MD&Aには何を書けばよいのか。数字の増減を並べればよいのか。
足りません。金融庁の記述情報の開示に関する原則は、経営者の視点による振り返りを行い、増減要因等についての分析と検討内容を説明することを求めています。
書く場所は、有価証券報告書であれば第三号様式の第一部【企業情報】第2【事業の状況】の4です。番号は改正で動いていますので、古い資料をそのまま使わないでください。
- MD&Aが第2【事業の状況】の4にあること
- 記載上の注意が第二号様式の(32)に準じること
- 記述情報の開示に関する原則が2019年3月19日公表であること
- 経営者の視点による振り返りが軸であること
- 資金の話に経営者の認識を含めること
- 見積りと仮定について会計方針を補足する情報を書くこと
📌 結論 経営者の視点で書く
第2【事業の状況】の番号は改正で動きます。2023年1月の改正でサステナビリティが2に入ったため、現在は4です。古い資料をそのまま使うと番号がずれます。
有価証券報告書の第三号様式では、第一部【企業情報】第2【事業の状況】の4が、経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析です。
記載上の注意については、第三号様式の(12)が、第二号様式の記載上の注意(32)に準じて記載するとしています。有価証券届出書の様式を見に行くことになります。
そして中身の考え方は、金融庁が2019年3月19日に公表した記述情報の開示に関する原則が示しています。
🧭 書く順番
経営者の視点による振り返りが軸です。数字の増減を並べるだけでは、MD&Aになりません。
経営方針や経営戦略等に照らして、当期の経営成績等を振り返るところから始めます。方針があって、結果がある。この順番で書きます。
増減の要因は、経営者の視点で書きます。売上が伸びた、という事実の記述ではなく、なぜ伸びたと経営者が見ているのかを書くということです。
そのあとにキャッシュ・フローと資金の話、重要な会計上の見積りと仮定の話が続きます。セグメントごとの状況も、重要なものは書きます。
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📘 原則が示す3つ
金融庁が2019年3月19日に公表した原則です。ここが実質的なひな型になっています。
記述情報の開示に関する原則は、MD&Aについて3つの柱を置いています。共通する事項、キャッシュ・フローと資金、そして重要な会計上の見積りと仮定です。
3つめが実務ではいちばん書きにくいところです。注記に書いてある内容を写すのではなく、注記を補足する情報を書きます。不確実性の内容や、仮定が動いたときに経営成績等にどう響くかです。
見積りの注記そのものについては会計上の見積りの変更の注記の記載例もあわせてご覧ください。
🩺 書けていない会社に共通すること
MD&Aは、経理部門だけでは書けません。経営陣が何を語っているかを文章にする作業です。
前期の文章を写している。これはすぐにわかります。読み手は前期の有価証券報告書を並べて読みます。
決算説明資料と食い違っているのも目立ちます。同じ期の同じ事実を扱うのですから、説明の軸をそろえてください。
そもそもMD&Aは経理部門だけでは書けません。経営陣が社内外で何を語っているかを集めて、文章にする作業です。取材する時間を決算スケジュールに組み込んでください。
❓ よくある質問
A. 有価証券報告書では第三号様式の第一部【企業情報】第2【事業の状況】の4です。
A. 第三号様式の記載上の注意(12)が、第二号様式の記載上の注意(32)に準じて記載するとしています。
A. 改正で項目が増えたためです。サステナビリティに関する考え方及び取組が2に入り、MD&Aは4になりました。
A. 経営者の視点による振り返りです。増減要因等についての分析と検討内容を説明します。
A. 資金調達の方法および状況、資金の主要な使途を含む資金需要の動向について、経営者の認識を含めて記載します。
A. 同じでは意味がありません。会計方針を補足する情報を書きます。
A. 重要な情報については、セグメントごとの状況を書くことが求められる考え方です。
A. 経理部門だけでは書けません。経営陣への取材を決算スケジュールに組み込んでください。
📄 まとめ
MD&Aは第2【事業の状況】の4です。記載上の注意は第二号様式の(32)に準じます。番号は改正で動きますので、最新の様式で確かめてください。
中身の軸は、経営者の視点による振り返りです。数字の増減の記述ではありません。
資金の説明には経営者の認識を、見積りの説明には注記を補足する情報を書きます。
今期は前期の文章を直して出すのか、経営陣への取材から作り直すのか。上場初年度なら、型を作る意味でも取材から始めることをおすすめします。
📚 参考(公的な一次情報)
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