後発事象の評価期間はいつまでか|第41号と財務諸表の公表の承認日

決算日を過ぎたあとに起きた出来事を、いつまで追いかければよいのか。

企業会計基準第41号「後発事象に関する会計基準」は、評価期間の末日を原則として財務諸表の公表の承認日としました(第7項)。終わりの日がはっきり決まったということです。

そして、その承認日と承認した機関を注記します(第10項)。読み手は、どこまでの期間を見た財務諸表なのかを知ることができます。

この記事でわかること

  • 後発事象が修正後発事象と開示後発事象に分かれること
  • 評価期間の末日が財務諸表の公表の承認日であること(第7項)
  • 承認日と承認機関を注記すること(第10項)
  • 2027年4月1日以後開始事業年度から適用されること(第13項)
  • 早期適用の定めが置かれていないこと
  • 承認日を決算スケジュールに書き込むこと

📌 結論 終わりの日は公表の承認日

図1 後発事象は2つに分かれる区分内容修正後発事象決算日において存在していた状況に関する証拠を提供する事象。財務諸表を修正する第5項、第8項開示後発事象決算日後に発生した状況に関する事象。財務諸表は修正せず、注記する第6項、第11項

企業会計基準第41号は、後発事象をこの2つに分けています。どちらにあたるかで、数字を直すのか注記だけで済むのかが変わります。

第41号の第7項は、後発事象の評価期間の末日を原則として財務諸表の公表の承認日としています。ここが実務で最も効く定めです。

そして第10項が、その公表の承認日と、承認した機関を注記することを求めています。承認日を決めていない会社は、まずそこから決めることになります。

後発事象そのものの区分は従来と同じ考え方です。決算日において存在していた状況に関する証拠を提供する事象が修正後発事象で、財務諸表を修正します(第5項、第8項)。決算日後に発生した状況に関する事象が開示後発事象で、注記します(第6項、第11項)。

🧭 期間の考え方

図2 評価期間の考え方決算日を過ぎる後発事象を把握し続ける期間に入る評価期間の末日は、原則として財務諸表の公表の承認日(第7項)その日と承認した機関を注記する(第10項)修正後発事象なら修正し、開示後発事象なら注記する

終わりの日が決まっていることが要点です。決算日を過ぎたら終わり、ではありません。

決算日を過ぎたら終わり、ではありません。承認の日まで、事実を集め続けることになります。

実務では、誰が承認するのかを先に決めてください。取締役会なのか、それに準じる機関なのか。注記で承認機関を書くことになりますから、あいまいなままにはできません。

そして承認日を決算スケジュールに書き込みます。監査報告書の日付、取締役会の日程、開示の日程。これらの前後関係を一枚の表にしておくと、社内で認識がずれません。

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📅 いつから適用されるか

図3 いつから適用されるか項目内容公表2026年1月9日適用2027年4月1日以後開始する事業年度の期首から(第13項)早期適用本会計基準に早期適用の定めは置かれていません適用方法将来にわたって適用します(第14項)

早期適用の定めがない点に注意してください。前倒しで採用する前提で社内の手順を組むと、やり直しになります。

第13項により、2027年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用されます。そして本会計基準には早期適用の定めが置かれていません。

ここを読み違えて、前倒しで採用する前提で社内規程を書き換えてしまう例が出そうです。適用時期は必ず基準本体で確かめてください。

適用方法は将来にわたって適用します(第14項)。過年度にさかのぼる処理ではありません。

🛠 実務で決めておくこと

図4 実務で決めておくこと決めること考え方誰が承認するのか取締役会か、それに準じる機関か。承認した機関を注記しますいつ承認するのか評価期間の末日になります。決算スケジュールに明示してください情報を集める範囲子会社、主要な取引先、訴訟、災害、資金調達など誰が集めるのか経理だけでは届きません。法務や営業からの報告経路を作ります監査法人への伝え方把握した時点で伝えます。金額が固まる前でも伝えます

承認日を決めることと、情報を集める経路を作ること。この2つが実務の中身です。

情報を集める経路づくりが実務の中身です。経理部門だけを見ていても、後発事象は届きません。

訴訟の提起、主要な取引先の状況の変化、災害、資金調達、大口の契約の締結や解除。こうした事実は法務や営業に先に入ります。誰が誰に、いつ報告するのかを決めてください。

監査法人には、把握した時点で伝えます。金額が固まっていなくても伝えてください。誤謬を見つけたら監査法人にいつ伝えるかと同じ考え方です。

❓ よくある質問

Q. 評価期間の末日はいつですか。

A. 原則として財務諸表の公表の承認日です(企業会計基準第41号 第7項)。

Q. 承認日は注記しますか。

A. 公表の承認日と、承認した機関を注記します(第10項)。

Q. 修正後発事象と開示後発事象の違いは。

A. 決算日において存在していた状況に関する証拠を提供する事象が修正後発事象で、財務諸表を修正します。決算日後に発生した状況に関する事象が開示後発事象で、注記します。

Q. いつから適用されますか。

A. 2027年4月1日以後開始する事業年度の期首からです(第13項)。

Q. 早期適用はできますか。

A. 本会計基準に早期適用の定めは置かれていません。

Q. 過年度にさかのぼりますか。

A. 将来にわたって適用します(第14項)。

Q. 承認機関は取締役会ですか。

A. 会社の機関設計によります。どの機関が承認するのかを決めて、注記に書くことになります。

Q. 何から手をつけますか。

A. 承認機関と承認日を決めることと、情報を集める経路を作ることの2つです。

📄 まとめ

後発事象の評価期間の末日は、原則として財務諸表の公表の承認日です。終わりの日がはっきりしました。

その承認日と承認機関を注記します。承認日を決めていない会社は、そこから始めることになります。

適用は2027年4月1日以後開始する事業年度からで、早期適用の定めはありません。将来にわたって適用します。

承認機関を先に決めるのか、情報を集める経路を先に作るのか。どちらから入っても構いません。ただし、どちらも決算の直前には作れません。いま決めてください。

📚 参考(公的な一次情報)

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