調査が始まって3か月、半年。連絡が来たり来なかったりで、いつ終わるのかわからない。よくある状態です。
国税通則法は、調査の終わり方を定めています。更正決定等をすべきと認められない場合は書面による通知、認める場合は調査結果の内容の説明です。いまどちらに向かっているのかがわかれば、待ち方が変わります。
この記事では、終了手続の条文を確認したうえで、長引く理由の切り分けと、こちらから打てる手を整理します。
- 調査の終わり方が国税通則法第74条の11に定められていること
- 更正決定等をすべきと認められない場合は書面で通知されること
- 認める場合は調査結果の内容の説明があること
- 修正申告を勧奨されたときに書面が交付されること
- 修正申告を出すと不服申立てはできないが更正の請求はできること
- 新たに得られた情報があれば再度の調査があり得ること
📌 結論 終わり方は2つに決まっている
終わり方は2つです。書面による通知か、調査結果の内容の説明か。いまどちらに向かっているのかがわからないと、待っているだけの時間が長くなります。
国税通則法の第74条の11は、調査の終了の際の手続を定めています。
第1項は、更正決定等をすべきと認められない場合です。その時点において更正決定等をすべきと認められない旨を、書面により通知するものとされています。いわゆる是認通知です。
第2項は、更正決定等をすべきと認める場合です。当該納税義務者に対し、その調査結果の内容を説明するものとされています。この内容には、更正決定等をすべきと認めた額およびその理由が含まれます。
つまり、終わり方は2つです。書面が来るか、説明があるか。長引いているときは、いまどちらに向かっているのかを聞いてみてください。それだけで見通しが立つことがあります。
🔍 長引く理由を切り分ける
止まっている原因が自分の側にあることも珍しくありません。どちらの手番なのかを毎回はっきりさせてください。
止まっている原因は、思っているより自分の側にあることがあります。求められた資料が出ていない、社内の決裁が回っていない、担当者が代わって引き継ぎが済んでいない。
まずは、いまどちらの手番なのかをはっきりさせてください。こちらの手番であれば、いつまでに出すかを決めます。向こうの手番であれば、次にいつ連絡をもらえるかを聞きます。
これを毎回やっておくと、宙に浮いている期間が減ります。
争う論点を絞る
全部の指摘を争うと、全部が止まります。金額の小さいものや、明らかに誤りだったものは早めに認めて、争点を絞ってください。
残った論点について、こちらの考えを書面にして渡します。口頭でのやり取りだけだと、話が行ったり来たりして固まりません。
論点の整理、資料の出し方、書面での主張、そして終了手続の見通しづくりまで対応します。途中からのご相談でも、いまどこで止まっているのかを切り分けるところから入ります。IPO準備中で期限がある場合は、そのことも含めて進め方を組み立てます。公認会計士・税理士が直接お受けします。初回のご相談は無料です。
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🧭 進め方
受け身で待つと、時間だけが過ぎます。論点の一覧をこちらから作って渡すと、話が具体的になります。
いちばん効くのは、論点の一覧をこちらから作って渡すことです。何が残っていて、何が済んだのか。認識が合っていないまま進んでいることが、実際によくあります。
一覧を渡すと、向こうも整理せざるを得ません。認識が違えば、その場でわかります。
あわせて、資料の提出状況も一覧にしておいてください。出した日と、出した内容。これがあると、待っているのはどちらなのかが一目でわかります。
📝 修正申告を勧められたら
修正申告を出せばその場は終わります。ただし、出した部分について不服申立てはできなくなります。急いで終わらせることと、内容に納得することは別です。
第74条の11第3項は、調査結果の内容の説明をする場合において、修正申告等を勧奨することができるとしています。そのうえで、当該調査の結果に関し納税申告書を提出した場合には不服申立てをすることはできないが更正の請求をすることはできる旨を説明するとともに、その旨を記載した書面を交付しなければならない、としています。
ここは大事なところです。修正申告を出すと、その部分について不服申立てはできなくなります。早く終わらせたいという理由だけで出すと、あとで争えません。
内容に納得しているのかどうかを、いったん切り分けてください。納得していない論点があるなら、更正を待って争うという選択もあります。
終わったあとに再度あることも
第74条の11第5項は、通知をしたあと、または申告もしくは納付があったあとにおいても、新たに得られた情報に照らし非違があると認めるときは、あらためて質問検査等を行うことができるとしています。
ですから、終わったから安心という話でもありません。指摘を受けた論点については、翌期以降の処理をそろえておいてください。
なお、重加算税だと言われている場合は、話が別になります。隠蔽または仮装の要件については重加算税だと言われたときに何を確認するかにまとめています。
❓ よくある質問
A. 国税通則法第74条の11に定めがあります。更正決定等をすべきと認められない場合は書面による通知、認める場合は調査結果の内容の説明です。
A. 第1項が、その時点において更正決定等をすべきと認められない旨を書面により通知するものとする、としています。
A. 第2項により、更正決定等をすべきと認めた額およびその理由が含まれます。
A. その調査の結果に関して不服申立てはできなくなります。更正の請求はできます。その旨を記載した書面が交付されます(第3項)。
A. 調査そのものについて何か月以内という定めは、第74条の11には見当たりません。だからこそ、こちらから進め方を作る必要があります。
A. 事前通知の段階であれば、第74条の9第2項に、合理的な理由を付して変更を求める場合の協議に関する定めがあります。
A. 第74条の11第5項により、新たに得られた情報に照らし非違があると認めるときは、あらためて質問検査等が行われることがあります。
A. いま残っている論点の一覧を作って渡すことです。認識が合っていないまま進んでいることが多くあります。
📄 まとめ
調査の終わり方は2つです。更正決定等をすべきと認められない旨の書面通知か、調査結果の内容の説明か。国税通則法第74条の11が定めています。
長引いているときは、いまどちらの手番なのかを毎回はっきりさせてください。止まっている原因が自分の側にあることも珍しくありません。
そして、論点の一覧をこちらから作って渡すこと。認識のずれはこれでわかります。
修正申告を勧められたら、早さと納得を分けて考えてください。出した部分について不服申立てはできなくなります。
📚 参考(公的な一次情報)
- 国税通則法 第74条の11(調査の終了の際の手続)
- 国税通則法 第74条の9(納税義務者に対する調査の事前通知等)
- 国税通則法 第74条の2(当該職員の質問検査権)
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