子会社の決算日が親会社と違う。子会社に仮決算を組ませるべきなのか。
原則は、連結決算日に正規の決算に準ずる合理的な手続により決算を行うことです。企業会計基準第22号の第16項です。
ただし、決算日の差異が3か月を超えない場合には、子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができます。これは第16項の本文ではなく、注4に置かれた定めです。
- 原則は連結決算日での決算であること(第16項)
- 3か月の定めは注4にあること
- できるという書き方で、義務ではないこと
- 整理の対象は連結会社間の取引に係る会計記録の重要な不一致であること
- 不一致が起きやすい場面
- 在外子会社では為替のレートにも効くこと
📌 結論 3か月は注4にある
3か月の定めは第16項の本文ではなく注4にあります。そして義務ではなく、できるという書き方です。
第16項は、子会社の決算日が連結決算日と異なる場合には子会社は連結決算日に正規の決算に準ずる合理的な手続により決算を行う、としています。これが原則です。
注4は、子会社の決算日と連結決算日の差異が3か月を超えない場合には子会社の正規の決算を基礎として連結決算を行うことができる、としています。ただし、その場合には決算日が異なることから生じる連結会社間の取引に係る会計記録の重要な不一致について必要な整理を行うものとする、と続きます。
できる、という書き方です。3か月以内なら必ずそうする、という意味ではありません。子会社の決算を使うか、連結決算日で組ませるかは会社が選びます。
🧭 子会社の決算を使う場合
注4のただし書きが求めているのは、連結会社間の取引に係る会計記録の重要な不一致の整理です。差異期間中のすべての取引ではありません。
注4のただし書きが求めているのは、連結会社間の取引に係る会計記録の重要な不一致の整理です。差異期間中に起きたすべての取引を洗い直すことではありません。
実務では、親子間の債権債務の残高照合表を作るところから始めます。金額が合わない項目を並べ、その原因が決算日のずれによるものかどうかを分けていきます。
この作業は毎期発生します。様式を作って回せるようにしておいてください。
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🔍 不一致が起きやすいところ
洗い出しの対象は連結会社間の取引です。第三者との取引まで遡って調整する定めではありません。
いちばん多いのは、出荷と検収のタイミングによる債権債務のずれです。決算日が違うと、片方の期に載っているものがもう片方に載っていない状態が生じます。
送金も同じです。決算日後に子会社へ振り込むと、親会社では減っていて子会社ではまだ増えていない、という状態になります。
配当の決議も注意が必要です。子会社の決算日後に配当を決議した場合、親会社の受取配当金をどちらの期に計上するかの判断が要ります。
💱 在外子会社の場合
海外子会社の場合、決算日のずれは為替のレートにも効いてきます。連結決算日のレートを使うのではありません。
海外子会社の決算日がずれている場合、為替のレートにも効いてきます。移管指針第2号の第33項は、貸借対照表項目の換算に適用する決算時の為替相場を在外子会社等の決算日における為替相場とする、としています。
第34項は、損益計算書項目の期中平均相場について、連結会計期間ではなく当該在外子会社等の会計期間に基づく期中平均相場とする、としています。
連結決算日のレートを機械的に当てはめると誤りになります。在外子会社の換算の全体像とあわせて確認してください。
❓ よくある質問
A. 連結決算日に正規の決算に準ずる合理的な手続により決算を行うことです(第16項)。
A. 第16項の本文ではなく注4です。
A. できる、という書き方です。会社が選びます。
A. 決算日が異なることから生じる連結会社間の取引に係る会計記録の重要な不一致です。
A. 注4が求めているのは連結会社間の取引です。
A. 連結決算日に決算を行うことになります。
A. 貸借対照表項目は子会社の決算日の為替相場、損益計算書項目は子会社の会計期間の期中平均相場です。
A. 揃えれば整理の手間はなくなります。子会社側の負担と比べて決めてください。
📄 まとめ
原則は連結決算日での決算です。3か月以内なら子会社の決算を使うこともできます。この定めは第16項ではなく注4にあります。
子会社の決算を使う場合は、連結会社間の取引に係る会計記録の重要な不一致を整理します。
在外子会社では為替のレートにも効いてきます。連結決算日のレートではありません。
決算日を揃えるか、毎期整理を続けるか。子会社が3社を超えたあたりで、揃えたほうが早いという判断になることが多いように思います。
📚 参考(公的な一次情報)
- 企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準委員会) 第16項、注4
- 移管指針第2号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」(企業会計基準委員会) 第33項、第34項