自社株の評価はどうやって決まるのか。類似業種比準方式と純資産価額方式、どちらになるのか。
答えは2段階で決まります。まず、取得した人が同族株主等かどうか。同族株主以外の株主等なら配当還元方式です。同族株主等であれば、次に会社規模を判定して、大会社なら類似業種比準方式、小会社なら純資産価額方式、中会社は併用になります。
この記事では、判定の順番と、結論が動きやすいところを整理します。
- 原則的評価方式と特例的評価方式に分かれること
- 同族株主以外の株主等が取得した場合は配当還元方式になること
- 会社規模で類似業種比準方式か純資産価額方式かが決まること
- 中会社は併用になること
- 類似業種比準方式が配当金額・利益金額・純資産価額の3つで比準すること
- 評価する時期によって金額が変わること
📌 結論 誰が取得したかが先
最初の分かれ道は、誰が取得したかです。同族株主以外の株主等が取得した場合は、会社の規模に関係なく配当還元方式になります。ここを間違えると、その後の計算がすべて無駄になります。
取引相場のない株式の評価は、原則的評価方式と特例的評価方式に分かれます。
同族株主以外の株主等が取得した場合は、配当還元方式です。これは、その株式を所有することによって受け取る1年間の配当金額を、一定の利率(10パーセント)で還元して元本である株式の価額を評価する方法です。
この方式は、原則的評価方式より低い評価になるのが通常です。ですから、誰が取得するのかという設計が、そのまま税額に効いてきます。
ただし、形式だけの株主構成の変更は見られます。実態がともなうかどうかが問われます。
🏢 会社規模で分かれる
大会社ほど類似業種比準方式、小会社ほど純資産価額方式に寄ります。中会社はその間で併用します。
同族株主等が取得した場合は、会社規模の判定に進みます。従業員数、総資産価額、取引金額から、大会社・中会社・小会社に区分されます。
大会社は類似業種比準方式です。類似業種の株価を基に、評価する会社の1株当たりの配当金額、利益金額および純資産価額(簿価)の3つで比準して評価します。
小会社は純資産価額方式です。会社の総資産や負債を原則として相続税の評価に洗い替えて、その評価した総資産の価額から負債や評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額により評価します。
中会社は、大会社と小会社の評価方法を併用します。
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🧭 判定の順番
順番を守ってください。会社規模から入ってしまうと、そもそも配当還元方式で済む場面を見落とします。
順番を守ってください。会社規模から入ってしまうと、配当還元方式で済む場面を見落とします。
まず、取得した人が同族株主等にあたるかどうか。ここで分かれます。
同族株主等であれば、会社規模の判定です。従業員数、総資産価額、取引金額の3つを使います。判定の基準は業種によっても違いますから、自社がどの業種にあたるかも確かめてください。
📉 結論が動くところ
同じ会社でも、いつ評価するかで金額が変わります。特別利益が乗った期の直後に贈与すると、評価額が高く出ることがあります。
同じ会社でも、いつ評価するかで金額が変わります。
類似業種比準方式は、1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額(簿価)の3つで比準します。ですから、特別利益が乗った年の直後に贈与すると、評価額が高く出ることがあります。逆に、利益が落ち込んだ期の直後は下がります。
純資産価額方式では、相続税評価に洗い替えます。含み益のある不動産を持っていれば、それが評価額に反映されます。逆に、含み損があれば下がります。
会社規模の判定が境界にある会社では、従業員数が1人違うだけで区分が変わることがあります。判定の時点の状況を確かめてください。
承継の方法とあわせて考える
評価額が出たら、次は渡し方です。相続で渡すのか、生前に贈与するのか、事業承継税制を使うのか。
事業承継税制は納税猶予の制度で、要件を満たし続けることが前提になります。使うかどうかの判断軸は事業承継税制は使うべきかにまとめています。
❓ よくある質問
A. 会社規模によります。大会社は類似業種比準方式、小会社は純資産価額方式、中会社は併用です。
A. 取得した人が同族株主等かどうかです。同族株主以外の株主等なら配当還元方式になります。
A. その株式を所有することによって受け取る1年間の配当金額を、一定の利率(10パーセント)で還元して元本である株式の価額を評価する方法です。
A. 評価する会社の1株当たりの配当金額、利益金額および純資産価額(簿価)の3つです。
A. 相続税の評価に洗い替えた総資産の価額から、負債や評価差額に対する法人税額等相当額を差し引きます。
A. 従業員数、総資産価額、取引金額です。業種によって基準が異なります。
A. 変わります。利益の振れや資産の含み損益が反映されるためです。
A. 同族株主等にあたるかどうかは変わり得ますが、形式だけの異動は見られます。実態がともなうことが前提です。
📄 まとめ
自社株の評価は2段階です。まず取得した人が同族株主等かどうか。同族株主以外の株主等なら配当還元方式で終わります。
同族株主等であれば会社規模の判定に進みます。大会社は類似業種比準方式、小会社は純資産価額方式、中会社は併用です。
類似業種比準方式は配当金額、利益金額、純資産価額(簿価)の3つで比準します。純資産価額方式は相続税評価への洗い替えです。
同じ会社でも評価する時期で金額が変わります。承継の計画を立てるときは、複数の時点で試算してください。
📚 参考(公的な一次情報)
- 財産評価基本通達 168、178から180、185、188、188-2、189から189-6
- 国税庁タックスアンサー No.4638(取引相場のない株式の評価)
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