質疑応答事例、財務省の税制改正の解説での使用を、今回は確認できませんでした。
条文が定めているのは、給付を受けた金銭以外の資産の価額、です。この価額をどう測るかが、資本金等の額の増加額を決めます。
説明のときは、実務上用いられている呼称であることを明示してください。条文の用語だと思って探すと、見つかりません。
出資する債権の価額の算定、資本金等の額の増加額の計算、債務消滅益の見積り、そして期限切れ欠損金が使える場面かどうかの判定まで通してお受けします。DESは実行してしまうと戻せません。課税が生じるかどうかを先に確かめてから進めてください。登記と検査役調査の免除の手続は司法書士と連携して進めます。公認会計士・税理士が直接お受けします。初回のご相談は無料です。
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🧾 検査役調査が免除される条件
第5号がDESの検査役調査を免除する規定です。弁済期が到来していること、そして負債の帳簿価額を超えないこと。この2つが条件です。
会社法第207条第9項の柱書は、前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない、です。検査役の調査を要しない場合を列挙しています。
第5号がDESに使われます。現物出資財産が株式会社に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第199条第1項第3号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合、です。
条件は2つ。弁済期が到来していること、そして定められた価額が負債の帳簿価額を超えないことです。
弁済期が来ていない借入金は、この免除が使えません。期限の利益を放棄するなどの手当てが要ります。
📅 債務消滅益に課税されるか
債務消滅益が出ても課税されない場面は限られています。法人税法第59条の各項に当たるかを先に確認してください。
法人税法第59条の見出しは、会社更生等による債務免除等があつた場合の欠損金の損金算入です。全7項あります。
第1項が更生手続開始の決定があつた場合、第2項が再生手続開始の決定があり、または第25条第3項もしくは第33条第4項に規定する政令で定める事実が生じた場合、第3項が再生手続開始の決定があつたことその他これに準ずる政令で定める事実が生じた場合、第4項が解散した場合において残余財産がないと見込まれるときです。
第5項が通算法人の場合、第6項が確定申告書等への記載と書類の添付を適用の要件とする規定、第7項が宥恕規定です。
単に債務が消滅しただけでは、この規定は使えません。上に挙げた場面に当たるかを先に確認してください。当たらなければ、債務消滅益にそのまま課税されます。
繰越欠損金の基本は欠損金の繰越控除とはにまとめています。
❓ よくある質問
A. 出るとは限りません。増加する資本金等の額と消滅する債務の帳簿価額の差で決まります。
A. 施行令第8条第1項第1号により、給付を受けた金銭以外の資産の価額から増加した資本金の額を減算します。
A. 第8号により、現物出資法人の直前の帳簿価額による純資産価額がベースになります。
A. 国税庁や財務省の公表資料での使用を今回は確認できませんでした。実務上の呼称です。
A. 会社法第207条第9項第5号の条件を満たせば不要です。弁済期の到来と、負債の帳簿価額を超えないことです。
A. 第5号の免除は使えません。期限の利益の放棄などの手当てが要ります。
A. 法人税法第59条の各項が定める場面に当たる場合です。単に債務が消滅しただけでは使えません。
A. 国税庁の公表資料での言及を今回は確認できませんでした。事案ごとの確認が必要です。
📄 まとめ
債務消滅益が出るかは、給付を受けた資産の価額と債務の帳簿価額の差で決まります。
券面額説・評価額説は公的資料での用語として確認できません。実務上の呼称です。
検査役調査の免除は、弁済期の到来と負債の帳簿価額を超えないことが条件です。
実行する前に納税額を試算してください。DESは戻せません。
📚 参考(公的な一次情報)
- 法人税法(e-Gov法令検索) 第2条第16号、第59条
- 法人税法施行令(e-Gov法令検索) 第8条
- 会社法(e-Gov法令検索) 第199条、第207条
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