死亡届はいつまでにどこへ?期限7日と葬儀費用の相続税控除

ご家族を亡くされた直後は、悲しむ間もなく葬儀の準備に追われます。「死亡届はいつまでに、どこに出せばいいのか」「葬儀の費用は後で何かに使うのか」と、分からないことだらけで不安になるのは当然のことです。

この記事では、亡くなった直後〜7日以内に必要な死亡届・火葬許可の手続きと、後の相続税申告で必ず役に立つ葬儀費用の記録のしかたを、初めての方向けに解説します。実際には多くの手続きを葬儀社が代行してくれますので、ご遺族が押さえるべきポイントは限られています。一つずつ確認していきましょう。

📖 この記事でわかること

  • 死亡届の期限(7日以内)と提出先・必要書類(戸籍法86条・87条)
  • 火葬許可証の受け取り方と、死亡診断書のコピーが必要な理由
  • 相続税の計算で遺産から差し引ける葬儀費用・差し引けない費用の一覧(タックスアンサーNo.4129)
  • 領収書が出ないお布施などの記録のしかたと、香典の税金の扱い

🗓️ 死亡直後〜7日以内の手続きの全体像

亡くなった直後の流れは、おおむね次のとおりです。

⏰ タイミング やること
当日 🩺 医師から死亡診断書(または死体検案書)を受け取る、葬儀社を決める
当日〜数日 📄 死亡診断書のコピーを複数枚取る、葬儀の打ち合わせ・費用の記録を開始
7日以内 📮 死亡届の提出と火葬許可の申請(多くは葬儀社が代行)
葬儀前後 💰 葬儀費用の領収書・支払いメモを保管(相続税の計算で使います)

相続手続き全体の期限(3か月・4か月・10か月・3年)は、連載第1回の「親が亡くなったらやることは?相続手続きの流れと期限一覧」で時系列マップにまとめています。全体像を確認したい方はあわせてご覧ください。

🩺 死亡診断書はコピーを複数枚。原本は死亡届と一体です

死亡診断書とは、死亡の事実を医学的に証明する書類で、病院で亡くなった場合は担当の医師が作成します(病院以外で亡くなった場合は、検案を行った医師が「死体検案書」を作成します)。この用紙は左半分が「死亡届」、右半分が「死亡診断書(死体検案書)」の一体型になっており、原本は死亡届と一緒に役所へ提出してしまいます

ところが、死亡診断書のコピーは、その後の手続きで繰り返し必要になります。

  • 生命保険金・入院給付金の請求
  • 年金・健康保険・携帯電話などの各種手続き
  • 金融機関への死亡の連絡

💡 ポイント:役所に提出する前に、5〜10枚程度コピー(またはスマホで鮮明に撮影)しておきましょう。提出後に写しが必要になった場合は、届出をした役所で「死亡届の記載事項証明書」を請求できる場面が法令で限定されているため、事前のコピーが確実です。

📮 死亡届の期限はどこに・いつまで?【7日以内】

死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡したときは3か月以内)に提出します(戸籍法86条)。届出ができるのは、親族、同居者、家主・地主・家屋管理人、後見人などです(戸籍法87条)。手数料はかかりません。

📍 どこで:亡くなった方の死亡地・本籍地、または届出人の所在地の市区町村役場(台東区にお住まいだった方は台東区役所 戸籍住民サービス課)

いつまでに:死亡の事実を知った日から7日以内(7日目が土日祝日等の場合は翌開庁日まで)

🧾 何を持って:死亡届(死亡診断書・死体検案書と一体の用紙)。記入のうえ提出します

台東区役所では、平日の日中のほか、土日祝日や早朝夜間でも1階の「夜間休日受付窓口」で死亡届を受け付けています(台東区ホームページ)。実務上は、死亡届の提出と火葬許可の申請は葬儀社が代行してくれることが一般的ですので、ご遺族が深夜に窓口へ駆け込む必要はありません。

🔥 火葬許可証は死亡届とセットで受け取る

ご遺体の火葬には、市区町村長の許可(火葬許可証)が必要です。台東区では、死亡届が受理されると火葬許可証が発行される仕組みのため、届出の前に火葬場が決まっている必要があります(台東区ホームページ)。この点も通常は葬儀社が火葬場の予約とあわせて手配します。

火葬後、火葬許可証には火葬済みの証明が記されて返却され、後日、お墓や納骨堂に納骨する際に必要になります。骨壺と一緒に保管しておきましょう

💰 葬儀費用は相続税の計算で遺産から差し引けます

ここからが、後の相続税に直結する大切なポイントです。相続税を計算するときは、一定の相続人などが負担した葬式費用を遺産総額から差し引くことができます(相法13条・タックスアンサーNo.4129)。葬儀にかかったお金の分だけ課税対象が減り、相続税の負担が軽くなるということです。

ただし、何でも差し引けるわけではありません。国税庁の取扱いでは、次のように区分されています。

区分 費用の例
⭕ 差し引ける 火葬・埋葬・納骨の費用(仮葬式と本葬式を行ったときは両方)、遺体・遺骨の回送費用、お通夜など葬式の前後に生じた通常欠かせない費用、お寺への読経料などのお礼、遺体の捜索・運搬費用
❌ 差し引けない 香典返しの費用、墓石・墓地の購入費用や墓地を借りる費用、初七日など法事の費用

⚠️ 注意:葬儀とセットで営まれることの多い初七日法要の費用は対象外です。葬儀社の請求書で葬儀費用と法要費用が区分されていれば、後の申告のときに整理がしやすくなります。

🧾 領収書が出ないお布施は「メモ」で残す

お寺への読経料・戒名料(お布施)は領収書が出ないことがほとんどですが、領収書がなくても控除の対象になります。相続税の申告書にも、領収書がない支出を記載する欄が設けられています。そのために、「支払日・支払先(〇〇寺など)・金額・内容」をその都度メモしておくことが実務上とても大切です。スマホのメモでも構いません。

💐 香典に税金はかかる?香典返しとの関係

受け取った香典は、亡くなった方の遺産ではなく、一般に喪主・遺族への贈り物と扱われるため、相続税の対象にはなりません。また、個人から受け取る香典・花輪代などで社会通念上相当と認められるものには贈与税もかかりません(タックスアンサーNo.4405)。一方で、前記のとおり香典返しの費用は葬式費用として差し引けないという関係になっています。

✅ 今週やっておくことチェックリスト

☑️ 死亡診断書を受け取ったら、提出前にコピーを5〜10枚取る

☑️ 死亡届・火葬許可の手続きを葬儀社が代行してくれるか確認する

☑️ 葬儀社の見積書・請求書・領収書をひとつのファイルにまとめる

☑️ お布施・心付けなど領収書のない支払いは、日付・支払先・金額をメモする

☑️ 火葬許可証(火葬済証明入り)は納骨まで骨壺と一緒に保管する

☑️ 香典の記録(芳名帳)は香典返しのために保管する

❓ よくある質問

Q1. 死亡届は土日や夜間でも提出できますか?

A. 提出できます。台東区の場合、開庁時間外は台東区役所1階の「夜間休日受付窓口」で受け付けており、その際は死体火葬許可申請書も窓口で記載します。なお、7日目が土日祝日等にあたる場合は、期限が翌開庁日まで延長されます。

Q2. 葬儀費用は誰が支払えばよいですか?

A. 法律上の決まりはなく、喪主や相続人が立て替えて、後の遺産分割で精算する扱いにすることが一般的です。相続税の計算で葬式費用を差し引けるのは、原則としてその費用を実際に負担した相続人などです(タックスアンサーNo.4129)。誰がいくら支払ったかを記録しておくと、精算も申告もスムーズです。

Q3. 葬儀費用を故人の預金から支払ってもよいですか?

A. 亡くなった方の口座は、金融機関が死亡を知ると凍結されます。凍結前に引き出して使うことは、後の相続人間のトラブルや、相続放棄を検討している場合の不利益(単純承認とみなされるおそれ)につながる可能性があるため、慎重な判断が必要です。口座凍結と当面の生活費のための仮払い制度は、連載第4回で詳しく解説する予定です。

📝 まとめ:手続きは葬儀社と分担し、費用の記録だけは自分で

死亡届は7日以内に市区町村役場へ、火葬許可はそのときセットで、というのが最初の手続きです。実際の提出は葬儀社が代行してくれることが多いため、ご遺族が自分で必ずやっておくべきことは、死亡診断書のコピー葬儀費用の記録・領収書の保管の2つです。この2つを押さえておくだけで、10か月後の相続税申告がぐっと楽になります。次回は、死亡後14日以内を目安に行う年金・健康保険などの手続きを解説します。


👤 監修者情報

公認会計士・税理士 鈴木佑也
鈴木佑也公認会計士税理士事務所(東京都台東区入谷)
相続税の申告・生前対策のほか、IPO支援・事業承継支援を行っています。

台東区(上野・浅草・入谷)で相続税のご相談は当事務所へ

🏢 相続税のご相談は台東区の当事務所へ
台東区(上野・浅草・入谷エリア)で相続税の申告・生前対策のご相談は、鈴木佑也公認会計士税理士事務所へお問い合わせください。葬儀を終えたばかりで何から始めればよいか分からない段階からのご相談も承っています。

お問い合わせはこちら

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別のご判断は税理士等の専門家にご相談ください。

参考(公的機関の情報)

IPO支援に強い、公認会計士 IPO支援に強い、公認会計士

ベンチャー・スタートアップ企業の
経営管理支援・IPO支援

お問い合わせ