少数株主を締め出す方法は3つあります。特別支配株主の株式等売渡請求、全部取得条項付種類株式、株式併合です。
売渡請求は会社法第179条第1項で、総株主の議決権の十分の九以上を保有する特別支配株主が使えます。定款でこれを上回る割合を定めた場合はその割合です。
そして重要なのは、この3つがいずれも法人税法第2条第12号の16の株式交換等に当たることです。イが全部取得条項付種類株式、ロが株式の併合、ハが株式売渡請求です。
- 3つの手法と条番号
- 十分の九という保有割合の要件
- 手続の期限(20日という数字)
- 株主が価格を争う手続
- 3つとも税務上は株式交換等であること
- 選ぶ順番
📌 結論 十分の九を持っていれば売渡請求
十分の九=90パーセントです。これを満たせば株主総会を経ずに進められます。満たさなければ、全部取得条項か株式併合になります。
会社法第179条第1項が、特別支配株主を定義しています。総株主の議決権の十分の九以上を保有する者です。株主全員に対し、その有する株式の全部を売り渡すことを請求できます。
同項のただし書は、特別支配株主完全子法人に対しては、その請求をしないことができる、としています。
十分の九を満たさない場合は、全部取得条項付種類株式(第108条第1項第7号、第171条)か株式併合(第180条)を使います。どちらも株主総会の特別決議が要ります。
🧭 期限は20日で揃っている
どの手法でも、締め出される株主に価格を争う道が開かれています。20日という期間が繰り返し出てきます。
第179条の3第1項が対象会社の承認です。特別支配株主は、対象会社にその旨と第179条の2第1項各号に掲げる事項を通知し、その承認を受けなければなりません。
第179条の4第1項が売渡株主等に対する通知で、取得日の二十日前までです。
第179条の8第1項が売買価格の決定の申立てで、取得日の二十日前の日から前日までの間に裁判所に申し立てます。
全部取得条項付種類株式では第172条第1項が同じ期間を定めています。株式併合では第182条の4第1項が、一株に満たない端数が生ずる場合に公正な価格で買い取ることを請求できるとしています。
保有割合の確認、3つの手法の比較、対価の算定根拠の作成、そして税務上の株式交換等としての適格判定まで通してお受けします。価格の算定根拠が最大の論点です。裁判所への申立てがあれば、そこで問われるのは算定の過程です。実行前に、第三者が読んで納得できる算定書を作ってください。手続の実行は弁護士や司法書士と連携して進めます。公認会計士・税理士が直接お受けします。初回のご相談は無料です。
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🧾 税務では3つとも同じ枠
手法が違っても、税務上は同じ枠で判定されます。会社法の条文だけを見て設計すると、税務の判定を落とします。
法人税法第2条第12号の16が株式交換等を定義しています。イが全部取得条項付種類株式、ロが株式の併合、ハが株式売渡請求です。
会社法上の手続が違っても、税務上は株式交換等として同じ枠で判定されます。適格株式交換等に当たるかどうかを確認する必要があります。
会社法の条文だけを見て手法を選ぶと、税務の判定を落とします。両方を並べて検討してください。
📅 価格をどう決めるか
価格の算定根拠が最大の論点です。裁判所への申立てがあれば、そこで問われます。
締め出される株主の課税関係を直接述べた国税庁の公表資料は、今回確認できませんでした。個別の事情によって結論が変わりますので、事案ごとの確認が必要です。
確認できているのは、どの手法でも株主が価格を争う手続が用意されているということです。裁判所への申立てがあれば、対価の算定根拠が問われます。
株価の算定方法は未上場株式の株価算定はどの方法を使うかにまとめています。何のための価額かで使う物差しが変わります。
❓ よくある質問
A. 総株主の議決権の十分の九以上です。定款でこれを上回る割合を定めた場合はその割合です。
A. 対象会社の承認が必要です(第179条の3第1項)。株主総会ではありません。
A. 全部取得条項付種類株式(第171条)か株式併合(第180条)です。
A. 売渡請求は取得日の二十日前の日から前日まで(第179条の8第1項)。全部取得条項も同じ期間です(第172条第1項)。
A. 一株に満たない端数が生ずる場合に、公正な価格で買い取ることを請求できます(第182条の4第1項)。
A. 3つとも法人税法第2条第12号の16の株式交換等です。同じ枠で判定します。
A. これを直接述べた国税庁の公表資料は今回確認できませんでした。事案ごとの確認が必要です。
A. 算定根拠を文書で残してください。裁判所への申立てがあれば、そこが問われます。
📄 まとめ
十分の九以上なら株式等売渡請求。満たさなければ全部取得条項か株式併合です。
期限は20日で揃っています。株主が価格を争う手続がどの手法にもあります。
3つとも税務上は株式交換等です(第2条第12号の16)。適格判定を落とさないでください。
価格の算定書を先に作ってください。手続を進めてからでは、算定の独立性が問われます。
📚 参考(公的な一次情報)
- 会社法(e-Gov法令検索) 第108条、第171条、第172条、第179条から第179条の8、第180条、第182条の4
- 法人税法(e-Gov法令検索) 第2条第12号の16